<警ら車両の訓練場について> |
県警本部では白バイ訓練場として、昭和52年7月から千代川河川敷の一部を国土交通省から占用許可を得て借り上げ、白バイに乗務する新任隊員、現任隊員等の訓練が行われています。しかし、狭隘な上、十分な訓練施設とは言いがたい環境にあるように思います。また、平成17年度から県警察の組織再編に伴い、地域パトロールの強化並びに有事に際しての迅速な対応ということで機動性の高い警ら活動が行われ、現場への到着時間の短縮など、一定の効果が上がっていると聞いています。
各警察署等では、昼夜パトロールカーによる警らが行われていますが、この乗務員は一定の訓練を受け、その任務に当たられているようでます。しかし、パトロールカー等警察車両の専用訓練場はなく、パトロールカー乗務警察官は、自衛隊の訓練施設を借り上げ訓練されているようで、訓練環境としては不十分であるように思いますが、県警本部長の所見をお伺いします。
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●岡本警務部長答弁 |
伊藤議員から警ら車両の訓練場について警察本部長にお尋ねがありましたが、本日まで本部長が不在ですので、議長のお許しをいただき、代理として警務部長である私から答弁させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
警察職員については、公用車を運転するための前提として、パトロールカー等の緊急車両とその他の一般車両の乗務員に区別して、運転技能訓練をそれぞれ行っています。白バイ、緊急車両等の運転技能検定に合格した警察官、これに限り、白バイ、パトロールカーの緊急車両の運転に従事させることとしています。特にパトロールカーの緊急走行を行う警察官に対しては、安全運転の確保と運転技能の向上を図るため、継続的な訓練が必要であり、定期的に緊急走行訓練等を実施しているところです。また、茨城県ひたちなか市にある安全運転中央研修所に職員を毎年派遣して、高度な運転走行研修を受講させて運転技能向上を図るとともに、ほかの警察官に対する運転訓練指導者として育成し、警察官の自動車運転技術の向上と安全運転の徹底に向けた取り組みを推進しているところです。
警察車両の訓練所については、議員御指摘のとおり、白バイは鳥取市内浜坂にある千代川河川敷の白バイ訓練所において、スラローム走行やバランス走行訓練、またブレーキング訓練を実施しているところです。また、パトロールカー等の緊急走行訓練は、米子市内にある自衛隊の自動車訓練場をお借りして、逃走車両を設定した追跡訓練などを実施しているところです。現在使用しているこれら訓練施設については、高速での急ブレーキ訓練などを行うには直線距離などに制約がありますが、例えば道路幅を狭くして速度感覚を上げるなど工夫をした訓練を実施しているところです。今後ともこのような工夫した訓練を継続的に行い、安全を確保しつつ、緊急走行に必要な運転技能の向上を図っていきたいと考えています。
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<警ら車両の訓練場について>2 |
やはり県内の道路も高速道路化、高速化といいますか、進みまして、ヒット・アンド・アウエー型の犯罪など、高速道路を活用した犯罪が増加することもこれから懸念されています。
こうした時代の流れの中にあって、警察力の強化のための組織体制の充実ばかりでなく、やはり現場職員の実動訓練をより充実したものにするためには、訓練場の確保はどうしても必要だろうと思っています。
また、県民の命を守るばかりでなく、県警は県警として、警ら車両に乗務する職員の安全と命を守ることも、やはり県警としての大きな責務であると考えています。他県の県警では、専用の訓練施設を持ち、そこで徹底した訓練をしてからでないと警ら業務には配置しないとされているところもあります。
ただ、訓練施設は、タイヤ音等、訓練による騒音が発生するため、市街地に設置することはできませんが、幸い鳥取県は中山間地域がたくさんありますので、中山間地域に、例えば白バイもパトカーもモトクロも、総合的に基礎訓練できる訓練場を整備する適地には私は恵まれていると思っています。
そこで、現在のような借り物の訓練場所から脱却して、新たに専用の訓練場所を整備し、より的確なパトロール体制を構築していくべきと思いますが、警察本部長の所見をお伺いします。
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●岡本警務部長答弁 |
議員からも指摘がありましたが、白バイやパトカーなどの緊急走行訓練を実施する場合には、サイレンや急ブレーキの音などの訓練騒音が近隣に鳴り響くことや、高速走行をするためには最短でも
200メートルぐらいの直線走行が必要だということがありますので、現在所有している訓練施設ではなかなか必要な訓練を行うことができないのが現状です。そのため、先ほども申し上げましたが、速度調整をするなどの工夫をして訓練を実施しているのが実情です。
ただいま議員から、白バイ、パトカーなどの訓練場所の整備について、特に中山間地域に係る適地の選任について御意見をいただいたところです。県警察としても、職員の安全を確保しつつ犯人を早期検挙するためには、緊急自動車の運転技能の向上は不可欠であると考えています。運転技能向上のための訓練のあり方とともに、それに必要となる訓練の場所についても、議員の御意見も踏まえて、今後とも引き続き検討していきたいと思います。
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<警ら車両の訓練場について>3 |
警らの訓練場ですが、やはり職員の命にかかわってくる問題ですから、しっかりとした基礎訓練ができるという環境をつくるのは、県警本部の一番大きな責任だと思っています。犯人を捕まえることも大事ですが、乗務員の命を守る、基礎的に守るということをやはり大切にしていただきたいということで、これは要望です。
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<最後に> |
このたびの代表質問は、総括をテーマにして、県政全般にわたって、知事、教育長並びに警察本部長と議論させていただきました。みずからの政策や過去を総括することは、言うのは簡単ですが、とてもつらい部分が伴います。しかし、
100%の自信を持って練り上げた政策でも、すべて完璧な政策はあり得ませんし、発展的に政策を充実したものにしていくことが大切だと思っています。地方分権にしても、多くの人が描いた社会に近づいていないのは、地方分権一括法が成立すればすべてが変わるかのような錯覚を抱いていたのかもしれません。もっとあらゆる部分で政治に携わる者、行政に携わる者が、絶えず謙虚に過去を振り返ることで、早い段階で、生じたひずみを修整できると思っています。
地方自治体は首長と議会の二元代表制ですが、ともに県民の幸せだけを願い、お互い謙虚な姿勢と議論で鳥取県政が築けていくことを願いつつ、代表質問を終わりたいと思います。
本日は長時間にわたり議論させていただきありがとうございました。
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