平成21年11月定例会一般質問(平成21年12月3日)No.1
<新型インフルエンザワクチン接種について> |
こうした状況の中、県としては、新型インフルエンザ警報を発令する前の24日、小児の重症化が相次ぐ新型インフルエンザのワクチン接種については、優先接種の開始時期を2〜3週間前倒しにする方針が明らかにされました。これは成人の接種回数の見直しに伴うもので、12月下旬の予定であった小学校低学年は、12月17日から接種が開始されることになりました。 現場の医師に話を伺うと、ワクチンを180人分頼んでも、現実に配分されるのは100人分と、医療現場では絶対量が不足しているのが実態です。県内におけるワクチンの供給量の見通し及び県の対応方針を知事にお伺いします。 |
●知事答弁 |
細部は医療政策監から詳細を申し上げたいと思いますが、このたび12月1日段階で県内の流行警報を発令させていただいたところです。36.52人という定点観測での状況で、30人を全県的に上回る状況になりました。特に東部で流行が進んできているわけです。 今まで県民の皆様にもご協力いただいた成果だと思いますが、鳥取県は日本で一番流行の到来が遅かったです。ですから、よくここまで食いとめてきたと思います。ただ、残念ながら、もう世の中の趨勢が動いており、鳥取県にもいよいよ流行がやってきたということです。片方では今、北海道とか既に流行のピークを迎えたところが下がり始めているところがあるわけですが、鳥取県は今波が始まってきたというような状況です。 そういうことですので、私どもとしては、新型インフルエンザのワクチン接種、非常に今ワクチンの供給は限りがある状態ではありますが、庁内にプロジェクトチームをつくり、できるだけ効率的に、できるだけ多くの方に、そして必要とされている方になるべく早く行き渡るように今ぎりぎりの工夫をしているところです。ただ、国のほうで供給量が急に減らされてみたり、また、議員のご指摘もありましたが、急に2回接種から1回接種に変更があったり、そういう混乱もあり、大分振り回されているというのが実情です。 今、ぎりぎりの中でやってきていますが、もう確実に流行の兆候が出てきましたので、今までの県内の状況などを見ると、やはり一番かかりやすいと言うか、数が多いのは、小学校、中学校、高校ぐらいのお子さんたちです。ですから、学級閉鎖や学年閉鎖が相次いでいるような状況にあります。そういうわけで、こうした子どもたちへの接種を可能な限り前倒しする必要があるだろうと判断しています。今、医療機関等と最終的な調整を行っていますが、きょうも報道にあったような、幼児の方については年内にワクチンが行き渡るようにしようではないか、それから、小学校、中学校、高校というところですが、小学校には集団接種をできるだけお勧めしていこうではないかと考えています。多くの市町村で御協力を得られる見通しが立ちつつあります。 集団接種をすると、一遍にワクチンを使うので、ワクチンの無駄が出なくなります。その分だけやりくりがしやすくなり、別のお子さんたちへの接種の回数が出てくるわけですから、そうした集団接種を学校医の皆さんなどの御協力もいただきながら進めようとしているところで、だんだんこれは広がりが事前の調整で出始めています。したがって、今月から集団接種を開始できると思います。集団接種に入られない市町村においては、個別の医療機関対応ということになろうかと思います。 あと、中学生、高校生も、他県を見てもそうですが、かかりやすいようで、その理由はよくわかりませんが、数が多いわけですから、年内にも可能な医療機関などで接種ができるように前倒しをさらにもう一段進めようと考えています。特に1月に入るともう受験シーズンが始まりますが、まずセンター試験がやってくるわけです。そうした受験生やその御家族の心情も考えると、高校3年生で集団接種に御協力いただけるのであれば、それも年末ぎりぎりか、場合によっては年明け早々か、そうしたタイミングで、できる限り年末でやろうじゃないかということで今調整をしていますが、そうした枠もやりくりしていくことにしています。そういう意味で、当県としては独自にやりくりをして、できるだけ早く接種開始時期が出てくるようにしたいと思っていますし、受験生への配慮などもその中で捻出していきたいと考えています。 |
●医療政策監答弁 |
