議員提出議案第1号、鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例案について、提出議員を代表して提案理由の説明をいたします。
平成14年6月、1年半前の県議会で人権救済問題が取り上げられ、その後、県がそうした人権侵害を受け困っている方々の救済のために、人権尊重の社会づくり協議会をつくり、その下に人権救済制度検討委員会を設け、鋭意検討を重ね、平成16年12月定例会に「鳥取県人権救済手続条例」が提案されました。
そうした中で弁護士会の会長から条例案に対する声明が出されるなどこの条例案に対して問題点が指摘されました。
会派「信」では同定例会において、執行部案について危惧される点を修正し、対案を提示したところでありますが、本議会ではなお、いくつかの問題点が残されているということで、三たび継続審議となっております。
しかしながら我々は、システム自体の構築から逃げ、現実に人権侵害を受けている人々を放置するのではなく、副作用を可能な限り克服しながら、社会の病理である人権侵害の根絶を求めなければならないことは論を待ちません。
そこで我々は、執行部案並びに会派「信」案において危惧される点を出来る限り修正し、今こそ人権救済システムの構築の第一歩を踏み出さなければならないとの思いで、ここに新たな条例案を会派「清風」会派「自民」会派「信」で、まとめ上げ、提案するに至ったのであります。
以下、具体的に主な修正箇所を申し上げます。
まず、議案の表題です。県の案では、「鳥取県人権救済手続条例」でありましたが、より県民に分かりやすくするため、「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」に改め、条例の目的も表題で明らかにしました。
行政機関による人権侵害を明記し、より明確になるよう第2条第1項を修正しました。
行政権力による過度の干渉が心配されていた、関係者の調査協力については、第19条第2項で義務付けを人権侵害の当事者に義務付けとしました。あわせて、過料についても、当事者に限定しました。
弁明の手続きが保障とされていないとの問題から、勧告の前に、弁明の機会を与えるよう、第25条第2項を修正しました。また、調査の結果に対して不服がある場合には、再調査を請求できることを第20条第3項及び第4項で明記いたしました。
人権侵害の定義については、第3条の第1号から第8号までに掲げる8項目に限定することとし、その範囲を明確にすることにしました。
さらに、人権侵害の救済にあたっては、裁判の果たすべき役割が大きいことから、少しでも裁判による解決が図られるよう、訴訟の支援を行うことを第27条に追加しました。
また、委員会の構成も、5人として様々な意見が反映されるようにしたほか、男女別の委員が2人以上とすること、弁護士を含めることに努めることとしました。
全国的にも先進的な取り組みでありますので、今後も条例の見直しについては知事部局も我々も、必要があればちゅうちょすることなく条例改正の提案をすべきと考えます。
以上で提案理由の説明を終わります。
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