The PHANTOM of the OPERA
オペラ座の怪人に魅せられて
2010年12月17日(金)金曜ロードショーが楽しみである。映画になった作曲家であるアンドリュー・ロイド・ウェッバー自らが製作した〔オペラ座の怪人〕の日本語吹き替え版が放映される。楽しみである。
 ン?「日本語吹き替え版は、一般的なことで、別に大したことではない?!」でしょうが、おっとどっこい!
 今回は、劇団四季の大切な人たちが吹き替えを担当することで、大切な映像になるがゆえに、録画は必須で、貴重な映像作品になること間違いなし!
映画のファントムは灰汁の強いロック調で歌うジェラルド・バトラー(Gerard Butler )と異なり、ソフトで包容力のある高井 治 さんが吹き替えをする。劇団四季が製作した3種の【オペラ座の怪人】と、自身の観劇歴の中では、高井 治 さんの声に最も惹かれる。その彼のファントムが映画の中で聴けるとは、かつ、繰り返し聴けるとは、ありがたいことで、とにかく楽しみです。
小生が【オペラ座の怪人】に魅せられたのは、何れも劇団四季公演での3回目、仙台で日本小児科学会があった際だった。当時、新都市ロングラン公演と銘打った画期的な企画が実行されており、丁度、仙台での公演期間に学会があった。学会のスケジュールを見た上で、至近になってから、チケットを求めた。大きな会場の3階下手側だった。当時、ファントム役でデビュー間もない高井治 さんの歌声に魅せられた。かつ、クリスティーヌが村田恵理子さんで、これまた良かった。
 自身、過去2回の観劇では、ストーリーを理解すべく考え、楽曲に不慣れなこともあり、今一、すんなりと親しめなかった。妻に言わせれば“ストーカー物語的”で、同様に良さを体感できなかった由。
が、仙台の舞台では、3階遠方席であったこと、ストーリーの概要が分かっていたこともあってか、会場を包み込む歌声・楽曲に共感し、いつしか感涙していた。涙を止める必要がなかったこともあり、頬を伝って流れたことを覚えている。
 帰鳥後、妻にこのことを話したが、小生の感想に共感するには至らなかった。2001年5月のことである。
2005年1月7日(金)午後、年休を取得して関空に向かった。翌朝から2泊3日で上海・蘇州へ、阪急トピックスの格安旅行に夫婦で出かけた。夜のオプションに上海雑技団があったが、グループでわれわれ2名を除き、皆が、これを申し込んでいた。専用バスは、夕食後、同公演がある会場界隈に停まった。で、われわれは放り出された?!のである。自身、ホテルへの安全な帰還の責任があるので、界隈の位置を確認することに努めた。・・・ここは一体何処?!
突然、妻が「オペラ座の怪人の垂れ幕があるわ」と。小生のオツムは位置確認で全開中で、最初、聞き取れなかった。が、そうと気づき、なるほど至近地にファントムとクリスティーヌの垂れ幕が(街灯の?)支柱に掲げられていた。せっかくだからと、記念に写したが、その最中もここは何処?!オツムだった。
妻はさらに「上海で【オペラ座の怪人】をしているのでは?」と言う。自身、そんなはずはないと思いつ、妻が「聞いてきたら」とも言う。聞いて来いといわれても、中国語が分かるはずもなく、ダメ元で、上海雑技団を見るべく添乗員も入っていった方に進んだ。チケットカウンターと思えるコーナーがあり、かつ、【オペラ座の怪人】のポスターがあったので、(自他共に認める語彙が少なく“出雲弁”調の)英語と日本語で交渉するが、残念ながら、通じない。それでも何とか意図が通じて、残席が分かる客席マップを見ることが出来た。かつ、どうやら、この一帯に劇場があり、今宵の上演があると分かった。19時前のことである。
 客席マップには、何と、望む席種が〔VIP〕と記されているが、これは完売。2・3階席の残りもあったが、1階前方上手の側壁に寄り添う2席を購入した。