新型インフルエンザワクチンの供給状況、今後の方針について、補足の答弁を申し上げます。 新型インフルエンザワクチンの接種については10月19日から開始しているところですが、接種計画に対して国のワクチンの製造が追いつかず、ワクチン接種の希望者については行き渡っていない状況です。具体的な仕組みを若干説明しますと、優先接種対象者の方に医療機関に申し込んでいただき、医療機関のほうで予約を取りまとめて、それを業者を通じて県として把握しているところです。これと国からの供給量を見て各医療機関への配分を決定しているところですが、供給量が十分でなく、申し込み注文量にすべてこたえられていないというのが現状です。 具体的には、医療従事者については、10月19日に始めたところですが、合計で1万1,611名の1回分の申し込みをいただいたところですが、最初の供給量としては6,996回分ということで、60.3%の供給です。ただ、次回、その次の10月29日に残りを供給して、申し込みにこたえているという状況です。また、基礎疾患最優先についても、4万余りですが、初回の供給量で約半分を供給し、12月3日の供給で約75%の供給ができていると。また、妊婦については2,100名の希望がありまして、11月14日の1回目の供給で1,120名、53.3%、2回目の12月8日には残り分も含めて100%の供給ができるという状況で、今後の対象者についても、初回でなかなか注文量すべてということには至っていませんが、順次、次回の供給で供給できる予定となっています。現在接種している幼児等については、1月上旬までにはおおむね行き渡る予定となっているところです。 このように大変厳しい状況ですが、先ほど知事のほうから申し上げましたように、感染者が多い小学生から高校生については、小学生の1年生から3年生は、従来12月下旬としていたものを12月中旬に、また、1歳未満の保護者、小学校4年生から6年生については、1月上旬の予定を12月下旬に、中学生、高校生の接種については、1月中旬の予定を1月上旬とし、中高生については、一部につき年内での接種もできるように現在調整をしているところです。 |
<新型インフルエンザワクチン接種について>No.2 |
県としては、優先接種の方針や計画を変更された場合には一定の周知はされております。この質問を通告した後に全県下の警報が出たので、えらい丁寧にNHKさんなどで放映されていましたが、もっともっと県民の皆さんに理解を得られるような、その方法論も含めてやはりアナウンスをもっともっと強くすべきではないかと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。 |
●知事答弁 |
ワクチンの有効利用を図ろうとしているが、ただ、医療現場のほうで非常に説明が難しいと、どういうふうに優先接種がなされているのか、その辺の理解を得るのにも苦労していると、こういうことからぜひ県民の皆様に対するアナウンスをしっかりやるべきではないかという御指摘です。 これはおっしゃるとおりです。原因として一つは、国の方針がころころ変わるということもあるのですが、我々の方もできるだけ必要としている方に多く行き渡るように、集団接種に協力を求めるなどしてやりくりを強めてやっていこうと考えておいす。ですから、どうしても予定が変わってきているわけで、現場の皆様には大変に御迷惑とかいろいろな御負担をかけているのではないかと拝察させていただいているところです。ただ、やむを得ない状況でそういうこともあるわけで、できるだけ県民の皆様に多様なチャンネルでアナウンスするようにしていますし、御質問もありましたので、これからぜひしっかりとやっていきたいと思います。 例えばチラシの配布とか、それから新聞広告を打つこともあります。また、年明けにもそうしたことも考えています。報道機関の皆様にも社会的関心が高いということもあり、この点御協力をいただき、ワクチンの接種スケジュールについて、議員の御指摘もありましたが、たび重ねて報道もいただくようになりました。市町村も市町村の広報を使って広報に努めていただいているところもあります。いろいろとチャンネルを尽くしてアナウンスをしっかりとやっていきたいと思います。 まず、この次は、この12月17日から小学校低学年1年生から3年生までの集団接種を開始することにしています。こういうことは学校とか医療機関を通じても随時情報提供するようにしなければいけないと思っています。さらに、日々情報を確認していただくのでしたら、ホームページをぜひ御確認いただきたいと思います。これは毎日更新していますので、最新の情報に触れていただくにはそうしたチャンネルも活用していただきたいとお願い申し上げる次第です。 |