<いじめ問題について> |
きょうは、稲葉山小学校の6年生の47人の皆さん方に傍聴においでいただきました。小学生の皆さん方には、きょうを契機にぜひ政治への関心を深めていただきたいと思っております。
全国各地でいじめ問題が発生し、社会問題化してマスコミで大々的に取り上げられる中、9月鳥取県議会においても多くの議員の皆さん方に議論していただきました。議論の多くは、教育現場における教師の対応、教育委員会の対応、さらにはいじめの原因についての追及であったように思います。これらの議論は大変重要な議論であり、いじめ問題と思われる事象が発生した場合、マニュアル的にも大変有意義な議論だったと理解しています。また、県としても県教育委員会と締結している教育振興協約を、いじめ問題解決に向けて総合的な対策を展開するために8月末に改定されるなど、教育委員会と行政が一体となっていじめに取り組む強い姿勢を鮮明にされました。いじめ問題を少しでも早く発見し、いち早く対応するためには、こうした議論があらゆるステージで行われ、継続的に議論を深め、有効と思われるあらゆる対策を講じることが必要だと思っています。
一方で、幾らいじめ防止に向け、万全と思われる対策を講じたところで全てのいじめを防止、撲滅できるかというと、少なくすることはできても、これといった特効薬がなく、完全になくすことはできない事案だと思います。
それぞれの人生の中で、いつでも起こり得る問題で、避けて通れない人類永遠の課題の一つであると私は思います。知事と教育長にそれぞれ認識をお伺いしたいと思います。
よくいじめの原因調査が報告されると、教師や家族は全く気づかない場合がありますが、誰にも相談することなく抱え込んでいる場合があると言われています。特に、仲間外れにされることは子ども達にとって一番大きな出来事で、陰湿ないじめが起きやすいとも言われております。しかし、周りの子供たちはそうした異変に気づいている場合が比較的多いとも言われています。子ども達の日常生活の中で早期発見、早期対応ができる仕組みづくりが必要ではないかと思いますが、教育長の所見と、もし考えておられる対応策があればお伺いしたいと思います。
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●知事答弁 |
きょうは、稲葉山小学校のお友達にこの議場に来てもらっています。これから帰って、いじめについて皆さんもぜひ話し合ってもらえれば、と思います。
考えてみれば、今の伊藤保議員のお話を聞いていて、私もちょうど小学生のころを思い出します。伊藤議員も多分おっしゃりたかったのは、いじめというのは残念ながら決してなくならない性質のものではないだろうか。では、それに対してクラスで、あるいは学校の先生とかお父さん、お母さんとか、また地域の皆さんとか、みんなでどうやってそれを解決していったらいいのか、それをずっと根気強く、そしてある意味明るい態度でやっていかなければいけない、そのような考えなのかなと思いました。何か時代を感じるような、そういうような質問だったと思います。
私も子どものころは、そんなにいい子どもではなかったかもしれません。というか、クラスの仲間みんなが、いわば遊びだったり、あるいは本気だったり、いろいろなことがあるわけですが、言葉のやりとりだったりとか、あるいは時に手が出てしまうということもあります。それが学校生活ではないかと思うのです。いわば下町といいますか、いろいろな子ども達がいるところだったこともありますが、当時は順番にいじめの対象が移っていったということを思い出します。私もいじめられたことがありますし、ほかの仲間と一緒にいじめ側に回るということもありました。
ただ、相手が根本的に立ち直れなくなるぐらいやっつけてしまうということではありせん。仲間外れ的なことですね、そうしたことはどうしても起こるのだと思います。ちょっとした気持ちの不具合というか、うまく話ができないということがきっかけなのだと思いますが、理解できなくて、ではあいつとは遊ばないとか、そういうことはやっぱり起こると思います。
そんなときに何回か、みんなが学校の先生からこっぴどく叱られたことがあります。それは身体的特徴、例えば顔に何かがあるとか、そういうことで仲間外れにしたりしたことがありました。今でも反省するのですが、それは本当に怒られました。クラスのみんなが反省しました。こういうことはやめようと。それで本当に仲良くなれたという思いがあります。こんなことは学校の中では何度も何度も起きるので、それを繰り返してみんなで学んでいくのがいじめ対策の本質ではないかと思います。
