平成19年9月定例会一般質問(平成19年9月27日)No.1
<ゲリラ豪雨と防災体制について> |
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●知事答弁 |
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●法橋防災監答弁 |
今回の場合、2つにわたっておりますけれども、例えば今回、琴浦の例で言いますと、倉吉地区に大雨洪水警報が9月4日の20時22分に発表になっております。こういった大雨洪水警報が発表されますと、県としては警戒態勢1という態勢をとるようにしております。 この警戒態勢1の場合は、総合事務所が独自の判断で配備態勢をするということにしております。今回の場合ですと、中部総合事務所は20時40分に1名が登庁しまして、警戒に当たっております。 その後、私もその段階で家におりましたが、いろいろ本庁と連絡をとって、琴浦町の情報が全然届かないというような実態が電話で確認されましたので、琴浦町の方に職員を派遣できないかということを中部総合に検討するようにと指示しまして、結果的には22時30分からは2名体制に増強して、23時過ぎに1名を琴浦町に派遣するというような体制で進んだわけです。 ただ、その間に、先ほどありました記録的短時間大雨情報というものが発表されておりますけれども、これに対しては特に、その段階では対応をとらなかったということで、結果的に後手を踏んだということは言えるのではないかと思っているところです。 県としましては、先ほど知事が答弁しましたように、そういった記録的な大雨の情報等が出た段階では、自動的にそういった派遣を考える、あるいは、警戒態勢をさらに強化するというようなことを当面の対策として考えております。それから、総合事務所の警戒態勢の明確化についても検討していきたいと考えている次第です。 |
<ゲリラ豪雨と防災体制について>bQ |
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●知事答弁 |
今、御指摘がありましたように、今回、琴浦、大山のちょうど町境のところに厚い雨雲が来て、大きな雨が降りました。この集中豪雨の状況について、気象台の方からは記録的短時間大雨情報は琴浦町に出されました。そして、大山町の方には実は出ていなかったのです。それから、大雨洪水警報などの諸情報も中部側の方に出されており、西部側の方は余り警戒の目がなかったのは事実です。 |
●法橋防災監答弁 |
災害時の被害情報の収集、あるいは提供のあり方についての御質問についてのお答えをいたします。 特に、人的な被害についての情報の収集、提供ということだろうと思いますけれども、先ほど知事が答弁しましたように、これは基本的には市町村が情報を収集して、県の方で集約して、県の方から報道機関なりに発表すると、こういう仕組みでやっております。 それで、この間の人的被害につきまして、プライバシーの取り扱いに関する問題なのですけれども、非常にちょっと難しい問題があろうかと思います。ただ、現状においては、個人情報が特定されないということに配慮して、基本的には住所は大字まで、それから、年齢等につきましては年代、または年齢ということ、それから、どういう被害なのかということについては、死亡なのか行方不明なのか、重傷なのか軽傷なのか、こういった区分、それで、そういったものがどういう原因で発生したのか、あるいはどこの病院に搬送されたのか、こういったことを情報収集して提供するということにしております。 プライバシーの扱いにつきましては、市町村や消防局、こういったものは救助や行方不明者の捜索というような役割もありますので、当然、一般的には活動の基礎的な情報になる情報については、個人情報であっても収集は必要な範囲で可能だと考えております。 これが一般的な通常のあり方なのですけれども、例えばJR福知山線の事故のような大規模な事故などの場合につき、身元不明で、あるいは意識不明の人がたくさんおられるような、こういった場合に、安否確認だとか、それから、そういったことが必要だという場合については、ある程度個人情報の収集というのも特別な取り扱いが必要ではないかと考えられると思います。 どのようなときにそういう個人情報の収集、提供というものが行われるのかということについては、基本的には個々の事例に応じて、情報の収集というものと、それから個人情報の保護というものの公益のバランスということで考えていく必要があるのではないかと考えております。 |
