平成17年11月定例会一般質問(平成17年12月9日)No.4

<人事委員会勧告とそのあり方について>

人事委員会勧告とそのあり方について、人事委員会委員長並びに知事にお尋ねします。
 今年度の人事委員会勧告にかかわって、職員労働組合との協議が例年と異なり十分に行われなかったと仄聞をしております。その原因は、事務局長が職員組合側の人数が多いことを理由に、協議しないと発言したことが問題の発端と聞いておりますが、これまでのやり方を変えなければならなかった理由、必要がどこにあったのか。人事委員会委員長にお尋ねします。
 また、県警職員の採用にかかわって、人事委員会の職員で、女性は使い勝手が悪いという不適切な発言があったと報道されましたが、その事実の確認並びにその後の対応について、知事並びに人事委員会委員長にお尋ねします。
●知事答弁
 
 人事委員会の職員の発言の問題とか適格性の問題についてありました。これは、形式的なことを言うわけではありませんけれども、人事委員会の職員ですので、まずは任命権者である人事委員会、人事委員長の方でどういうお考えなのかということが一番大切だろうと思います。
 それを見てといいましょうか、その任命権者としての人事委員会がどう対応されるか、男女共同参画についてどういうお考えなのかを伺うことによって、人事委員は私の方で任命していますので、その人事委員の任命権者である私と、それに選任同意を与えていただきました議会の皆さんの見識が問われると、順番としてはこういうことになるのだろうと思います。                                            
●奥田人事委員会委員長答弁
 
 職員組合との話し合いについて、これまでのやり方を変えなければならなかった理由、必要がどこにあるのかという初めの質問ですが、人事委員会は公正中立な第三者機関として、あるべき望ましい給与、勤務条件について調査研究して、知事、議会に勧告を行うことが求められており、必要の都度、関係者から意見を聞いて、さまざまな情報を集めたりしております。その必要性の判断は、人事委員会が主体性を持って行うべきであると考えております。
 本県の人事委員会では、勧告に当たり、従来から、事前に職員組合から意見を聞くための話し合いの場を持つようにしていますが、これはあくまでもよりよい内容の勧告をするために行っているものです。職員組合はこの話し合いを組合交渉と言っていますが、委員会は法的にも、組合交渉の当事者にはなり得ず、事前に話し合ったり、意見を聞かなければならないという法的な義務を持つものではございません。
 話し合いのあり方については、限られた時間内に双方が率直に意見を述べ合い、有益な結論を得るための適正なルールというか、方法があろうかと思います。そのルールとは、あらかじめ話し合いに参加する代表者とその人数、話し合いの議題、その時間、場所を決めて行う必要がありますが、その中でも適正な人数の代表者で話し合うことが重要であると思います。
 これまでの話し合いでは、大勢の組合員が参加した状況で話し合うこともありましたが、決して望ましい話し合いのあり方だとは思っておりません。今回の話し合いに当たっては、事務局が事前に参加人数を適正な数に絞ってほしいとお願いしたにもかかわらず、職員組合が大勢で押しかけられ、人数を絞ることには応じられないと主張され、一方的に話し合いを打ち切られたものと聞いております。
 いずれにしても、今後も勧告前の話し合いに限らず、必要に応じ、こちらから意見を聞かせてほしいとお願いする場合もありましょうし、また、職員組合の方から話を聞いてほしいという場合もあると思いますので、随時、話し合いの機会は持ちたいと考えております。
 続いて、警察職員の採用に係る発言についてのお尋ねですが、まず、事実についてですが、これは、ことしの8月上旬に、毎日新聞記者から、今年度の警察官採用試験で受験資格を男性のみとした理由について電話取材があり、これに対し当委員会の事務局で対応したものが9月29日付の同紙の報道となったものと認識しております。
 本人事委員会としては、女性警察官の採用については、警察本部に対し、かねてより前向きな取り組みをお願いしてきましたが、それと同時に、従来から警察官の職務については、体を張って県民の安全や財産を守るといったその職務の重大性にかんがみ、警察官の採用試験に当たっては、現場の意見として、警察本部の意向は最大限尊重すべきと考えてまいりました。そのときの警察本部の説明で、女性警察官の採用については、凶悪犯の逮捕とか機動隊とか、体力、運動能力、持久力等がより強く要求される職務、職場に配置することはかなり困難であるとの説明を受け、人事委員会としても警察本部の意見を尊重し、やむを得ないものと判断したものです。
 こうしたことから、記者の取材の中で、女性警察官の配属部署は限定される旨の従来からの警察本部の説明を要約して、卑近な言葉で表現したものと聞いております。そのような背景を考えますと、この表現について、私としては必ずしも不適切なものだとは思っておりません。
 次に、その後の対応についてですが、採用試験において、男女の性別区分を設けることの是非も含め、改めて警察本部でよく検討していただくようお願いしているところです。
 なお、本年度に欠員が見込まれることが判明しましたので、本年度には2名の女性警察官を採用する予定としており、現在、追加試験を実施しているところです。