 次は、劇場の場所と入り口探し:係員が外に出て左手の方に進めと動作で示してくれた。外に出た。途中、広くない通路・出入り口があったが、これはどうやら違う。次いで、また出入り口らしきがあり、幸い、警備員に出会った。チケットを見せて、動作で入り口を尋ねると、意図を理解してか、さらに、左回りに進めといった案内を得た。そして・・・
大きく左回りに歩むと、何と、筆舌に尽くし難く、日本では体験し得ない光景が拡がった。最上級と思える豪華な建物、大きな正面階段。階段にはファントムのそれと分かる絵が描かれていた。建物全体は神々しいとの表記が素直に書けるほどの燦然と輝く照明に包まれていた。
 正面から入ると、一般のビルなら6・7階程度(以上?)に相当する高い吹き抜け。上手側座席へのドアを確認した時点で、開演の19時を過ぎており、序曲がそれとなく聴こえていた。入室が止められ、少し待って、劇中劇〔ハンニバル〕のシーンになってから、会場係員の案内に従い、通路を前方に下りていった。
 係員の彼女は上手壁側の席を示した。が、(壁面側には通路がなく、)約10席はある隅っこの場所であり、お客は舞台を食い入るように見入っておられる。で、小生は妻に通路の段差を椅子代わりに座れと指示し、しゃがみこんだ。
 すると1・2分程度だったか、係員が再びやってきて、内心、自席への移動は止むを得ないかと思ったが、何と、数席前方、VIP席ゾーンの上手後方の2席に、そう、丁度2席が空いていたのですが、ここに座れと案内してくれたのです。
 何と!ラッキーなことか、おそらくは上海市ないし党の、それこそVIPのために、2席空けてあったのでしょう。当日は、そうした方がおられなかったとの判断で、われわれを導いてくれたのでした。
上海で初めての、2〜3か月単位のロングラン・ミュージカルは初めてのことと、後日調べて分かったのですが、ロンドンでオーディションをして、オーケストラを含めて、規定の舞台・公演が実現したとの理解をしています。
 場面場面で拍手をし、いわば、客席の拍手マスターとなり、かつ、Brabo!の掛け声も、さらには、エンディングでスタンディング‐オベーションも!〜 ひょっとしたら、上海公演で、会場が盛り上がった珍しい夜になったのかも知れません。
実は、一幕が終わった時点で、妻は、本来の自席に戻ることを話したのですが、寛大な?!小生は、誰も困らないので、そのままVIP席を堪能し、かつ、結果的に劇場の盛り上げ役を担った次第でした。 さて、一幕を観劇しての妻と小生の弁は、異口同音「凄い!なるほど【オペラ座の怪人】は素晴らしい!」の感動体験でした。
 購入席は写真に示した辺りの壁面側2席でした。
 中央・前方ブロックの上手側隅の2席が、恵まれて体験したVIP席でした!機会に感謝至極!!

英語での上演であり、字幕はありました。ただし、中国語!つまり、二人とも、舞台に集中したのです。で、一致したのは、「まず演劇ありき」で、「表情・所作に台詞があり、これに曲が乗る・付く」ことの実感でした。
 演技、歌唱は上質で、曲が活きていました。そう、正しく魅せられたのでした。
(続) ロンドンの【オペラ座の怪人】
!何? ホテルへの帰路は? 終演後、お客の流れに沿って歩いたら、至近の地下鉄駅が「人民広場」と分かりOK!観劇の感動興奮を静めることの意図もあり、ライトアップされた繁華街を歩き、やおら地下鉄に乗り、ホテルに帰着した次第でした。

関連資料
○ ファントム役のジェラルド・バトラー、高井 治さんなどの情報は、ウィキペディアでの検索を!

:現在、村田さんの出演は随分の期間ないので、或いは、個人的には残念だが、退団されたのかも・・・。彼女は包容力のあるソプラノで、高井さんの歌声とステキなハーモニーを醸成していた。
2010/11/ 9 記

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