●坂出病院事業管理者答弁 |
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<ゲリラ豪雨と防災体制について>bR |
先ほどありましたように、公式発表は、情報収集は市町村がやる、それを県に報告するということなのですけれども、今あったように、病院側はプライバシーの関係で出せないと。だれが本当にきちんとした情報を上げていくのか、公表するのか。やはり、せめて軽傷、重傷程度の状況ぐらいは、負傷の程度ぐらいは、私は出してもいいのではないかと思うのです。たまたま、このたびは家族がおられたので、翌日家族から入ったのです。もし家族がおられなかったら、全く情報は遮断されたまま、いわゆる、例えばこのたびの豪雨災害で負傷者は何名ありましたかということが、全くでたらめな情報がずっと生きていく。きちんとした情報でないものが生きていくと、そういう形になってしまうわけです。それについて、私はどう考えるのか、やっぱりきちんと交通整理をすべきだと思うのです。市町村は困っていますよ。電話しても情報は入らない。何で情報が違うのだよと。新聞と本人とは、けがの情報が違うのではないかと。そういう部分で、公表のあり方をもう一度、私は検討していただきたいと思います。 次に、災害の部分で言いますと、県内では今、高規格が一生懸命、急ピッチで進められております。この高規格道路が完成すれば、道路に降った雨はところどころの排水口から近くの河川や水路に放流されることになるわけですけれども、道路はわずかな面積というものの、一斉に雨水が流れ出すため、突然その水量は増してまいります。しかし、このたびの災害を検証する中で、水路がオーバーフローし、床下浸水した河川や集落の排水路に高規格道路の雨水の放流が予定されている地域が何カ所か見受けられました。既にオーバーフローしている河川や水路に、道路の完成と同時に新たなる放流が行われれば、床下浸水の被害を拡大するおそれがあります。 このたびの災害を教訓として、放流を予定されている河川や水路の拡幅を含めて、再度点検し、必要があれば改修しなければならないと思いますけれども、知事の所見をお伺いします。 次に、県内には大小 1,200余りのため池があると言われております。幸い県内では大きな災害が発生しておりませんけれども、県外においては豪雨によりため池が崩壊し、下流域にある民家が流されるなど、甚大な被害が発生しております。 ため池の半数は管理者がはっきりしており、適切に管理されているわけですけれども、中には、ため池の機能を失ったもの、管理者が不明で管理が全くされていないものがあると仄聞しております。点検の進行状況並びに危険と思われるため池がどの程度あるのか、お伺いします。 なお、危険度の高いため池は、その危険度に応じて公表すべきと考えますが、所見をお伺いします。 |
●知事答弁 |
今回のケースは、私が承知している限りは、当初、私も大変心配しまして、1人生き埋めになったという情報が、夜中前だったですか、10時か11時ごろだと思いますが入りまして、早速にその救出の状況を見守るような感じになりました。それで、その後、幸い命は取りとめて、救出して病院に運んだと。軽傷であるというお話だったものですから、私も安心しました。 この一次情報は恐らく、後で聞いたところでは、市町村から運び出した消防局などの情報に基づいて、そうした公表がなされたのだと思います。その後、実際に病院に運んで、医師も同乗しながら病院まで運びまして、そして病院で精密検査などをやりますので、それでだんだんと体の機能がどうであるか、その辺の検査が始まるわけです。そして、事後的に、運び込んだ後にその症状というものが判明してきた、こういうことだったと私は聞いております。そういう状況だった中で、どういうふうに本来は公式発表といいますか、情報伝達がなされるべきだったかという問題だと思います。 今回は病院の方は、今、私もお伺いしましたけれども、病院なりの基準があって、そうしたいろいろな形態によって区分けがあって、それで報道機関の方に出していい場合と本人の同意が必要な場合とかがあって、今回は本人の同意が必要というようなことで判断されたのかなと思いますが、よくわかりませんが、そういうことだったのかもしれません。 