<人事院勧告とそのあり方について>No.2

 
 人事委員会の委員長に答弁いただきましたけれども、ちょっと私は違和感があります。私が質問しているのは、その県警の云々ではなく、問題は基本的認識があるかないかなのです。今度、これが事実であったのか、事実でないか確認したいのと、それが不適切ではないという判断をされる、逆に言うと、私は人事委員会としての見識を問いたいと思っております。コメントがあればお伺いしたいと思います。

 次に、私も以前、町職員でしたが、人事委員会を持たない市町村にとっては、県人事委員会の勧告が大きな影響を及ぼすとともに、処分案件や不服申し立て申請は人事委員会に委任されております。私も以前、この協議に参加させていただいたこともあります。多くの意見を詳細に聞き取り、より適切な勧告を行うことが行政機関である人事委員会に求められている姿勢であると考えますし、今日でもだれ一人としてそのことは否定されることはないと思いますが、いかがでしょうか。人事委員会委員長の御所見をお伺いします。

●奥田人事委員会委員長答弁
 
 事務局職員の発言についての重ねてのお尋ねですが、先ほども説明しましたように、警察本部のこれまでの説明の要旨を要約して、そのように言ったものであり、また、その言葉の中の、女性は使い勝手が悪いという記事ですが、使い勝手という用語そのものが本来差別用語でも、差別表現でもないと思っております。
 補足の説明については、事務局長の方からしていただきます。
 もう1点ですが、勧告に当たっての多くの意見を詳細に聞き取り、より適切な勧告を行うことが人事委員会に求められている姿勢であると思うが、いかがかという御質問でしたが、これについても、先ほども述べましたが、よりよい報告、勧告をするために公正中立な第三者機関として、必要の都度、関係者から意見を聞き、情報を集めております。その必要性の判断は人事委員会が主体性を持って行うべきものだと思っております。
 県の人事委員会の勧告が市町村の給与、勤務条件に大きな影響を及ぼすとのことですが、これは国の人事院勧告を参考にするのか、県の人事委員会の勧告を参考にするのか、周りの市町村の状況を参考にされるのか、それぞれの市町村が独自に判断されるべきもので、県の人事委員会の権限の及ばない市町村職員の給与、勤務条件に関して、意見をこちらで聞いたり、考慮することは、その所掌範囲を逸脱しており、適当でないと思っております。