ただ、それはクラスのみんなだけで解決できないときがあります。これはもうたまらない、何とかしてというときは、恐れずに助けてとSOSを周りの人に伝えることだと思います。今、鳥取県でもそういうテレビコマーシャルをやっていますが、子ども達もいざ、これは困ったというときは、恐れずに先生に言ったり、大きな声で周りの仲間に呼びかけたり、そういうことをやってもらいたいと思います。やっぱり人間ですから、話し合ってわかり合うことが一番大切です。それをいじめを通して学んでいくということも大切なのだと思います。
さて、教育委員会と私たちとの間でやりとりをしました。そういう学校のクラスの中だけで、現場だけで解決できないこともあるでしょう。第一義的には、やはり教師の資質というか、そういうことも大切なのだと思います。やはり、そういう不規則な事象が起きるので、単なる学校の教科だけでなく、子ども達の心の機微というものを上手に捉えて指導していく、そういう力量も大切だと思います。この辺は教育委員会として、ぜひ改善を図っていただく必要があると思います。滋賀県のことが問題になりましたが、他山の石であり、私たちも決して無縁ではないと思っています。
両方で協力して、教育委員会と一緒に幾つかのシステムをつくりました。今は子ども達もメールなどが得意ですので、メールでもいじめ相談ができる、そういうサイトができました。それから子どもとか学校の悩みのサポートチームというものを編成して、学校のほうに派遣するということも始めました。それから本当に深刻ないじめの事象があって、例えば命が奪われるようなことにまでなるような場合には、教育現場の中だけでひょっとしたら解決できないかもしれない。第三者的目で鳥取県執行部のほうから、私どものほうから人を派遣をしていくと、そういう調査チームを設定することも制度として盛り込みました。必要な予算もつくっています。また、ハイパーQUと言われるアンケート調査も各学校でやる準備をしました。人間関係のちょっとした機微、ここにひょっとするといじめがあるかもしれないと、そういうものを感じ取れるような調査を用意したので、学校現場でぜひ活用してもらいたいと考えています。
いずれにしても、社会全体で解決すべき一つの試練、テーマを与えられているのだと思いますので、私ども執行部としても役割を果たしていきたいと思います。
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●横濱教育長答弁 |
私たちは社会の中で生きていますが、組織や集団に属しています。そして、この組織や集団の中で人間関係ができれば、その人間関係で接し合う中で当然その人間関係も変化してきますし、さまざまなことをきっかけとしてトラブルに発展していくこともあると思います。大人の社会ではパワーハラスメントだとか、あるいはセクシュアルハラスメント、そういうことがありますが、それも人間関係が変化して、力の関係が変化して力が乱用されていく、そういう過程で起こってくると思いますし、そういう面でいうと、いじめの底流には、大人社会にも子ども社会にも同じようなものが流れているのではないかと思います。組織や集団があれば、いつでも起こり得るものだと思います。
このいじめは、人間性の奥の深いところ、深奥に潜んでいる業のようなものではなくて、社会の力関係に宿る病理のようなものではないかという意見もあります。社会に一定の人間関係があればトラブルが生じてくることは当然現実にはあります。ただ、この力関係が過度にエスカレートしていってトラブルに発展し、さらにそれがいじめに発展しかねない、そういうことに歯止めをかけていくことが大事だと思います。
また、近年では特に携帯電話、あるいはスマートフォンなどが急速に発達、普及しており、ネット上のいじめという新たな問題も出てきています。このネットの持つ匿名性から、必ずしも力関係だけでいじめが説明できない状況も出てきています。ネット上のいじめの特徴をしっかり踏まえた上で対応していく必要もあります。
私は、こうした認識のもとに、子どもを含め、社会全体でいじめをなくしていくことはとても大事だと思いますが、その面で教育の果たす役割はまた極めて大きいと感じています。
