平成20年5月定例会一般質問(平成20年6月10日)No.1
<地方税法の一部改正について> |
4月30日、道路特定財源の再可決にあわせて地方税法の一部改正が行われ、ふるさと納税制度の減免措置等の明記と来年の10月から個人住民税における公的年金からの特別徴収制度の導入が可決され、成立しました。ふるさと納税制度については、2月県議会の中で制度の趣旨、中身、その扱いについて十分とは言えませんでしたが、知事と議論をしたところです。ところが、このふるさと納税制度、県のホームページによると、平井知事が他県の有志の知事とともに、地方の厳しい財政状況の中で地域間格差解消の一助として国に制度化を働きかけたということが知事のメッセージにありました。何も知らない私自身、大変驚いたばかりか、まずは制度が実現したことにお祝いを申し上げるのが本筋ですが、制度を提案された知事に質問することも大変失礼かと思いますが、私自身納得しがたいものがありますので、改めて提案者の1人である知事に認識を問いたいと思います。 鳥取県でもふるさと納税制度による今年度の収入を3,000万円と見込み、こども未来基金としてその活用も計画されております。制度が始まってからわずか1カ月余りですが、現時点での寄附金の状況についてお聞かせください。また、この制度の提案者である知事として、今日までの納税者の反応について並びに今後の見込みについてお聞かせください。 次に、来年の10月から導入されることとなった個人住民税における公的年金からの特別徴収制度についてお伺いします。 この制度の提案者も、平井知事を含めた全国知事会が国へ要望され制度化されたものと仄聞しておりますが、制度化に当たってどのような議論がなされたのかお聞かせください。 この制度の概要を簡単に申し上げると、これまで一定額以上の年金等の所得があるお年寄りの皆さんに課税されていた個人住民税の均等割額や所得割額は、年4回普通徴収されていたものが、来年10月から65歳以上の公的年金等の受給者は、個人住民税の均等割額や所得割額が年6回支給される年金から天引きされるという制度です。ただし、老齢基礎年金が18万円未満である人並びに特別徴収額が老齢基礎年金を超える人は、特別徴収の対象から除外されるものです。厚生年金の平均的な年金額である200万円程度の年金受給者が天引きの該当者になるようですが、65歳以上の公的年金等の受給者のうち、この対象者は全国的には2割強と言われております。鳥取県で特別徴収となる年金受給者は、どの程度の割合、人数となるのかお伺いします。また、65歳以上の公的年金等の受給者の皆さんで個人住民税を滞納される人がどの程度あるのか、あわせてお伺いします。公的年金から特別徴収するために、県内の市町村は特別徴収システムの開発が必要となってくるわけですが、県下全域でどの程度の開発費が見込まれているのか、お伺いします。 |
●知事答弁 |
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●柴田総務部長答弁 |
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●中山行財政改革局長部長答弁 |
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<地方税法の一部改正について>bQ |
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●知事答弁 |
ふるさと納税制度についてですが、3,000万円集めて300万円啓発の予算がついている、本当にこれだけのお金が集まるのだろうかと、費用対効果の問題があるのではないかということで、私もよくわかります。ですから、300万円は今予算でとってありますが、これは順次執行していくものですので、当然寄附の集まりぐあいと連動させながら一部はやっていくものがあると思います。 ただ、このふるさと納税の制度自体は、これは単に納税してくださいというPRだけでなくて、あわせて鳥取県を応援してください、鳥取県に来てみませんか、いいところですよというような宣伝もあわせてやるものであると思っていまして、そういう意味である程度のPR費用、ほかのものとの相乗効果の中で考えております。ただ、300万円丸々使い切って、それだけ集まらないというような愚は犯すべきではないと思いますので、それはぜひ呼びかけたいとは思いますし、また順次予算を執行していくわけですから、その中で今の問題意識を私どもも共有させていただきたいと思います。 寄附金争奪合戦制度になるのではないか、競争制度のようになるとなじまないのではないかということですが、私は、意外に思われるかもしれませんが、それは同じ思いです。ただ単にお金を下さいということをお互いに争って、しかも集まった額を競い合うようなことになってしまったのでは、これは本来の税制というか、地方自治の仕組みとは違うように思います。 私どもが導入を主張させていただいた1つは、もちろん大都市と地域間格差がある財政状況ですので、地方部のほうに何らかの収入ができないかという思いが1つありましたが、それとあわせて訴えさせていただいたのは、人間には人生長いスパンがあるわけで、若いころに教育などでお世話になった団体があったり、あるいは御家族が関係していて、そういう意味でこの自治体を支えてみたいという思いはあろうかと思うのです。納税者の方に選択権を与えて、私はこの団体に対して応援をしたいと、そういう気持ちを表明する、そういうお金をお出しすると。