中島人事委員会事務局長答弁
 
 まず、事実関係ですけれども、実際に取材を受けたのは、私、事務局長です。そのときの様子をもう少し丁寧に言いますと、電話での取材に対して、今の採用方法がベストだとは思わないけれども、同じ人件費を使うのに、警察本部の言われる凶悪犯の逮捕とか機動隊への配備とか、どうしても女性警察官に不向きな、あるいは配置が困難な部署があるということはそれなりにやむを得ないと思いますと、いわゆる使い勝手が悪いということなのでしょうねと言ったのは事実です。
 そして、先ほど、職員の認識の度合い、程度のことを言われましたけれども、私はこの警察官の採用については、本来男女の別なく採用試験を課すべきだと思います。学力あるいは体力、運動能力、そういうようなものを同じ条件で競争し、パスして合格すれば、男女の別なく採用し、さらに配属できない部署がある、ないというようなことも解決できると思います。本来、スタートラインから男女の別を設けるのは基本的な男女平等の条件から言って、好ましいことではないという認識をしておりますし、その旨は警察本部の方にも、私個人の思いということで伝えております。
 それで、今回、伊藤議員の方から、不適切な発言であるという御指摘をいただきまして、正直言って、ちょっと戸惑いを感じました。以下、説明します。不適切な発言ということに関しては、その表現に何らかの差別性があるとか、あるいはそれに近いニュアンスがあるということだと思います。では、どのあたりにそれがあるのかなと──といいますのは、今までも差別用語とか差別表現というものについても私なりにいろいろと考えて、そういうふうにしてきたつもりですけれども、そういう意味で、例えば使い勝手という言葉が本来差別用語でないというのは先ほど委員長も言われましたし、皆さん方も日常的に普通使っておられると思います。それで、私もこの用語の意味を辞書で調べてみました。広辞苑でいいますと、使用したときの使いやすさの程度、あるいは日本語大辞典でいいますと、道具など使ってみたときの便利さ、具合と言うようになっているのですけれども、もしそこに不適切だと言われるのであれば、多くの場合、物などに使う用語を人に使ったのが、そういう意味で言われたのか、と思います。ただ、一般的に我々は、人を使うとか人に使われるとかというような表現は日常的によく使っておると思います。皆さんもそうだと思いますけれども、では、そのときに、その結果として、使い勝手という言葉がそれにくっついたら絶対いけないのかと。若干そういう場合もあり得るのではないかと私自身は考えているところです。
 以上は私の感じたところを申し上げましたが、決して、強弁しようとか弁解しようとかという気持ちではありませんが、ただ、そういうようなことを感じた次第です

<人事院勧告とそのあり方について>No.3

 
 
人事委員会の答弁がありましたけれども、委員長を含めて、知事に感想を求めたいと思いますし、知事に、あなたが進めてきた男女共同参画社会、こんなものだったのですか。私は知事の真意を伺いたい。とりあえずそれが1点。
 次に、知事は機会があるごとに、職員の皆さんに、2階級上の役職を意識して業務に従事してもらいたいと、意識を高く持つようにお話をされていますが、意識は高く、給与は低くでは、生身の人間として仕事へのモチベーションはなかなか高くならないと思います。公僕である県職員とはいえ、労働者であり、労働の対価として賃金が支払われているということに何ら違いはないと思います。また、民間のように売り上げが倍増すれば、賃金も倍増するようなこともあり得ないわけですから、その代償機関として人事委員会制度があるわけです。昨日も議論がありましたように、新たな制度として地域給制度も勧告されたわけですが、中央と地方に格差をつける地域給制度について、知事の認識をお伺いしたいと思います。
 また、鳥取県では、全国の都道府県で初めてわたりの解消に向け労使合意がされてきたところですが、労働組合の皆さんにとっては苦渋の選択であったと評価します。さらに5%給与カット、地域給制度の導入等で職員の皆さんは生活給に対して大きな先行き不安を抱いておられます。現在、ラスパイレスが全国でも最低の水準にある中、使用者として適切な賃金に戻す最善の努力をされるべきだと思いますけれども、労使合意のまま、条例で3年間給与カットを決めたからといって、3年間そのまま放置されていかれるつもりなのか、知事の御所見をお伺いします。

●知事答弁


 先ほど来、人事委員会と伊藤議員との間のやりとりを聞いていて、感想はどうかということだと思いますが、いろいろな感想を持ちましたけれども、当事者の考えも先ほど聞きまして、そういう考えのもとだろうなということは理解しましたけれども、不適切用語ですとか、不快感を持つ、持たないというのは、言った方の真意よりは聞いた方がどうとらえるかということが重要だと思うのです。これはいつだったでしょうか、山田議員と私との間、杉根議員だったでしょうか、私の発言、使った用語をめぐってやりとりがあったときに、私は自分の考え方を申し上げましたけれども、これは専ら聞いた方がどう受け取るかということが肝心だと思うのです。

