平成14年9月定例会代表質問(平成14年9月26日)No.1

はじめに

議員の皆さん、執行部の皆さん、おはようございます。会派「信」を代表いたしまして、21世紀に向けた鳥取県のありようについて思いを申し上げたいと思いますので、しばらくの間、御清聴いただきますようお願い申し上げます。

 代表質問に入る前に、一言だけ申し述べさせていただきます。

 9月6日開催されました第25回中国地方県議会議員親善野球大会におきまして、我が鳥取県議会チーム、13回目の優勝を飾りました。毎年、炎天下の中でのこの大会、初めは、なぜ年間10万円近くのお金を使ってまで炎天下の中で野球をしなければならないのかと疑問に思うところもありました。鳥取県議会チームの皆さんの高校球児に負けないくらいのひたむきさ、一投一打に対する集中力、その執念には驚かされるものがあります。野球場という一つの共通した土俵の上で、政党を超え、会派を超え、グラウンドでプレーする人、ベンチで応援する人、さらには代打の一振りにかけてベンチ裏で素振りに専念する人、ただの草野球ではないことは事実であります。

 世間ではよく適当にすればよいと言う人もありますが、これはふだんの生活でも適当に手を抜いて生活をしている人のことで、日々全力疾走している議員だからこそ、野球であっても絶えず真剣な試合ができるものと痛感させられました。残念なことに、小玉議員が負傷されましたが、これも小玉議員の日ごろの政治活動と同じく、絶えず全力疾走で手を抜かないバイタリティーあふれる行動の結果であろうと思います。野球を通して発揮される議員各位の個性、パワーが、我が鳥取県議会議員を活性化させている源ではないかと考えさせられました。

 それでは、先輩議員各位からいただきましたパワーを源としながら質問に入りたいと思います。

<知事の基本姿勢について>

 今、我が国は、行政であれ、政治であれ、社会システムであれ、明治維新以来の大改革の時代に入っているということは万人が共通認識をするところであり、また、そのことを多くの国民が望んでいることも事実であります。地方分権一括法が2000年4月に施行されて以来、地方の時代も実行段階に入って2年6カ月経過したところでありますが、鳥取県知事として、県下の市町村における地方分権改革の推進状況をどう分析されているのか、また、市町村長、市町村議会の意識改革が知事の思惑どおりに進んでいるのかどうなのか、知事の素直な感想をお伺いいたしたいと思います。

●知事答弁

 最初に、私、県政改革に取り組んでおりまして、その観点から見て市町村における改革の状況はどうかという御質問でございましたが、私は県知事として県政改革に一生懸命取り組んでおりまして、これに全力投球をしております。市町村はやはり市町村でそれぞれ議会が構成されて、首長が選ばれているわけでありますから、それぞれの市町村で責任を持って、住民の皆さんのために一番いい行政体制をつくるべきだというのが私の基本的な考え方であります。もちろん市町村のそういう自主的・主体的な取り組みに対しまして、私も県政の立場で応援をする、支援をする、後押しをするということは当然やるべきことでありますが、主軸となるのは、やはり市町村が県民の皆さんの力を得て改革を行っていくということだろうと思います。

 ただ、県内の市町村の状況を私なりに見てみますと、これは必ずしも一律には論じられない面があると思います。市町村によって、例えば情報公開という観点でいいますと非常に進んでいるところもありますし、かなり旧態依然としているという市町村も見受けられるわけであります。もちろん情報公開の条例はすべてつくっておられると思いますけれども、その運用面において、やはりかなり大きな差があるのではないかという認識を持っております。

 また、例えば権限移譲というのを県も進めておりまして、住民の皆さんに身近な行政というのは、できる限り身近な市町村で処理ができるようにするのが、住民の皆さんにとって一番いいことだと思いますので、希望に応じて、まだら模様でも、すなわち県下一斉の権限移譲でなくても、これを実施するということにしておりまして、そういう点でも非常に熱心で、できる限り煩わしい仕事も県から市町村の方に取り込んで、自分の手でやっていこうというところもありますし、そういう権限移譲にはおっくうで消極的な市町村も見受けられます。

 環境面でも、県もISO14001 を認証取得しましたけれども、同じように市町村でも認証したところも今2町ありますし、現時点で認証に向けて取り組んでおられるところもあります。全く関心のないところも多いです。

