平成22年6月定例会一般質問(平成22年6月14日)No.4

<ウォーキング立県について>

 
 初夏の風物詩としてすっかり定着した日本海未来ウオークが、今年も6月5日、6日の土・日に倉吉の未来中心を出発点として開催されました。

 この日本海未来ウオークは、ウォーキングで健康な生活をと倉吉のNPO法人「未来」が医師会や歯科医師会、さらには多くのボランティアの皆さんの協力を得ながら、毎年6月の上旬に開催されているもので、今年で10回目の開催を迎えました。

 土・日の2日間は天候にも恵まれ、5キロコースから最長41キロコースと、それぞれの体力や目的地を目指して4コースが設定され、北は北海道、南は大分県と全国各地から参加者があり、2日間で約3,500人ものウオーカーが心地よい汗を流していました。

 私も近年毎年参加しており、今年も5キロのコースでしたが、小鴨川の河川敷、レトロな町並みの市内と自然や歴史、文化等を五感で感じながら、煩わしさから解き放たれたひとときをウォーキングで楽しみました。

 藤井副知事も近年毎年のように参加されており、今年も参加されたようです。まず副知事に、毎年日本海未来ウオークに参加されるその思い、今回参加された感想についてお伺いします。

 なお、昨年の大会において、平井知事が「ウォーキング立県TOTTORI」を宣言されたようですが、具体的にどのような取り組みを計画されているのかお伺いします。

 また、今年は10回目の節目に当たることから、韓国の大韓ウォーキング連盟の李理事長を初め27人の対岸国の方々を招聘されていました。東海から貨客船で境港入りした一行は、県内のウオーカーと合流され、境港市から倉吉まで日韓合同によるピースウォーキングを行い、その間、1泊された琴浦町では、地元の皆さんによる手づくりの歓迎会にも参加され、住民の皆さんと親善と交流を深めておられました。

 まさに、ウォーキングは国境を越え、平和の親善大使を務めているわけで、真の草の根交流の一つであり、今後も引き続いて交流を促進すべきと思いますが、この点について知事の所見をお伺いします。 

●知事答弁

 
 議員におかれては、日本海未来ウオークに参加されて汗を流されたということですが、ぜひ御自身も健康づくりをしていただきたいと思いますし、そういうことをこの県の中でも進めていきたいと思っています。

 大きなイベントといえば、昨日は岐阜のほうで全国豊かな海づくり大会が開催されました。我が国で初めて川の流れの中で海づくり大会が行われるということになったわけですが、そこで、伊藤漁協組合長あるいは日野川の内水面の佐藤組合長さん、この方は表彰を受けられましたが、こうした方々とともに鳥取県開催に向けた大会旗の引き継ぎを受けて帰ってきたところです。

 このような大きなイベントがあるわけですが、健康についてもそういうイベントを通じて、みんなで汗をかきながら参加して、健康づくりを進めていくというのは大事なことだと思います。自分一人でウォーキングをやろうと思うと、それはそれなりに意思が必要ですが、ウォーキング大会にある程度参加料も払って準備をして、仲間たちと一緒に行くと、これはどうしても歩かなければいけないということになります。また、余り恥ずかしい思いをしてはならないということで、そのウォーキングに向けて少し鍛錬を積んでみたり、いろいろと着る物の心配をするとか、装備の心配をするとか、そんなことで自分自身の人生も楽しくなってくると、こういう色々な効果があると思います。特にこういうウォーキング大会は、健康づくりももちろん一つの成果になると思いますが、それ以外にも観光とか交流とか、それから教育とか、それから環境づくりなどに向けても、いろんな副次的な効果があると言われています。

 鳥取県は、おかげさまでウォーキングについて理解のある輪が広がってきたと思っています。そういう意味で、私どもとして、ウォーキング立県をこれからぜひ推進していきたいと思っています。身軽に参加できる身近なスポーツとしてウォーキングを推奨していこうということです。色々な事業をことしもお願いしていますが、一つは、ウォーキング大会に県内各地で参加できる環境を市町村と協力してつくっていこうと思っています。現在、15の市町村でウォーキング大会を実施していますが、まだそういうのができていないところもあります。そうした新しいウォーキング大会を掘り起こしていく、これを応援する事業を行っています。

