資料集1


不妊症患者のはり治療とメンタルケアについて

〜第17回(社)全日本鍼灸学会中国四国支部学術集会・徳島大会 抄録より〜

1.はじめに
不妊症は全夫婦の10%にあるといわれる。特に異常がない場合、1年で80%が2年で90%の方が妊娠 されているという。以下は03年4月〜04年9月まで、子どもに恵まれたいと希望して来院した患者の症例である。

2.症例について
症例1.
25歳、結婚歴2年。 冷え性、ストレスによる月経不順のため来院。

<治療期間>
03年4月〜04年4月。
<治療回数>
12回。8回目の治療で妊娠を確認。32週まで健康管理のため治療継続。5月23日長男誕生。


症例2.
30歳、結婚歴4年。月経不順のため来院。

<治療期間>
03年10月〜04年8月。
<治療回数>
18回。3回目の治療で妊娠を確認。出産前日まで治療継続。8月8日次女誕生。

症例3.
29歳、結婚歴1年。冷え性、ストレスによる月経不順のため来院。

<治療期間>
03年11月〜04年3月。
<治療回数>
6回。6回目の治療で妊娠を確認。その後、継続なし。11月中旬出産予定。
<主な治療>
血海 築賓 三陰交 足三里 命門 腎ユ 志室 三焦ユ等に刺激。
また、症例2については、32週目より4回、腰部・下肢にオイルマッサージを実施。

おわりに
今回の症例は全て自然妊娠で、タイミング療法に順じた時期により治療を実施。
治療以外院に特に配慮した事項は、
  1. 絵画や花等の展示による施術所内の環境整備
  2. Eメールによるカウンセリング
  3. ソフロロジー分娩法によるCD視聴
等である。


なお、鳥取県は他見に比べて出生率も高く、本年4月から特定の不妊症治療に対して助成金を交付する制度が実施されている。 今後、更なる研修を深め、はり治療が患者の精神的な支援に役立つよう、努力して行きたいと思っている。






to index