そうしたことからしますと、ただ、今回のケースでいえば、一たん公表された情報を、これは往々にして災害対策の場合はあるのですが、最初、とにかく情報を集めなければいけない、即効的に集めなければいけないということで集まってきますが、後からこれを訂正することは往々にしてあります。それは、情報の正確性を期すためにしなければならないことだと思います。そういう意味で、一たん公表された情報を訂正する必要がある場合にどう取り扱うか、という問題なのだと思います。 今回の時間の流れだとか、実際に何が起こっていたのか、プライバシーの問題もありますので、私どもなりに点検をさせていただき、そして市町村の御意見も聞いて、こういう場合はこういう手順で公表なりなんなりをやっていきましょうと、そうしたマニュアルといいますか、手順をこしらえておく必要があるかなと思います。検討させていただきたいと思います。 次に、山陰道に降った雨の放流ですが、詳細は県土整備部長の方から御報告申し上げたいと思いますが、基本的にはこれは、道路上の雨は集めて、川の方へ流すということになります。その川の水量の問題がありますので、実は河川改修とあわせてやってきております。それから、川でどうしても流せない、排水路のようなところにつきましても、排水路の補修なり、その拡幅といいますか、そういうこともあわせて今までもやってきているわけです。今回の災害の状況を見て、私どもは国土交通省の方に、改めて点検をするようにお願いしたところです。詳細は部長の方から御報告申し上げます。 農業用のため池の緊急点検を平成17年から18年度に行いました。念のため申し上げますが、これは危険度そのものというよりは、緊急に整備する必要があるかどうか、それを点検をしたということです。つまり、ため池自体の危険性の問題も入りますが、そのため池の下に例えば住家があるかどうかとか、そのため池の利用状況はどうであるかとか、総合的な判断で、これはランクづけといいますか、分類をしているということです。緊急に整備が必要なもの、それから、それに準ずるようなもの、それ以外のものというふうに区分けをさせていただいて、今回の調査がなされたわけです。 詳細は農林部長の方から、御答弁申し上げたいと思いますが、緊急性が非常に高いのは7のため池であるという結果で、これも既に改修に入っているところもありますし、緊急に直さなければならないことで、これから準備をする必要があるものがあると思います。 この公表については、できるだけ早く公表すべきだと私も思います。ただ、若干情報の整理が必要なようで、もう少し精査をして、きちんとした情報で公表することにしたいと考えております。これも詳細は部長の方から御答弁申し上げたいと思います。 |
●田所県土整備部長答弁 |
まず一般論ですが、高速道に降った雨の排水計算の際には、時間雨量90ミリというものを全国的に適用して計算されております。山陰道においても、それに基づいて水路や河川の改修がなされるということになっております。ちなみに、県内の河川ですと、県管理河川で6河川、市町村の管理河川で3河川ということで、順次その改修が進められておりますし、市町村管理河川にいては、平成12年度より県費の補助もしながら進めているところです。 なお、今回、琴浦町で豪雨災害がありましたので、改めて問題がないかどうかの点検を国土交通省の事務所に申し入れているところです。
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●河原農林水産部長答弁 |
農業用ため池の緊急点検について、補足説明をさせていただきます。 緊急点検の内容ですけれども、現在、鳥取県で私どもが確認しているため池というのは 1,212カ所あります。そのうち、極めて小規模なもの、あるいは機能を失っているものを除いた 873カ所について、点検を行いました。 先ほど点検の内容等について、知事も御説明しましたけれども、もう少し詳しく説明をさせていただきますと、点検内容は大きく言って4点あります。まず、構造的な安定性。これは、ため池の堤とか、それから洪水吐け等、そういったハード面での安定性、それから、周水域、周辺の状況ですね、これは例えば山林であったのが、流出が早い農地に変わっていないかという、そういった周辺環境の変化で、これらで危険度をある程度判断をすると。