 それから、ウォーキングを進めていく上で、県内色々なところを渡り歩いていただくと。それで、観光だとか交流だとか、そうした副次的な効果も出ますし、御自身の健康づくりの励みにもなるだろうということで、ことしはそのパスポートを作りました。19の市町村をめぐり歩いて、5つのウォーキング大会に参加をすると、そこで判こをもらうということにしています。その判こをもらうと、これで歩きニストの認定ということがあったり、県内の特産物など、そうしたもののプレゼントに応募できるとか、こういうことを始めました。できれば行く行くは例えばウォーキングマイレージみたいな、そういうような展開もあってもいいのではないかと。韓国などの例もこれから勉強させていただいて、考えていきたいと思っています。

 もう一つの日韓のウォーキングですが、先般の日本海未来ウオークの機会に、韓国のウォーキングの本場である原州から、李康玉大韓ウォーキング連盟の会長さんなどがお見えになりました。それで、原州からはるばるこの鳥取県の倉吉まで歩いてくるという、壮大なツアーを組まれました。実際、境港の出発式から順次歩いていき、赤碕、琴浦で1泊されて、夜は大交流会があったそうですが、そういうふうに交流もこなした上で、倉吉のほうに無事全員完歩されたわけです。原州から全部歩いてくるということで、原州から港の東海までも歩かれるということで、それに相当する距離をはかって歩かれたそうです。もちろん韓国の東海から境港は船ですが、船の中でも、歩くわけではなかったでしょうが、日本から参加したメンバーとあわせて交流を深めたということもあったようです。

 ウォーキングという国際的なスポーツを通じて、日本と韓国の交流親善が図られ、しかもこれで交流人口ができてきて、鳥取のウォーキング大会に韓国から参加しようとかいうことになっていきますと、いろいろと交通のほうでも乗客がふえるとか、そうした効果も出てくるわけです。したがって、ぜひこの日韓ウォーキングの動きを我々としても促進していきたいと思います。今回は大会の関係者、日本海未来ウオークの関係者が大変に御尽力されましたし、それから地元の赤碕では田中前町長さんとか、いろんな方々が私財もはたいて加入していただいたそうで、大変にありがたいことだったと思っています。我々としては、先般も李康玉会長から要望がありましたが、これからも引き続いてぜひ応援をしていく体制をつくっていきたいと思います。

 何年に1回こういうウォーキング大会を日韓でやるかというのは、関係者の間で今調整をしているようですがも、その動きをフォローして、我々も応援していきたいと思います。
 

●副知事答弁

 
 日本海未来ウオークは毎年のように声をかけていただいており、ことしは2日間のうちの初日の5キロに参加しました。10キロ歩いた年もあります。たしか伊藤保議員とも御一緒した年もあったように覚えています。

 全国から非常に多くの人が参加されており、ゼッケンで確認すると、あんな遠いところから来ておられるのだなということを感じるところです。もちろん健康づくりということもありますが、歩きながら自然を楽しんだり、歴史を感じたりということで、一番よく感じるのは、本当に多くのボランティアの人に支えていただいていますし、特に大会が定着してきたのか、町の人からのお声かけが多くて、あいさつもしながら歩いていますし、中にはあめ玉を配っていただく方もあって、頑張ってくださいということだと思っています。

 また、ことしは途中で牧田家に立ち寄るような感じがあり、非常に倉吉のまちの中に溶け込んでいると思っています。天候に恵まれて非常にさわやかだったと思います。第10回ということで、本当に全国から多くの方が来ておられましたし、知事が申し上げたように日韓ピースウォーキングというのもありました。私も2年前の2月に原州にウォーキングに行ったことがありますが、非常に原州のまちにウオーキングが溶け込んでいると感じているところでございます。

 県としてもウォーキング立県を推進していますし、県民参加型の19のまちを歩こう事業というのもやっています。私もこのたびウォーキングパスポートをいただきました。今年度は岩美町でのジオウォークの大会もありましたが、みずからの健康づくりのため、他の市町村のウォーキング大会にも参加していきたいと思っています。
 

<ウォーキング立県について>bQ

 
 16年前、日本からウォーキングを学んだという原州市の大韓ウォーキング連盟は、昨年の10月、原州市で3万5,500人が参加した国際ウォーキング大会を開催したということで、韓国のほうが今ではウォーキングが普及し、多くの皆さんに親しまれているそうです。健康立県を大きなテーマの一つとして取り組まれている平井知事ですが、まだ取り組みされていない町村が4町村あるようですが、このウォーキングを倉吉を中心とした中部地区だけでなく、全県的に取り組みをもっともっと、もう少し取り組みの展開を広げられてはどうかと思いますが、知事に所見をお伺いしたいと思います。

