<職員の人材育成について> |
地方分権時代の到来により、地域の自立が求められている中で、住民ニーズや地域の課題を的確に把握し、幅広い視点から柔軟な発想で政策課題に対応し実行できる職員の育成が求められています。そうした中、公務員制度改革と相まって、年功的、横並び人事管理から能力、業績を重視した人事の確立と職員のモチベーションを高める手法の一つとして、県では公務能率評定制度が平成15年度から導入され、現在に至っています。 平井知事もマニフェストの中で県職員の人材育成について少し言及しておられますが、今日までの公務能率評定制度の評価について知事の認識をお伺いするとともに、今後の人材育成の取り組みについてお伺いします。
人が人を評価することは極めて大変なことであり、評価自体が良薬になる反面、劇薬にもなりかねない要素を含んでいます。つまり評価をする管理職の能力と資質が大きく問われる問題でもあり、評価した事後、職員へのフォローアップの如何が職員のモチベーションに大きく左右すると思います。
こうした評価する立場にある管理職の皆さん方の、マネージメントを含めた部分でのスキルアップを、今後どのように図られていくのかお伺いします。
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●知事答弁 |
公務能率評定制度については、平成15年度から県の方で導入しています。従来の年功序列一辺倒ではなくて、職員の能力というものが、それぞれの勤務評定として評価され、そしてこれが給料にはね返る、また昇進にはね返る、こういうことで職員のモラルを向上させていこう、維持していこう、そういう制度です。これは、結局は人材育成を県の職員について図っていこう、この目的を持つものであると私は理解しております。
現在の公務能率評定制度もだんだんと定着してきたと思います。たび重ねて評価する管理職の皆さんに勤務評定のやり方などの研修を行ったり、また勤務評定を行ったりするだけでなく、勤務評定について職員の皆さんに開示し、それをもとに話し合いをして、それぞれの職員が努力すべき点、あるいは職場に対する不満などもあるかもしれません。そういうことを話し合う場を我が県では独自に設定しております。こういう意味で、勤務評定制度は定着期に今、向かっているだろうと思います。
ただ、改善点がないかといえば、そうではないと思います。例えば、今の勤務評定の項目を見ていて、新しい鳥取県政のやり方、県民が主役で県民が担い手となる県政を目指そうと私は考えますが、県民と協働してやる、あるいは県民の意見に耳を傾けて行動をするということに対する評価などが、きちんと今の勤務評定の中に項目として盛り込まれていません。どちらかというと、内部管理の能力があるかどうか、内部で組織人として働けるかどうか、そこの力量を試される、そういう評定項目が主流になっていて、もう少し現代風に役所として行動すべき規律というものを盛り込んだ方がいいのではないかと考えます。
あるいは、次長になると、知識や能力を問う勤務評定項目がなかったりします。次長は知識や経験を問われなくてもいいのだろうかという気もするわけですが、次長とか部長クラスになると、部下の統率の方に重点があるので、それは課の方でやればいいという趣旨かもしれませんが、やや現在の説明責任を果たす組織人のあり方として適当かどうかという項目もあるように思います。
ですから、勤務評定の項目については、不断の見直しが必要だと思いますし、私は改善すべき点は改善するよう事務局の方に指示しているところです。
そして、この人材育成の取り組みということですが、管理職のマネージメントを含めた部分でのスキルアップを展開していかなければならないのではないかというのが議員の御指摘です。これももっともなことだと思います。先ほど申しましたように、職員との対話を勤務評定をもとにしてやりながら、これは少なからず職員の能力向上あるいはスキルアップにつながっているだろうと私は思っておりますが、ただ、これで十分かどうかというと、そうではないと思います。
ですから、例えば、来年度からコーチング研修といいますか、職員の資質を育成するような研修を管理職、すなわち勤務評定を行う側の職員に付したりという工夫をやっていきたいと思います。あるいは、この勤務評定と絡めながらのマネージメントの研修講座などもやりながら人材育成に勤務評定制度自体がつながっていき、職場の雰囲気も活性化されてくるということを目指していきたいと思います。単なる評定だけではなく、研修ということもありますし、それとあわせて庁風づくりも大切にしていくことだと思います。それぞれの職員が思い切って仕事のできる、そしてスキルアップや人間の能力の向上、やる気の育成につながっていくような庁風を育てていくことも課題であろうかと思います。こういう点でも尽力してまいりたいと思います。
