平成9年3月、岡山自動車道が開通、太平洋の高知から日本海の米子までが自動車道で結ばれるという一大モニュメントが完成した。
開通直後の5月、岡山自動車道の一部区間で地盤沈下が発生、岡山自動車道の一部が数cm沈下、その後も数回にわたり合計20cm沈下し、通行止め、仮修理を繰り返し、7月になってようやく収まった。
原因は、5月に雨が多かったため、地盤の弱いところが滑ったものとみられる。
沈下が20cm程度で済み、事故は幸いなかったが、もし5月が普通の降水量で推移して沈下が起こらず、梅雨期の本格的な大雨を迎えたとしたら、もっとひどい崩壊が起き、大惨事となっていたかもしれない。
なぜ地盤が弱かったかについて、もともと地盤の悪いところだったのか、造成工事に問題があったのかは不明である。
いずれにしても、開通前にもっと慎重な地盤調査が望まれたところである。
ところで、岡山自動車道が、太平洋〜瀬戸内海〜日本海を結ぶ基軸幹線道路の要であること、瀬戸大橋の利用数が伸び悩みその利用促進を図るための切り札とされたこと、その背景には平成10年に明石海峡大橋の開通を控え、四国への流れをさらに奪われる懸念があったことなど、岡山自動車道の完成を急がせた動機が幾つか想起される。
また、岡山自動車道の経路はまさに橋本首相の地盤であり、岡山県出身の平沼元運輸大臣の存在、元建設省審議官の石井岡山県知事の就任など、多大な影響力を持つ人物による完成に向けての水面下での働きかけが活発になされたことは想像に難くない。
単刀直入に言えば、完成を急がせたことが大惨事に繋がるところだったのである。
もし人命に関わる事故が起きていたら、その責任はどこに帰るのであろう。
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