 今回の一連の文脈で言いますと、真偽はともかくとして、やはり女性は警察官には向かないのですよということが一つの論点になっているわけで、そういう背景の中で使い勝手が悪いと。こうなると、やはりそれは聞いた方は不快感を持つだろうと私は思います。みんながみんなではないかもしれませんけれども、不快感を持つ人がいることは確かだろうと思いますので、そういう意味ではやはり聞く側に対しての配慮が欠けていたのではないかと思います。
 それで、警察における男女共同参画ですけれども、やはり男女共同参画の実を上げていかなければいけないということは警察も消防も例外ではありません。ただ、先ほども出ていましたけれども、やはり一般の職場とはやや事情が違うということも考慮しなければいけないと思います。それは、例えば機動隊ですとか凶悪犯罪の取り締まりですとか、そういう分野でいいますと、やはりそれは男性の方が向いているということです。ただ、それならば女性は全く警察官になれる余地がないかとか、ごくごく例外的にしかないかというと、それは必ずしもそうではなくて、やはりできるだけ女性、男性を問わず採用できる分野を開拓していくことだろうと思います。しかも最近の事象を見ますと、男性よりもむしろ女性の方が向いているとか、女性の持っている感性ですとか、能力ですとか、そういうことがより重視される分野もあるのだろうと思います。例えば、DVの問題ですとか、虐待の問題ですとか、そういう分野で警察に関連することだと、やはりそこには、男性ももちろんですけれども、女性もかかわっていた方がいいということもあるのだろうと思います。ですから、余り硬直的に、従来型の警察行政のイメージだけでとらえないで、最近の新しい仕事などのことを考えて、警察の特殊性も考慮しながらできる限り男女共同参画を進めていくということが求められるのではないかと私は思います。これは消防も同じで、火の中に飛び込むということが、これはもちろん消防の大きな役割ですけれども、しかし、例えば救急の分野ですとか、最近の建築物などの防災面での安全のチェックですとか、そういうことも消防の機能ですので、そんなことを考慮しますと、消防にもう少し男女共同参画が導入されてもいいのだろうと私も常日ごろ思っております。
 これはいい機会ですので、警察には警察として、男女共同参画の問題をよりこれまで以上に考えていただきたいと思いますし、人事委員会も、警察から聞きました、はい、それをうのみにしますではなくて、人事委員会独自の立場で男女共同参画を進めるにはどういう工夫ができるのかというようなことについてもより考察を深めていただきたいと考えているところです。
 給与の問題で、いわゆる地域給制度をどう考えるかということですが、これは本来は国の問題なのです。国家公務員の人件費の問題をこれからどう是正していくかというときに、今まで国家公務員の給料は全国一律ですので、もちろん大都市は大都市なりの物価高を反映すべく調整手当などというのもありましたけれども、基本的には一律のシステムで運用しておりましたので。そうしますと、物価の非常に高い大都市で生活をしている、居住している国家公務員と、そうでない、比較的物価の安い地方部に勤務している公務員との間に実質的な不公正が起きているのではないかということであったのだと思いますが、それをこの際是正しましょうということです。それに連動して、それならば、地方公務員も同じではないかという考え方のもとで、人事委員会もこのたびの勧告になったのだろうと思います。これは全国の人事委員会がそういう勧告をされていると思います。
 鳥取県としては、これを基本的には尊重し、人事委員会の勧告を尊重して、これを導入すべくこれから最終的な詰めを関係方面としていくということになるのだろうと思います。そう受けとめております。
 もちろん、その結果といいますか、地域給を導入し、かつ、それぞれの自治体ではそれぞれ独自の給与制度をまた設けておりますので、例えば本県ですと5%カットなどもやっておりますので、それらを全部織り込んで、結果として、職員に支給される給与の額というものが地方公務員法の原則に照らしてどうかというチェックが必要になるのだろうと思います。それは、例の生計費ですとか、他の自治体の職員の給与との比較ですとか、国家公務員との比較ですとか、地域の民間給与の実態との比較ですとか、そういうことをすべて総合して、妥当な水準かどうかということを、これはまた人事委員会が毎年チェックするということになりますので、より厳密なといいますか、適切なチェック、比較を人事委員会にぜひお願いしたいと思っております。
 それと関連しますけれども、地域給が導入されて、今、条例で3年間の給与カット、5%カットを決めておりますけれども、これをこのまま放置するのかという御質問ですが、これについては何回か総務部長の方が御答弁申し上げたと思います。今のまま、今々二重にカットになることはないと。ですけれども、それはじわじわじわっときいてきますし、それよりも今度わたりの廃止ということになりましたし、諸手当の見直しもあり、本県における給与制度の是正とあわせて、この5%をどうするかということは、いずれ調整が必要になってくると言う問題意識として持っておりますので、そのことを総務部長の方から御答弁申し上げたつもりです。必要ならば繰り返しますが、要りませんね。
 