学校は、子ども達が安心して学ぶ場でなければならないと思っています。そういう場所で日常的にからかいや意地悪が繰り返されると被害者が精神的に追い込まれます。したがって、早い段階でいじめの芽を摘みとって対応していくことが大事だと思います。一方で、このいじめは目に見えにくいということもあり、また被害者であった子どもが次は加害者に変わるということがよくあります。それは短期間で変わることもあるので、そういうことを考えると、早期発見、早期対応という取り組みにはある程度限界があると思います。
そのため、早期発見、早期対応をしつつ、一方でこのいじめのきっかけとなるトラブルを減らしてエスカレートを防いでいく、そうしたいじめが起きにくい学校や学校の風土をつくっていく、そうしたことも一方では大事だろうと思います。
このようなことから、本年度9月の補正予算で県内全ての学校を対象として実施する心理検査、ハイパーQUを認めていただきありがたく思っておりますが、このハイパーQUは、子ども達の一人一人の状況を把握して個別の対応を行うこともでき、一方でまた、学級内の人間関係の状況を見て、その学級のストレスの度合いを探ることもできます。私は、ハイパーQUは非常に効果のある検査だと思っています。しかし子ども達の状況をより理解するためには、この検査があるからといって日常的な観察を欠かすことはできないと思います。ハイパーQUと日常の観察などを効果的に組み合わせながら、子ども達の変化に気づいていくことが大事だと思います。
あわせて、きょうは稲葉山小学校の皆様が傍聴に来てくださっていますが、私は、子ども同士で問題を解決していく仕組みづくりも大事だと思います。子ども達が児童会あるいは生徒会などの自治活動を通して、この問題を自分たちで訴えたり、あるいは対策をみんなで考えて出したりしていく、そうしたことを通して子ども達の視点で取り組んでいく、そういうことも大事だと思っています。
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<いじめ問題について>bQ |
子どもは毎年成長していきます。友人関係も広がり、未知の人間関係もどんどん広がっていきますので、人間関係をしっかり構築する教育を繰り返し繰り返しする必要があると思っています。そこで、人を人として尊び、相手の存在、人間性を認め合う教育、つまり人権教育の取り組みが私は今本当に問われてくると思っています。教育長の所見と今後の取り組みの方針について、もしあればお伺いしたいと思います。
それと、やはり制度というか、自らの見抜く力、気づく力、相談する力を子ども達にしっかりつけてもらうということが私は大変重要であると思っています。
それとまた差別といじめ、表現は違いますが、構造は全く同じであると私は思っています。差別がいじめに包含される事案も多く、いじめが社会問題化する中で、差別が社会問題化しないというのも私はいかがなものかと思っています。
県としても、しっかりと認識を共有しながら対応していく必要があると思いますが、今後の取り組みについての知事の認識をお伺いしたいと思います。
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●知事答弁 |
伊藤議員のほうで言われたとおり、気づく、あるいは見抜く、また相談するといった力量がクラスの中にも必要でしょうし、またそれを上手に教職員が対応していく、教職員にも同じような力が求められるのではないかということは、全くそのとおりだと思います。その背景のところに、やはり差別との共通性があるのではないかというのも、私もそうだなと思うところがあります。
いじめというのは何かきっかけがあって始まるものです。そのきっかけの一つに人間の心の中の病理とでもいうべき差別というものが作用することがあると思います。私自身も見聞きした中にもそういうものもありましたし、こういうことは最もいじめの中でもたちの悪いものではないかと思います。その意味で、大人社会、地域社会全体として差別を根絶していく歩みを、私たちは力強くやらなければいじめ問題の解消にもつながっていかない、そういう面もあると思います。
鳥取県としては、議場でもたびたび問題になっているインターネットを通じた陰湿な差別事象が最近も後を絶たないということがあり、昨年末に人権問題についての特別の小委員会を人権尊重の社会づくり協議会の中に設置しました。そこでいろいろとやりとりをしながら、インターネットによる差別事象も議論してもらうようになってきています。
いろいろな形で、こういう差別問題について社会的対応が求められると思います。