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<職員の人材育成について>No.2 |
県では今、CS運動として事細かに電話の対応や接遇について指導されています。このこと自体を否定するものではありませんが、私自身は少し違和感を覚えています。本来、管理職の皆さんが率先してきちんとあいさつをすれば、部下の職員の皆さんも必ずあいさつをするはずです。また、朝のあいさつで職員の体調やモチベーションも把握できるわけです。県庁で一番元気なあいさつをされるのは、何といっても牛乳とヤクルトの配達員の皆さんです。見習うべきだと思いますよ。
県庁には日々多くの皆さんが来庁されるわけで、その大半はたびたび来られる人が中心でしょうが、中には人生60年にして初めて来られる県民の皆さんもあります。そのときの第一印象が県の印象並びに評価とされてしまうと思っています。せめて県庁の敷地内においでの皆さんは、すべてがお客様という認識が職員全体にもっとあってもよいと思いますが、知事の御所見並びにその対応策があれば、お伺いします。
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●知事答弁 |
今、御指摘をいただきましたが、確かに私も思いますが、やはりヤクルトのおばさんたちとか、そちらの方がよほど高らかにあいさつされるような気がします。これは役所としてしみついたものがあるのかと、率直に反省をしなければならないと思います。
9月7日に、職員の提案に基づいてDOプロジェクトというあいさつ率先行動を始めました。基本的な私のコンセプトといいますか、私がその提案を聞いて、いいなと思いましたのは、コミュニケーションのとり方が役所の人間は下手過ぎるということです。そういう意味で、朝、朝礼をしたりあいさつを行ったりという、まずは率先行動をやって庁風を変えていこう、このことは、私はいい方策ではないかと思っております。現実に職員課に調査させたところ、9割以上が電話をとって「ありがとうございます」と言うようになったわけで、こういうように、たちまち意識、行動は変わってきたと思います。
ただ、おっしゃるように廊下ですれ違うときのアイコンタクトだとか、ちょっとしたあいさつも、このDOプロジェクトの中に盛り込まれているのですが、ここのところの実践がまだできていないと思います。県庁の内向きの、お互いのあいさつ行動にとどまっているのであれば寂しい限りですので、議員の御指摘もありましたので、ここは徹底させていただきたいと思いますし、これが外から来たお客様が違和感なくこちらで相談できるような、サービス体制を整えていく必要があると思います。せめて郵便局ぐらいを目指して頑張りたいと思いますので、これからもよろしく御指導いただきたいと思います。
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<職員の人材育成について>No.3 |
県民の皆さんにしっかりとサービスを提供するというのが自治体の役割ですが、ただ、先ほどのありがとうございましたが90%という話なのですが。朝から県庁に電話して、「ありがとうございました、議会事務局の伊藤でございます」。「ありがとうございました」と朝から言われる必要はないけど、と言う方もあります。朝なら、せめて「おはようございます」でいいと思いますが。「ありがとうございます」に何か今、県庁全体が流されている。朝早くから、8時半から「ありがとうございます、総務課ですけど」よりも「おはようございます」で私はいいと思います、「ありがとうございます」にそんなにこだわらなくても。やはり、そこがお役所だと私は思います。CS運動というと、もうそれで徹底的にやる。型にはまったらそのとおりに動く。それが私はまさに公務員だと思います。もう少し電話した人の立場になって、朝なら「おはようございます」ですよ。「おはようございます、総務課の平井です」とか、「伊藤です」とか。私はそれでいいと思います。余りにも、そういう型にはまったものを徹底的にやるということに、私は物すごく違和感を覚えます。もう少しそのあたりを、県民の皆さんの目線に移して、立場に移して、私は取り組んでいかれたらと思います。それと職員の皆さんに、もう少し肩に力を入れずに、力を抜いて県民の皆さんと対面してサービスを提供していただきたいということをお願いして私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
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