展覧会のご挨拶・・・・・・・・・・・・

ようこそ!Jazz meets Art
Jeremy Steig & 徳持 耕一郎 ジャズ・アート展
Yokohama Jazz Gallery 2004


 ジャズミュージシャンと大のジャズファン、そんなふたりがアートでそれぞれの個性を表現したら?
Jazz meets Art には、まるでジャズのライブ演奏のようにスウィングする楽しい色と線がいっぱいです。

ジャズフルートのパイオニア、ジェレミー・スタイグと、マイルス・デイビスをはじめ有名ジャズミュージシャンやライブシーンを長年描いて来た徳持耕一郎氏の出会いは5年前。ライブ会場にドローイングを持参したスタイグとミュージシャンのスケッチに訪れた徳持氏は、お互いの全く異なる表現を「ジャズの心」で受けとめて友情を育んできました。

ジャズは、ミュージシャンが自分の生きているその瞬間をどんどん音にしていく即興です。だから例えばソロだって、ハッピーだったり、怒っていたり、泣いていたり、その時になってみなければわかりません。内側に湧き上がる感情を即座に表現するなんてずい分大胆ですよね。その生々しさが、聞く側の心の扉を叩きます。知らず知らずのうちにのめりこんでしまうんです。音楽家・ジェレミースタイグの描く内面的ドローイングとジャズファン徳持氏が「ジャズに描かされている」という直感的ドローイングの対比は大変興味深いものがあります。

東京のライブで見たスタイグの絵に、画商でジャズマニアの西川氏が興味を持ったのは2000年のこと。それからは、次から次へとEメールでニューヨークから送られてくるドローイングのイメージを通して、作家との関係を温めました。ある日、「トクモチって知っているかい」とスタイグの紹介で、徳持氏のアトリエを訪問し、目にした作品に「これだ!」と直感。二人展のきっかけとなりました。

場所はヨコハマ。私が幼い頃は、路面電車がのんびり走り、元町通りの隣の川にはだるま船がひしめいていました。有隣堂書店のある伊勢佐木町通りも、週末になると傷痍軍人さんたちの奏でる哀しげなメロディーが火ともし頃まで響いていたものです。今、そびえ立つみなとみらいのスカイラインを眺めると、この町もここ数十年ですっかり変わったのを実感します。とはいえ、自由であけっぴろげな浜ッ子気質はそのままです。

   常に動いてゆくジャズの心をスウィングにのせて描く。それが Jazz meets Art。
この二人展が実現したのも、みなとヨコハマのやさしさがあってこそ。お力添えを頂いた多くの皆様に心から感謝すると共に、できるだけたくさんの方々に、自由に表現する楽しさを感じていただけたらと願います。

                      スタイグ 麻子       




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