 住民参画という点も地方分権にとっては非常に大切な要素でありますが、これもいわゆる 100人委員会などをかねてつくられて、町政運営に取り組んでおられるところもありますし、それに続いていろんなことをやられるところもあります。余り関心のないところもあります。いろんなところでありますが、それぞれの市町村において、やはり住民の皆さんの期待にこたえた改革をやっていただきたいと思います。

 議会の重要性も忘れてはいけいなことでありまして、市町村の議会、これも私もつぶさに知っているわけではありませんが、総じてプレゼンスが低いという印象を持っております。昨日は日吉津村で補正予算の否決があったというニュースを見ましたけれども、それはともかくとしまして、市町村の議会の存在感というものがもう少し大きくならなければいけないと思っております。

 先月の27日だったでしょうか、鹿野町で県内の市町村長さんに集まっていただきまして、行政懇談会というのをやったのでありますが、これは毎年1回やっているのでありますが、そこでの印象を申し上げますと、教育問題に対して非常に熱心な論議が展開されたということ、これは私は大変結構なことだと思いますし、一種の驚きを感じました。3年前に教育問題を提起したのでありますが、ほとんど発言がございませんでした。3年たちますと市町村長さんが教育に非常に熱心になったということ、これは大変いいことだと思います。文化ということについても水を向けましたが、これはほとんどまだ発言がありませんでした。ですから、だんだん変わってくるし、これから変わるべき分野もあるのかなという印象を受けました。

 いずれにしても、大きなうねりがあることは確かでありまして、この確かなうねりを確実なものにしたいと願っているところであります。

 私、県政に取り組みまして3年と約半年経過をいたしました。私なりに一生懸命県政改革、県政の推進に取り組んでおります。自分なりに手ごたえもありますし、充実感も感じている毎日であります。

<片山県政の課題について>

また、3年6カ月の間に片山知事は、数々の改革を推進されてきたわけでありますが、片山県政として思惑どおり改革並びに推進できなかった課題があるとするならば、その課題と理由をお伺いいたします。

 また、この間の知事としての自己評価をするならば、 100点満点で何点をつけられるのか、お伺いいたします。

●知事答弁

 あえて思いどおりに進んでいないところはどこかという御質問でありましたが、それはやはりいろんなことがあります。思ったとおりに世の中がいくわけでありませんので、いろんなことがありますけれども、一番感じておりますのは、まだ意識改革というものが完全には進んでいないということ。といいますのは、県政を推進しますのは、私もリーダーとして全力を注ぎますけれども、やはり県庁という一つの組織、職員から構成されます組織が十分なる働きをするかどうかによって結果が大きく違ってくると思っております。幹部を中心にした職員に意識改革がとどまるならば、余り隅々までいい結果をもたらさないと思います。職員すべてが県民中心の県政、開かれたオープンな県政、いろんな意味での意識改革というものを一人一人が身につけることによって、県政の隅々まで血が行き渡って、そして、全体として県民の皆さんとの間にずれのない県政が展開できるだろうと思っ ております。そういう点につきましては、かなり進んだという認識は持っておりますけれども、まだまだ意識改革を進める余地が残っていると思います。  それはなぜかといいますと、これは私の指導力が不足しているということがあるかもしれませんが、この種の問題というのは一朝一夕になかなかいかないという、これは経験から得た私の実感であります。やはりいろんな人によって構成される組織でありますから、 いろんな経験があり、いろんな考え方があります。それを右向け右と言ったから直ちに変わるというものではないと思います。やはり意識改革というのは根気のいる作業だと思います。  

 もう1つ、これは県政の課題と言えるかどうかわかりませんが、県民の皆さんにいろんなことを伺いながら県政を進めるということに心がけております。それは情報公開を徹底するということはもちろんでありますし、いろんな施策を始めようとする際には、まず素案を示して、意見を伺って、フィードバックをしながらより合意形成ができる案に仕立てていくというこういうやり方をしておりまして、もちろん当初よりは県民の皆さんの反応といいますか、積極的な参画というのはふえてきておりますけれども、絶対量でいいますとまだ少ないという印象を持っております。ぜひ県民の皆さんも、県政に対してもう少し積極的にかかわりを持っていただければと願っているところであります。  点数は何点かというのは、自分でつけるよりは人様につけていただいた方がよろしいと思いますので、私からはあえて申しません。