さらに、下流の人家だとか公共施設にどういった大きな影響があるのかという影響度。それから、ため池そのものが農業用水面でどのぐらい依存度が大きいかと。こういった主に4点について、総合的に判定をしたものです。 点検結果ですけれども、これは国の指標に基づいて3分類しております。緊急整備の優先度が高いため池ということで7カ所、それから、早急な整備が望まれるため池ということで96カ所、それ以外、整備の緊急性は低いというものが 770カ所あったわけです。先ほど知事が申し上げました7カ所のうち、鳥取市、それから米子市の池ですけれども、この2カ所については、本年度から整備に着手をしているところです。 公表についてですけれども、わかりやすく公表しなければいけないということもありますので、現在点検中です。その詳細については、できれば10月の上旬、議会中ぐらいに公表するということで、今準備を進めているところです。今後、この点検結果を踏まえて、市町村だとか、それから水利組合、土地改良区等のため池管理者と協議を行い、今後の整備方向を相談していきたいと思っております。 いずれにしても、ため池の危険性というのは、ため池の老朽度、さらにはどういった管理をするか、管理レベル、これにもかかわることですので、今後は、鳥取市が最近、ため池の点検を毎年行っておられますけれども、そういった合同のパトロールの機会、こういったものを増やして、ため池の被災というものを少しでも減らしていきたいと考えております。
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<ゲリラ豪雨と防災体制について>bS |
災害が発生した後、住民の皆さんにとって一番心配なのは、その災害復旧です。災害復旧事業にはメニューもいろいろあるわけですが、国庫補助率が2分の1から3分の2にかさ上げされ、一番財政負担が少なくて災害復旧できるのが、激甚災害の指定を受けることです。このたびの災害は全国的な災害でないため、指定を受けるとするならば局地激甚災害となるわけですが、この激甚災害制度の対象の基準は、公共土木施設災害の場合、当該市町村の前年度標準税収入額の50%以上の災害査定事業費、農地等の場合は、当該市町村の最新の農業所得推定額の1割以上の災害査定事業費にならなければ該当しないとされております。 このように、局地激甚災害の要件は、市町村をベースとした金額主義です。県に問い合わせたところ、琴浦町での公共土木施設災害の想定額は6億 200万円、うち、町分が3億 900万円。琴浦町の18年度標準税収入額は17億 9,000万円ですから、8億 5,400万円以上の災害でないと該当しないということでしたが、その後、よく検討していただいたら、市町村の合併の特例等に関する法律第19条に、災害復旧事業費の国庫負担等の5年間特例措置が明記されていたということで、平成18年度の合併前の旧赤碕町の標準税収入額は5億 5,000万円、その50%は2億 7,500万円ですから、最終額が固まり、かつ国の査定を受けなければ断言できないものの、局地激甚災害に該当する可能性があるということがわかりました。まさに合併特例法に救われたわけですが、市町村合併を議論するときに災害復旧の問題まで議論して合併した市町村が果たしてあったのであろうかと疑問に思うとともに、今後の大きな課題として改めて認識させられました。 そこで、議長のお許しを得て、お手元に算定の資料を配付いたしましたが、湯原議員に御協力をいただいてパネルで説明したいと思います。 特に心配しますのは、広域合併した鳥取市などは、この合併特例法の5年間の経過措置が終了後は、15年のデータでの試算ではありますが、例えば旧用瀬町の生産農業所得は1億 3,000万円でしたから、これまで 1,300万円以上の農地等の災害が発生すれば局地激甚災害の指定を受けられましたが、新しい鳥取市では、生産農業所得が41億 9,000万円ですから、旧用瀬町時代の 1,300万円の30倍にあたる約4億 2,000万円以上の農地等の災害が発生しなければ、局地激甚災害の指定を受けられなくなります。 また、公共土木施設の災害で言いますと、例えば旧佐治村は、これまで標準税収入額1億 3,000万円でしたから、大体 7,000万円以上の公共土木の災害が発生すれば局地激甚災害の指定を受けられましたが、新しい鳥取市では、実に 157倍に当たる 110億円以上の災害が発生しなければ、局地激甚災害の指定を受けられないということになりました。まさに、合併後は、この特例措置の5年が切れた後は大変な状況になる。旧用瀬町でも旧気高町でも、かなりの災害が出ても、 110億以上の災害が出なければ局地にならないということになるわけです。 平井知事に激甚災害制度の現状並びに合併特例法の5年の経過措置が終了した後の対応等についての御所見をお伺いしたいと思います。