●知事答弁
  
 お話のように、中部ではすべての市町村でウォーキングの大会が開催されていますが、東部と西部でまだそういうイベントがないところもあります。その辺は我々としても応援したいと思っていて、ことしは実施経費の3分の1を助成するということも含めて、そうした掘り起こしのほうに向かっていきたいと思います。今では県内で非常に名前の売れたウォーキングも出てきました。例えば大山の大助・花子ウオークですね、これも年間1,000人の人が参加するとか、境港のほうのウォーキングもこのたびふえてきていますし、そうしたいろんな大会が県内では出てきています。

 鳥取県は歩くのにすがすがしい景観もありますし、また歴史とか町並みを歩いてみて、初めて発見できるようなおもしろさがあったり、そういう魅力があると思います。大都会の人たちが日帰りであるいは泊まりがけで訪ねてみるのに、ウォーキングというようなツールも非常に有効だろうと思います。そういう意味で、健康づくりとあわせて、県内のウォーキングの推進を従来以上に強めていきたいと思います。

<ウォーキング立県について>bR

 
 今、ノルディックウオークというのがあります。これについて教育長にお尋ねしますが、ウォーキングの普及にあわせて、ノルディックウオークが今注目されています。ノルディックウオークとは、クロスカントリースキーの選手が夏場の体力維持、強化トレーニングとして行ってきたスキーウオークをストックのようなポールを使った簡単な歩行運動として発展させ、運動効率のよさから、約10年前、フィンランドから世界に広まり、現在では700万人以上の愛好者がいると言われています。

 このノルディックウオークは、全身の筋力の90%を効率的に使用するため、短時間で有効な有酸素運動が得られると、生活習慣病の予防から競技スポーツのリハビリ、レクリエーションとして注目されています。私も5キロコースでノルディックウオークに挑戦しました。上半身も使うため、そしてまたスティックで歩くため、非常に姿勢もよく歩けます。私もつらさのない、心地よい汗を流しました。

 長寿県と言われる長野県、山形、岩手、青森、新潟県等では、次々にこのノルディックウオークコースが設定され、大会も開催されているようでます。県内においても、健康立県にふさわしい自然豊かなコースを設定し普及を検討されたらどうかと思いますが、教育長に所見をお伺いしたいと思います。

 また、最近、保育所の園児が余り長い距離の遠足に出かけられないということを私はよく聞きます。このことは小学生にも言えることで、運動が苦手な子どもでも気軽に取り組める歩育、これを学校現場の中でも取り入れられたら、と思いますけれども、教育長の所見をお伺いしたいと思います。

●教育長答弁

 
 実は、私も昼休憩にウォーキングをしていて、時々ストックを使って歩いていらっしゃる方もあります。スキーもないのになぜかなと思ったのでが、これが多分ノルディックだなと感じているところですが、平成17年度と21年度に県教育委員会が県内の1,500人の成人を対象に、県民の運動、スポーツに関する調査を実施しました。その調査によると、日ごろ行っている運動、スポーツは何かという質問に対して、2回の調査とも一番多いのはウオーキングと散歩でした。このところ市町村とかNPO等が主催しているウォーキングの大会が各地でふえていますが、こういうことを反映しているのではないかと思っています。

 ノルディックウオークの大会も昨年から三朝町とか湯梨浜町で実施されていて、参加者にも好評であると聞いています。

 ノルディックウオークのコースを設定し普及を図ってはどうかという御提案ですが、まずは今行われていますウォーキングの大会にノルディックウオークも参加できるように主催者に話をしてみたい。それから、県教育委員会で主催している県民スポレク祭の健康ウオークというのがありますが、この中でもノルディックウオークが参加できるようにしたいと思っています。

 今後、例えば古代の魅力があふれる妻木晩田遺跡で上淀廃寺跡とか、それから向山古墳とか、そういうところをめぐる一帯とか、あるいは船上山少年自然の家の周辺、大山青年の家の周辺、そういうあたりをノルディックコースとして検討してみたいと考えています。

 今の子ども達は確かに歩く機会が減ってきているというのは、私も実感してきているところです。各学校では、以前から遠足とかウオークラリーというものをやっていますが、そういう従来の行事に、今議員から紹介いただいた歩育の視点を加えれば、よりいい内容になると思っていますので、市町、学校に話をしてみたいと思います。

 学校だけではなくて、家庭や地域でもウォーキングを楽しんでほしいと思います。豊かな自然の中や町の中を親子で会話したり、地域の方々と触れ合いながら歩くということは、特に五感を全部開いて歩いていくことは、子育ての面でもよい影響が出ると思っています。県教育委員会では、県内の保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、特別支援学校の全児童の生徒の保護者の家庭に「とっとり夢ひろば!」という広報紙を配っていますが、この中でも歩育を紹介して啓発したいと思っています。