意見書の提案者を代表いたしまして、提案理由の説明をさせていただきます。
その前に、議長のお許しを得て、一言申し上げさせていただきます。
私は、赤碕町役場に在職中、自衛隊募集業務を6年間ほど担当をいたしたことがありました。その間、自衛隊募集事務所の皆さんと連携をとりながら、毎年何人かの高校生諸君に、皆さんの若い力を日本の国防のために生かしてみませんかと入隊を勧めてまいりました。当時、入隊を勧めて自衛官になった人の中には、特殊部隊に入り頑張っている自衛官もあります。入隊を勧めた当時はイラクへの派遣など想定もしていなかったことで、ひょっとしたら戦闘地域と非戦闘地域との区別さえつかないところへ派遣されるのではないかと、入隊を勧めた一人として大変心を痛めておりますことを申し上げ、提案理由の説明に入らせていただきます。
現時点でのイラクに対する自衛隊派遣に反対する意見書。
去る12月9日、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法、いわゆるイラク特措法に基づき、イラクにおける支援活動を行うための基本計画が閣議決定された。現在、この基本計画に基づき、イラクに自衛隊を派遣するための準備が進められております。
ところが、イラクの現状を見ると、国連現地本部や赤十字国際委員会現地本部をねらったテロ行為さえ発生しており、各地で多数の犠牲者が生じております。そして、11月29日には、ついにイラクで職務を遂行していた外務省の奥参事官と井之上書記官が、テロの標的となり、命を失うという痛ましい事件が発生いたしました。アメリカが主導したイラクに対する武力行使は、大量破壊兵器の存在を確認することができず、戦争の大義に対する疑義が生じております。また、アメリカを支持した政府の対応も厳しく検証されなければなりません。
さらに、イラク特措法は、支援活動を非戦闘地域に限って実施するとともに、武力による威嚇や武力の行使を禁じておりますが、イラクの現状は、戦闘地域と非戦闘地域を明確に区分できる状況にはなく、支援活動を実施するための前提を満たしておりません。また、国民の多くもイラクへの自衛隊派遣に反対し、あるいは慎重な意見を示しているところであります。よって、政府におかれては、アメリカ主導による復興から国連を中心とする人道的支援に改められ、イラク国民自身による政権が樹立されるようあらゆる外交努力を続け、当分の間、自衛隊のイラク派遣を見合わされるよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出することを提案いたします。
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