今、選挙戦が戦われておりますが、その中で各党の政権公約ないしマニフェストでもこの点さまざまな議論が出されています。民主党の公約、マニフェストの中では、人権委員会というものを設置するという法律をつくるべきだと書いてありますし、公明党さんも人権救済の組織、委員会を設置すべきだと、そういう主張が出ています。自民党さんの場合は個別法で人権救済を、人権に対することをやっていくのだと、そういう人権救済法といったようなものについては反対するというように主張を政権公約の中に書かれておられます。共産党さんは特に人権についての記述は見当たりませんでしたが、今各党間でさまざまな意見が出されて選挙戦も戦われています。
この人権の課題というのは、選挙の前後を問わず解決しなければならない課題ですので、新しい政治の動きの中で、今後もっと国のほうのアプローチも強めていただきたいと思います。
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●横濱教育長答弁 |
10月10日に境港市内の中学生が飛びおりた事案が発生しました。その翌々日は議会の最終日でしたが、本会議終了後、急遽総務教育常任委員会が開催されました。その常任委員会で伊藤議員のほうから、このような事案が起きる背景には人権教育そのものが弱ってきているのではないかというようなお話がありました。
この境港市の事案を受けて、10月15日に全県の市町村の教育長に集まっていただいて臨時の協議会を持ちました。そのときに境港市の佐々木教育長のほうから、今回の事案を受けて、人権教育を充実して力のある教員を育てていくことが大事だとか、あるいは体験活動などを通して達成感、成就感、そうしたものも育てていかなければいけないというお話があり、私はこの常任委員会での伊藤議員あるいは佐々木教育長のお話を聞き、同じ問題意識を持ったと思っています。
私は、いじめなどを生じさせないためには一人一人の子どもを大切にするということは当然基本に置かなければなりませんが、子ども達が安心して学んでいくことができる学校づくり、そして自分も大切にするけれども、相手を大切にしながらお互いを認め合って成長していく、そうした集団づくり、そうしたことを人権教育の基本と据えながら今後取り組んでいく必要があると思います。
私は、これまで本県で取り組んできた人権教育というのは、差別を見抜き、差別に負けない、そして差別を許さない子とも、そういうことを育てていくことを念頭に置いてやってきましたし、実践を重ねてきて成果も出ています。今こそ、そういう視点を改めてしっかり押さえて、目の前にいる子ども達の課題に切り込んでいく必要があると思います。
あわせて、先ほども少し触れましたが、子ども達一人一人が大切にされている環境をつくっていくことが、相手を大切にしていく環境にもつながっていくと思います。そしてまた、そういうことをするためには、まず子ども達が共同して体験する場だとか、あるいは連携して知恵を出し合って課題を解決していく場、そういう場を積極的に設けていく必要もあると思います。
今後新たに取り組むことにしているいじめ対策に加えて、人権教育あるいは体験活動を通して子ども達の自主性を引き出しながら、より人間性が高まるような教育を進めていきたいと思っております。
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<いじめ問題について>bR |
私は10月14日、県立社会福祉人材研修センターで開催された第46回青少年育成鳥取県民大会に出席しました。その席上で「少年の主張」鳥取県大会の表彰式が行われましたが、最優秀賞を受賞した倉吉東中学校の山田君の「「キモイ」って何?」という主張を読ませていただき、大変感銘を受けました。議長のお許しをいただき、本日議員の皆さんのお手元には配付しておりますので、お読みいただいたらと思います。
山田君は、生まれつき重度のアトピー性皮膚炎で悩んでいた。ある日、すれ違いざまにキモいという言葉をささやかれた。この言葉をきっかけに、悩みながら、病気との闘いの中で強い心を持つことで成長してきたみずからの成長をあからさまにまとめた主張でしたが、私は本当に強い感銘を受けました。この最優秀賞は鳥取県知事杯でもありましたが、平井知事の所見をお伺いしたいと思います。
この主張、山田君の了解さえ得られれば、一つの教材として活用できるものと思いますが、教育長の感想と活用への意欲についてお伺いしたいと思います。