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●知事答弁 |
大変リアルに図表を用いて御説明いただきまして、ありがとうございました。 今の御説明を伺って、非常によくわかるのですが、結局、激甚災害制度がなぜあるかということから本当は考えなければいけないのではないかと思いました。思い起こせば西部地震のとき、これは本激といいますけれども、全国の激甚災害に本来、我々鳥取県を含めた地域で指定していただければいいのですが、あのときも被害が起こりましたのが日野町、西伯町とか、境港市とか、そうした局所に限られているわけです。本当は県境の向こう側の新見だとか、あるいは伯太町とか、そういうところでも被害があり、合算してこれだけの災害が起きたのだからということになればいいのですが、その基準が全国を通じて標準税収入の 0.5%以上の被害がないといけないとか、あるいは、 0.2%以上で、かつ1都道府県で標準税収入の25%以上の被害がないといけないとか、そうした基準があり、これになかなか、局所的に起こった場合はひっかからないわけです。そういう意味で、局地激甚災害という、そうした制度がつくられて、これは市町村単位で財政力を補てんするという趣旨もあり、市町村の財政力をにらんで標準税収入の50%以上の被害があるかどうかと、こういう制度をわざわざつくっているのです。 ただ、これは結局、大きな台風が来て、全国をざあっと少しずつ洗うようにして被害を出していった場合と、1カ所で局所的に起こった場合とで、国の方の支援の仕組みが違うことになります。全国をざあっと縦断していくように台風が行き、一つ一つのところではそんなに被害はなくとも、それは激甚災害、本激として、本格的な激甚災害として指定されて、これが対象になるわけですが、今回もそうですけれども、小さな範囲内で地震の被害が起こる。地震なんていうのは割とそういうものですし、それから、今回の琴浦町のあたりとか、そうしたところでの集中豪雨のような被害に対して、激甚災害の制度がうまく機能しない場合があるのではないかと思います。それが根本的な問題ではないかと思います。 ですから、本来は局所的に起こる災害ほど地元に対するダメージはあるわけですから、そのエリアを見て、通算するような形で、このエリアについてはこれだけの被害額があったので激甚災害にしましょうとかというようなことでないと、本当はつじつまが合わないのではないかと思います。 今回、たまたま合併特例法の問題になりましたけれども、確かに合併特例法は5年間の特例措置の期間内、旧市町村の範囲内で局地激甚災害の算定をしましょうという特例を設けているわけで、これが働くことで、琴浦町は救われるということになります。しかし、これが5年たつとなくなるということになるわけで、そのときに、これは特例措置、合併を促進するために、不利益を受けるかどうかということでつくった措置なのでしょうが、それ以前の問題として、局激の制度のつくり方、本激と言われる全国を通算した激甚災害の制度のつくり方、これを本来は見直すべきなのではないかと思います。 あわせて、災害が起こったときに非常に資金ニーズが、現場の市町村、県もそうですが、起こるわけです。それはありとあらゆるものについて発生するわけで、本当のことを言えば、国の方のメニューに縛られることなく、自由に使えるような災害対策資金をブロック補助金のような形でもらう方がいいのではないかという気がします。 アメリカですと、フィーマと言われる緊急対策を行う役所がありまして、そこは大ざっぱに何百億ドルとか、こうやってパンと決めてしまうわけです。それをお出しするということになりますので、そういう方が本来、地元としては使いやすいお金になると思います。 特に、救急救助の関係だとか、いろいろな関係があり、メニューが詳細に定められて、使途が定められたものが大変多い。災害のときでも、そういうものの要件を見ながら、一つ一つチェックをしながらお金を支出しなければいけないということがあり、ややナンセンスなところがありますので、激甚災害のような公共土木施設だとか農業被害の話もさることながら、そうした身近なさまざまな災害対策に使えるようなブロック補助金の創設なども、本来は必要なのではないかと思います。そうしたことがもし必要があれば、ちょっとよく研究してみて、国に対する要望などを考えていくべきかと思います。