<人事院勧告とそのあり方について>No.4

 
 
人事委員会ですが、事務局長、いろいろ言っておられましたけれども、いずれにしても受け取る側が不快感を得るということになっておりますので、やはり、特に報道関係、バイアスもかかってしまいます。いろいろな部分の中で、もっともっと慎重な発言に十分気をつけていただきたいと思いますし、そういう部分で誤解のないようにやっていただきたいと思っております。
 それと、やはり人事委員会に申し上げたいのは、やはり公務員の皆さんは労働基本権がないわけですから、そういう意味でもう人事委員会しか頼るところがないのです。ですから、しっかり公務員の皆さんの思いは受け止めてあげてください。人数云々の話ではないと思うのです。もう少し心を広く、人事委員会として、要するに広く意見を聞く場ですから、機会も設けられているのですから、そういう部分で意見はしっかり聞いて、そして、最終的には人事委員会で判断されればいいのです。そういう意味でお願いを申し上げたいと思います。

●知事答弁

 
 人事委員会について、先ほど私、感想などを述べましたが、1つ補足させていただきますと、実は、労働組合と人事委員会の関係についても、やはり組合側にも考えていただかなければいけない面もあるのです。というのは、先ほど奥田人事委員長が答弁されていましたけれども、人事委員会と労働組合というのは交渉する立場にはないわけです。交渉に応じなければいけない義務もないのです。それは労使の関係にありませんから。人事委員会というのは中立的な立場です。ただし、事実として、職員の実態というものを把握する、直接意見を聞くということはあっていいと思います。それは大いにやられたらいいと思うのです。ただ、それが実態として、組合側の方がまるで当局側に迫るように、任命権者に迫るように、人事委員会に交渉と言って、先方の都合も無視して、大勢で押しかけて、これも相手がどう思うかですから、相手にとっては、人事委員会にとっては一種の威迫行為に映るというようなことがある状態では、まともな意見交換ですとか実態の把握はできないのです。ぜひその辺は労働組合側も一考願いたい。あくまでもやはり事情を伝える、事情を酌み取ってもらうということですから、世の中の常識でいうと、客が来るときに、では何人ぐらいにしてくださいねとか、時間はこうですよと言ったときに、ええっ、そんなことはないと、私らの言うとおりだというのではこれは通らないわけです。これは労使の間でも通らないのです。

 私は総務部長のときに、労働組合、職員組合の皆さんとかなりやりとりをしたことを今でも覚えておりますけれども、総務部長交渉というと、廊下にあふれるぐらいどーんと来られるわけです。交渉というのは冷静にやらなければいけないから、そんな大勢で押しかけて、わいわいがやがやとやる中では冷静な交渉ができないから、ちゃんと事前交渉で何人でどうということを決めようではないかと。いや、私らはそんなことはできない、団体交渉だと。団体交渉というのは、団体旅行の団体とは違うのであって、職員団体という意味です。職員団体と交渉するということですから、職員団体の代表と使用者側の委任を受けた代表とが交渉するわけで、決して衆を頼んでやるわけではないのです。そういうことを私は総務部長のときにじゅんじゅんと話をして、ですから、今は整除されているわけです。こちら側は整除されていると思うのですけれども、人事委員会との関係でもぜひ冷静な対応を労働組合側もお願いを申し上げたいと思います。