この自治体ではなくてこちらのほうが我々の、私の思いに近いのでこちらのほうに出したい、そういうようになることは、これは選択権としてあっていいのではないかと思うのです。そういう納税者の選択権を認めるという意味で、ふるさと納税という新しい仕組みを導入する必要があるのではないかというように考えていたわけです。学生時代お世話になったところに自分の今稼いでいるお金を還元したいと。これは当然のことですが、それができる仕組みに残念ながら今なっていません。東京や大阪に行ってしまったら行ったきりで向こうで税金も入るという仕組みになっていますから、これはいささか是正の余地があるのではないかと。それを是正する一つのチャンネルとして寄附というものを活用したふるさと納税ができないかということです。 年金の受給者に対して特別徴収という形で年金のほうから納税をしてもらう形をとること、これに対する必要性の説明を改めて問うということです。 これは、主として市町村側の問題かもしれません。市町村に住民税を納めてもらって、それを県のほうに回してくるという話になっていますので、仕組みとしては基本的には市町村の問題意識なのかもしれませんが、一つは、おっしゃるように納税者の側の便宜のことはあっただろうと思います。それは、従来だと窓口まで納めに行かなければいけないものが天引きされるということで、行かなくても済む。我々、例えばサラリーマンとして給料をもらいます。これも給料の所得の中から天引きされる形になっています。ですから、これと同じ仕組みを高齢者の方にもつくってはどうかというのは一つあったとは思います。 あと、おっしゃるように行政の事務の効率化とかそういうこともあったと思いますし、あと一つ、この時期に導入されたのは税源移譲があったのだと思います。従来ですと所得税のほうが住民税よりも多く徴収されていました。それが3兆円の税源移譲で地方のほうに移りました。地方のほうに移ったものですから、住民税のほうが今は所得税よりも多くいただくことになっています。従来の所得税の仕組みのときには、所得税が多い時代、今もそうですけれども、この仕組みの中で国税の所得税は年金から天引きしているのです。これは今もそうですし、昔からそうです。ですから、こうした大きなロットのところを年金から天引きしていました。ただ、地方のほうは正直申し上げて、年金の受給者の方からいただくのは、所得がそんなに多いわけではないので多額ではありませんし、それから別途口座振替なんかをやろうと思ったらできるということもあったのでしょうから、住民税のほうはこの年金天引きの仕組みを持っていなかったわけです。しかし、今は所得税のほうがむしろ減ってしまいまして、これは年金天引きを相変わらずやっていますが、多くなったほうの住民税のほうがかえって御不便をおかけする、従来の所得税の仕組みとパラレルなものをつくったほうがいいのかもしれない、こういう考慮もあったから、多分21年、すなわちずっとこれは市町村側が要求してきましたけれども、この時期に認められてきたというのは、そうした税源移譲との事実上の連動もあるのかなと思っております。 その高齢者の皆様に納得いただくことが大切なことではないかと。これはおっしゃるとおりだと思います。これについてしっかりと啓発といいますか、周知徹底PRをしていくことは必要だと思います。これは主として市町村がやることになりますが、これについては総務部長からお答えしたいと思います。 |
●柴田総務部長答弁 |
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<地方税法の一部改正について>bR |
ふるさと納税制度については知事といろいろな議論をさせていただきましたが、昨日もちょっと議論があったのですが、高額納税者をターゲットにしたような寄附金集めだけの制度でなく、やはり鳥取県の出身者の皆さんが、改めてふるさと鳥取、そして各市町村をいま一度思い起こし、見詰め直し、そして一人でも、家族連れならなお結構ですが、もう一度自分のふるさとを思い起こして行ってみようかと、そういうきっかけとなるような制度にしていただきたい。いわゆるお金集めがしたいというのではなく、やっぱり知事も言われたように鳥取県出身者の皆さんが自分のふるさと、本当にいま一度行ってみようかというきっかけになるようなPRもしていただきたいと思っています。私はそれなら逆にもっともっとお金をかけていいと思います。 それと、住民税の公的年金からの天引きですが、私は確かに今、税源移譲の問題を言われたのですが、基本的にはe−Japanの流れだと思っています。要するに余り需要や必要性がなくてもIT産業を牽引するために行われた住基ネットと私は基本的に同じではないかと思っております。市町村は本当に財源が厳しいときで、システム開発に高額な経費も使われるわけですが、そういう意味で道路特定財源、期限切れのときに市町村長どうだったのかなと、あの騒動は。お金がないお金がないと。今、本当に市町村長、市町村はこの必要性をそんなに感じていないと思うのです、優良納税者ですから。特別徴収しなくても。米子に7,000人納税者がいれば、システム開発に7,000万円要るのですよ。それは交付税措置があるというものの、今本当にそこまで必要かという疑問を私は感じております。そうはいっても、先ほどあったように、法律が成立したので、該当者の皆さんには本当に丁寧な説明をしていただきたいと思っております。 |
●知事答弁 |
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