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●知事答弁 |
山田颯亮君のお話ですが、これについては私も非常に深い感銘を覚えました。実は、青少年健全育成大会の席上、山田颯亮さんの姿が見えて、ちょっとその話も私自身もさせていただいたのですが、しっかりした文章です。その中に書いておられるのは、さっき私もちょっと例に挙げましたが、御自身が身体的な特徴があると。それをもって本人はそのことで非常に苦しむわけです。体の不調があり、苦しむわけです。そして、学校に行くのもつらい、できない、治療も必要だということもある。学校を離れて勉強になかなか入れなかった時期もあると。このようなことで非常に悩んでいるわけですが、そういうときにキモいという言葉をかけられる。非常につらいことだと思います。これが先ほど来議論されている差別であり、いじめの端緒になることかもしれません。ただ、そういうことを本人は乗り越えていくわけです。一つには、クラスメートの友人を得て、その友人との友情の中で自分自身に自信を持っていくのだろうと思うのですが、そうやってひとり立ちしていく、自我を確立していくということが、文章にはっきりとは書いていませんが、読んでいるほうにはわかるものです。また、そうした差別を乗り越えていくだけの力強さを本人も成長して体得をしていくと。そして、今では間違いなく溶け込んでやっているということが、大体その主張の中から見てとれるわけです。
私も先日、小学校の関係ですが倉吉であごちくわをつくってギネス記録をとったイベントに行ったら、御家族もちょうど来られておられました。非常に快活な少年なのだろうなと。そして家庭環境も、こういうことで、それと向き合って前向きにやっておられるなということを感じました。すばらしいことだと思います。
このようなことをいい例として、モデルとして私たちは今後頭の中に置いて行動していくべきではないかと思いますし、教材としてということは、御本人だとか、さまざまな周囲の問題もあるかと思いますが、そうしたことで、いろいろとこうした事例を今後も我々なりに活用していけるのではないかと思います。
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●横濱教育長答弁 |
少年の主張鳥取県大会で最優秀賞を受賞した山田君は、中四国のブロック大会の選考会を経て、本県の中学生としては9年ぶりに全国大会に出場となりました。非常にうれしく思っています。この山田君の主張は、御自身のことによれば重度のアトピー性皮膚炎で、そのことに対して向けられる心ない言葉や目線への苦しみを吐露した上で、友達の支えをきっかけとして他人と向き合えることになったことを訴えたもので、私も非常に引き込まれました。
多くの視点があるわけですが、私が非常に考えさせられたところは、例えば、「僕に向けて口汚くののしった人に対して大人は、心の病気なのだから我慢してというようなことを言って、その場をおさめていた。何だ、心の病気って。僕は納得できない、いまだに。そうやって僕は5年生になった。周りからのよそよそしい視線の中でひとりぼっちだった」。ここは非常に心に残りました。やっぱり一生懸命な中で、大人が逆に相手は病気なのだからと言って正当化していく、そこの納得ができない自分自身にいら立ちを覚えていく、そうしたことがよくわかりました。
ただ、この山田君は、苦しみの中で友達と過ごす中で、スポーツ大会でクラスのみんなと声をかけ合ってつながっていった、そういうことが非常にうれしくて、キモいと言われたことが吹き飛ぶぐらいうれしかったとか、そんなふうに書いており、みずからの成長が本当によくわかる内容になっています。
また、そのつらい体験に心が折れそうになりながらも、逆にそれをばねにして乗り越えていく過程で、心を通わせる友達がいてくれることがいかに大切であるかということにも気づいていく、そういうこともわかりました。
私は、これを読んで、学校における集団づくりの大切さなどを含めて、本当に多くの視点、考えさせられる視点があるように思います。山田君のこの主張は、同世代の生徒だけではなくて、大人にも非常に大きな指摘を含んでいると思いますので、何とかこれが教材として活用できるように調整していきたいと思います。
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