小曽根 真
Makoto OZONE
小曽根 真 を初めて聴いたのは、2006年・生誕250年のモーツアルト・イヤーに、兵庫芸術文化センター管弦楽団第5回定期演奏会(11月)で彼がピアノ協奏曲第9番「ジュノム」を弾いた際です。
 驚きました。
 馴染んでいた耳に、カデンツァ♪1でもないのにキラキラと音が踊り、ジャズそのものといえるカデンツァは延々と、そう、このまま「終わらないで!」と祈りたくなるほどの心地良さでオツム・身体が満たされたのです。
 指揮の井上道義もうっとり?!で、本曲が終わった後のアンコールも「Bravo!!」
実は、この年の5月、ラ・フォル・ジュルネでも、当然のことながら、モーツアルトが取り上げられ、NHKが小曽根がソロを弾いたピアノ協奏曲第9番「ジュノム」を放映しました。さらに、同年の宮崎国際音楽祭でもシャルル・デュトワ指揮で小曽根がピアノ協奏曲第9番「ジュノム」を演奏しており、これもNHKで放映されました。
 どちらも、幸い、録画し、手元にあるのですが、兵庫で生を聞いた際と、東京・宮崎での各々の放映されたカデンツァが皆異なったのです。
 ジャズ・ピアニストゆえの本領発揮いや当然のことなのかも知れませんが、小生にとって、モーツアルトとジャズのコラボレーションは初体験でもあったので、衝撃的であり、“音の風景”としてオツム・身体に残っています。
 印象に残っている一つは、TV映像ならではですが、カデンツァ♪1を紡ぎ出す際の小曽根の表情です。せつなさ、産みの苦しみなど、彼の全知全能を尽くして、弾いていく様が、とくに、オーケストラ・本来の楽譜に戻して行く際の、つなぎ部分における様子は必見と思いました。(コンサート会場では、望遠鏡で見たとしても横顔に留まり、HNKが収録する際の上手2階ブースからの顔の正面は見れません・・・。)
新鮮な感動を基に、小曽根のCDを(中古市場で漁り)数点購入したのですが、残念ながら(?)ジャズであり、クラシックのCDは皆無でした。出来ればモーツアルトのピアノ協奏曲第9番「ジュノム」、いや、それ以外の協奏曲もCDでと願うのですが、実現は?!
小曽根はその後、ショパンにも挑んでいることは、ファンは承知の通りです。
 2010年はショパンの生誕200年メモリアル・イヤーとあって、ラ・フォル・ジュルネに出演し、かつ、投票でショパンの人気ベスト10を選ぶ日♪2にも出演しておられた。
 演奏もですが、解説の機会もありました。自身の趣味で、彼の発言・解説部分と各演奏者による演奏を抽出し、4時間番組を半分にして、個人用DVD-Rを作成した次第です。
小曽根によるショパンのピアノ協奏曲第1番(第2番でも是)やモーツアルトのピアノ協奏曲を、第9番「ジュノム」の再演でもOKだし、他の曲でもOK!! 〜 聴けるのはいつの日か・・・。楽しみに待っている一人です。
 勿論、ソロでもOK、ないし、トリオのジャズでもOK! 〜 機会があればと狙ってはいるのですが、この4年間は、彼の生演奏に接していません。

上記は、兵庫県立芸術文化センターのホームページから、[公演カレンダー]、さらに[過去の公演]をクリックし、[←]のクリックを繰り返して「2006年」を出すと、見ることが出来ます。必要事項を抽出して、上記としました。
蛇足) 上記解説に、指揮者を“日本人離れしたルックス”とありますが、父親はドイツ系アメリカ人とあり♪3、自然こととの理解をしています。

小曽根 真 の〔ラプソディ・イン・ブルー〕にも感動しました。これは、やはりNHKが放送したのですが、大阪フィルハーモニー管弦楽団、大植英次の指揮による秀演でした。ガーシュウィンの本曲自体、クラシックとジャズの端境にあるとの理解をしていますが、クラシックのピアニストによる演奏と異なり、小曽根の演奏はより自由闊達な演奏になっています。
*調べると、何と You Tube で上記の全曲が聴けそうです。その1その2その3
 そういえば、上記演奏会は、2008年2月14日(金)ザ・シンフォニーホールでの定期で、アンコールに応えた小曽根がバレンタインデーにちなんだ曲♪4を、勿論ソロで、心に染み入る演奏をしていました。
 メインは大植英次得意の〔幻想交響曲〕〜幸いCPRM録画なので、まずまずの画像で再研修しましたが、音・演奏は新鮮・秀逸でした。大切なDVDです。再放送があれば良いのですが・・・。

♪1:カデンツァ【(イタリア)cadenza】:1 楽曲の休止・終結を形作る旋律や和声の定型。カデンツ。2 楽曲の終結部で、独唱者または独奏者の演奏技巧を発揮させるために挿入される、華美な装飾的楽句。カデンツ。
♪2:5年毎にあるショパン国際ピアノコンクールの覇者3人も出演!〜 ダン・タイ・ソン(ベトナム人、アジアで初の優勝者。1980年、第10回)、スタニスラフ・ブーニン(旧ソ連/ロシア。1985年の覇者で、NHKが特番を放映したことで“ブーニン・フィーバー”となり、今でもわが国には人気が高いとの理解をしている。)と、ラファウ・ブレハッチ : 素人の小生は、彼のことを知らなかった。2005年、第15回の優勝者か・・・。
 ちなみに、「題名のない音楽会」に4回出演(と、佐渡 裕 が話していた)ユンディ・リは、この日は出演していなかったが、2000年の覇者で、彼が20歳の時にN響定期に出演したショパンのピアノ協奏曲第1番が別の日に放映され、これもDVD-Rに残し得た。
 1990年、1995年優勝者は?:調べると該当なしだった。
♪3ウィキペディアにある情報
♪4:アズナブールの 〔SHE〕〜 この素材を小曽根シェフが巧みに調理して演奏しました。オーケストラとピアノの掛け合いの後、静かなピアノの調べは心地良かったですヨ!

関連資料
兵庫県立芸術文化センター 
兵庫芸術文化センター管弦楽団 
小曽根 真 のホームページ 
井上道義のホームページ 
ラ・フォル・ジュルネ 2010 
宮崎国際音楽祭第11回 2006年のプログラム 
大植英次 
 ⇒ 小生と大植英次さんとの接点 
2008年2月14日の定期演奏会情報 
  同 ポスター&チラシ 
ザ・シンフォニーホール 
本項で引用したインターネット資料は、2010/11/11現在
2010/11/11 記

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