キミ子方式ってなあに?


1975年、松本キミ子が産休補助教員の実践のなかから開発した、水彩画が描ける、美術入門のための教育法である。3原色と白だけをい描きはじめの1点を決め、その部分から、隣りへと色違いで描き広げて形にし、画用紙があまれば切り、足りなければ足して、最後に構図を決める。従来の絵を描くための方法である、構図をとり、形を描き、色をぬるのとは逆である。
植物、動物、人工物の代表として、「もやし」「イカ」「毛糸の帽子」の3つを基本とし、描くものが厳選され、配列されている。描くものと作者の位置、道具、手順などを明確にしている。これまでの実践によれば、幼児から老人にいたるまで絵を楽しみながら描ける方法として有効性が示されており、また、障害者教育でも効果的であったと報告されている。なお、油絵、彫刻、版画などにも応用できる。キミ子方式を研究する団体としては「美術の授業研究会」がある。『〔現代〕教育学辞典』(労働句報社)1988.10月

           松本キミ子さんってどんな人?

1940年、北海道生まれ。東京芸術大学彫刻科卒業。小・中学校の産休補助教員、ヨーロッパ遊学、自らの製作などを経る中で「キミ子方式」と呼ばれる独自の絵画技法を考案『絵の描けない子は私の教師』(仮説社)にまとめて発表、その後著書多数を出して「キミ子方式」を全国に普及させる。現在、拓殖大学北海道短期大学保育科の教授、美術の授業研究会代表。キミコ・プランドゥを主宰し、アートスクールや各地での定期講座を開催。
トンガ、コロンビア、韓国など日本以外でもキミ子方式の指導にあたる。2000年夏はガティマラに、冬はチャドに出向き指導する。

著書・共著・著編

『絵の描けない子は私の教師』(仮説社)
『三原色の絵の具箱』(ほるぷ出版)
『ひろびろ三原色シリーズ』全19巻(ほるぷ出版)
『三原色のフィールドノート』全6巻(山海堂)
『カット・スケッチの描き方』(仮説社)1999.10発行


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