幸せな人生とするために (下 - 2)

チンパンジーとオランウータンに学ぶ子育ての盲点

 図は、河合雅雄著「子どもと自然」 (岩波新書)から引用した概要です。

 設定された到達目標をどちらが先に達成するかという、チンパンジーとオランウータンの能力を比較しようとする実験の概略はこうです。

 チンパンジーは、盛んに行動し、失敗してもへこたれず、再びチャレンジしていった。やがて、目標を達成することができた。

 オランウータンは、はじめに少し行動し、まもなくほとんど動かなくなった。しばらくして動き始め、目標を達成することができた。

 結局、同じ時間で到達目標に達したので、能力に大きな差は認められないと結論した。

 オランウータンは、目に見える行動を開始するまで、内的に熟考していたのだろうと考えることが出来ます。


 チンパンジー・オランウータンを子どもに例え、実験者を子どもの親や学校の先生に例えると、以下のように考えることが出来ます。

 オランウータン型(オラン型)は、動かず、目につきやすい反応が乏しいため、一体やる気があるどうかも分らず、能力が低いようにもとらえられかねません。ところが実は、オラン型は、いわばオクテで、ゆっくりと育つタイプともいえましょう。しかし、日本の親や学校側が陥りやすいのは、オラン型の子どもに対して、つい、あぁしろ、こぅしろ、とか、まだ出来ないのかなど、急がせたり、強要したり脅したりでしょう。オラン型の子どもは、潜在している能力を発揮する機会を奪われて、自信を失うことにもなり得ます。

 一方、チンパンジー型(チンパ型)は、例えば、授業において、よく手を挙げ、発言し、失敗しても、チャレンジを繰り返すため、教え甲斐があって、おりこうに見えるわけです。つまり、チンパ型の子どもは良い子として見られやすく、さらに、過剰に評価されがちです。過剰な期待を抱いて子どもに背伸びさせたり、あせらせたりで、結局は、燃え尽きてしまうような子どももあり得ましょうし、一方で、虚勢を張ったり、イライラしたりする子どももあり得ましょう。

 私たちは、日々「表現」をしつつ生活し、育ちます。大人も同様です。

 いかがでしょうか。

 あなたご自身の育ちの過程も、時間に急かされ、知識学習を強要されたりで、焦ったり、イライラしたりといったことが多々あったのではありませんか?

 そして、今、あなたの子育てや家族の関係性はどうなのでしょう。

 子どもたちの多様な個性、兄弟姉妹といえども一人一人異なる発達の過程にじっくりとつき合える子育てを子どもたちは望んでいましょう。

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