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<ゲリラ豪雨と防災体制について>bT |
先ほど申し上げましたけれども、やはり合併することによって、これまで局地激甚の方が受けられないということになれば、国庫補助率が違いますから、例えば鳥取市にしても、本当にこれまで即、災害復旧ができていたのに、それが2年度、3年度にわたらなければ災害復旧ができないということになってくると思います。旧鹿野町や旧気高町の皆さん、旧青谷町の住民の皆さんは、そうしたことは全く想定していないのですね。当然旧気高町でも、ある程度これまでと同じように災害が生じた、すぐ対応してもらえる、そういう思いであったと思うのです。合併して、その5年の特例が切れたら、なかなか対応してもらえないことが起きるということがあれば、住民の皆さんは非常に不幸だと思うのです。 さっき言われましたけれども、私は災害制度をやっぱり見直す、そういうことをしっかりと研究していただいて、国に意見を申し上げていただきたいと思います。特に中山間地、いわゆる、このたびもそうですけれども、田畑が一部が崩壊しています。いわゆる小規模災害、40万円以下については災害の対象にならないわけです。たまたま 150メートル連担しておれば対象になるのですけれども、中山間地域というのは田畑が離れていますから、 150メートルなんて連担していないわけです。そうしたときに、ほとんどもうからないのに米をつくってきた。これ以上お金を突っ込むのはしようがないと、せつないと。もうあの田んぼは捨てるのだと。山も金を出してまで直せないと。そういうことが実際に今、住民の皆さんの生の声として私のところに届いております。本当にこれからもこうした災害が続くでしょうけれども、特に中山間地域にあっては、まさに災害がいわゆる中山間地域の疲弊に拍車をかけていく、そういう部分を私は極めて心配します。今後の中山間対策を考える上においては、やはり災害という問題も同時に私は考えていく大きな課題だと思っております。ぜひともそういう部分で知事に御検討をお願いしたいと思います。
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●知事答弁 |
合併がなされたがために財政措置がなくなるというのは、確かに変な話だと思います。国の方は国の方で恐らく理屈はあって、局地激甚災害は市町村の財政状況に対する救済措置ということですので、その全体としての器が大きくなったら、その器の中でやれる部分は多いでしょうと。ですから、小さな町で大きな災害が起こった場合と、大きな町で同じ規模の災害が起こった場合では、国が補てんをするといいますか、支援をする割合は違っていいのではないかというのは、多分国の理屈だと思うのです。それはそれで一つの理屈なのですけれども、先ほど申し上げましたように、ただ、被害は同じように起こっても、それが市町村の境をまたいで起こってしまったとか、今のように合併が云々で、合併があったときとないときで措置が変わるとか、やや割り切れないところもあるわけで、本来の激甚災害の制度自体の見直しなどを提案していく必要があるかと思います。 あわせて、中山間地の現状についてアンケートをしたことがございましたが、意外といいますか、一番多かった、住まわれている方の要望というのは、安全で安心できる地域にしてもらいたいということだったわけです。ですから、議員が御指摘のように、安全で安心できるような、そうした地域にするという中山間地域のニーズというものを踏まえて、災害対策も配慮すべき部分があるのではないかと思います。過疎法の見直しだとか、あるいは中山間地についての何らかの手当てを県として考えていく際に、ぜひそうした視点も盛り込んでいきたいと思います。
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