平成24年6月定例会一般質問(平成24年6月25日)No.1

<きのこ王国について>

 
 乾燥シイタケの栽培技術を争う第45回全農乾椎茸品評会が鳥取県立産業体育館で開催され、各部門の得点の総合得点で争う団体の部において、鳥取県が2年連続3回目の団体優勝を飾りました。また、個人では鳥取市の森栄伸さんが大葉厚肉の部で農林水産大臣賞に輝くなど、12人が入賞を果たし、過去にないすばらしい結果となりました。この大会には、全国各地のシイタケ生産地から345点の干しシイタケが大箱に詰められて出品され、厳しい審査の中で栄光をかち得たもので、生産者を初め、関係者の御努力に敬意を表するとともに、お祝いを申し上げます。
 特にこの3年間は準優勝、優勝、優勝と、これまで常勝の岩手県、愛媛県、静岡県を押しのけての成績で、名実ともに干しシイタケの鳥取県になり、平井知事の大好きな王国シリーズのきのこ王国に大きな金字塔をもたらしました。この快挙について、平井知事の所見をお伺いします。
 しかし、干しシイタケの快進撃は近年の成果であり、議員の皆さんを初め県民の皆さんには、まだまだ十分知られていない現状にあると思っています。生産者の皆さんにはさらなる栽培技術の確立に向け一層の努力をお願いする一方で、県民の皆さんにも、鳥取県の特産品として自信を持って知人へ紹介できるツールの確立や消費拡大を促進して応援すべきだと思いますが、知事の所見をお伺いします。

●知事答弁

 
 農業関係については、例えば先般倉吉の選果場がオープンということになりました。また、ナシでいえば今、東郷のナシの選果場などいろいろな懸案がありますが、伊藤保幹事長を初め民主党県連さんに非常にタイムリーにいつも国のほうに接していただき、県政の課題を解決していただいていることを、この場をおかりして感謝申し上げたいと思います。
 キノコについてですが、第45回の全農乾椎茸品評会について、日本きのこセンター等と、あるいは地元の大家さんを初めとした方々、そういう生産者の協議会の方々、いろいろな方々が大変力を合わせ、全農の大会ですが、全国からさまざまな参加者を集めて、このたび鳥取市内で開催されました。今議員のほうからお話があったように、鳥取県としては団体優勝を2年連続で遂げることができました。これもひとえに関係者の皆様の日ごろの大変な御尽力と御努力のおかげだと敬意を表したいと思います。

この関係ですが、森さんが優勝されて、細田さん、影山さん、渡辺さん、上谷さん、そうした方々が準優勝に当たる林野庁長官賞を射とめるということになりました。ルールとしては、2年連続しか県としての優勝を認めないというルールになっていますので、来年は一休みということになりますが、個人での参加がなお一層図られるということになるだろうと思います。
 私も拝見しましたが、どれも芸術品のような美しさです。そうした技術が鳥取県の中でずっと育てられてきたこと、非常にすばらしいことではないかと思います。
 シイタケは鳥取県としても重要な品種だと思います。シイタケについては、鳥取県にはほかにはない研究施設があり、そして大変な情熱もあります。県としてもこれまでも、例えば研修事業をやっているのは岩手とか愛媛とか限られた県ですが、鳥取県もそういう研修事業を手がけており、今回、準優勝に当たる林野庁長官賞に輝かれた細田さんも平成17年の研修プログラムに参加をされた方です。こういうように、順調な成果を上げてきていることなどもあるかと思います。
 また、この議場でも議論があり、ほだ木の造成とか、そうしたことを鳥取県独自でもやっていて、国のほうの各種施策の応援もいただきながら進めているところです。
 ただ、議員のほうからも販売促進というお話がありましたが、確かに今、シイタケは難しい状況があります。これは東日本大震災、3月11日の発災以降いろいろな被害が出ていますが、風評被害という目に見えない被害があります。これがシイタケについては席巻していまして、鳥取県産のシイタケもその余波を食らっている状況です。
 最近の動向を見ると、いっときは中国産に押されて大分値が下がった時期がありましたが、平成19年以降は一貫してキログラム当たり4,000円台をキープしていました。そういう意味でシイタケの復調があり、多くの参入者が戻り始めたところだったわけです。ところが、平成23年については3,800円ぐらいということで値を下げる格好になりましたが、これは鳥取県だけでなく全国がそうです。今回の品評会も全国的なバイヤーの方もいらっしゃいましたが、バイヤーの方も壇上から、今値段的に厳しい取引にならざるを得ないということのおわびというか、無念の言葉がありました。そういう意味で震災を乗り越えて、もう一度シイタケというものを復興させていかなければならない、そういう隠れたテーマがあると思います。その意味で、鳥取県としても今回、2年連続の優勝に輝いたこともあり、菌興椎茸協同組合とも連携しながら、販路拡大をしっかりと図っていきたいと思います。
 今までも一緒になって、東京のアンテナショップとか、あるいは関西でもそうですが、そういうシイタケのイベントをやって、いろいろと販売促進を図っているところですが、今回、金字塔を打ち立てたということもあります。議員の御指摘もありますので、ぜひしっかりとした取り組みを関係者と一緒にやっていきたいと思います。

<きのこ王国について>bQ

 
 全農の乾椎茸品評会の開催とあわせて、きのこ王国とっとり県フェスティバルが同じく産業体育館で開催され、私も訪れてみましたが、本当に多くの家族連れの皆さんでにぎわっていました。先ほど知事からありましたが、農林水産大臣賞や林野庁長官賞を受賞した干しシイタケが会場にも展示してあり、本当にとても見事なできで、議員の皆さんにもすべて見ていただきたいと思うぐらい芸術的なものでした。私もつい見入ってしまいましたが。中でも干しシイタケ栽培に新規参入された、伯耆町の女性が林野庁長官賞を受賞されたということは、私は本当に大いに評価されるべきで、新規参入者の大きな励みになると思っています。

 しかし、このように高い栽培技術でシイタケ栽培され、鳥取県の干しシイタケがブランド化する一方で、県内でもシイタケ栽培者は年々減るという課題に直面しています。ここでも後継者の問題が浮上してくるわけですが、この対策についての知事の所見をお伺いしたいと思います。
 さらに、後継者の問題と並行して、市場の期待にこたえるために生産量をふやし、安定的に一定量を供給することが一方では求められています。今後の生産目標と目標達成のための施策についてお伺いしたいと思います。

●知事答弁
 
 議員のほうからも話があったように、すばらしいキノコが展示されていて、私も生産者の方と意見を交わさせていただきました。どういうところに気を使われたのか、特に気候が悪かったですから。そうしたら細田さんはちょっと謙遜されながら、たまたまビニールの被覆とか、そういうタイミングがよかっただけですというようなことをおっしゃっていました。実は鳥取県の一つのやり方として、トラロープでビニールで覆うという、ビニール被覆という鳥取県独自のやり方をしていて、開閉もしやすいですし、また、それによりほかのいろいろな費用の節約とか、あるいは発生を促進するとか、そうした効果もあるわけですが、こうした独自の技術を地元で育てて、それが普及してきたことが今回のことにつながってきたと思います。あわせて、後継者対策で地道にやってきた、そういう教室などが花開いてきたということだと思います。そうしたことを通じて、後継者の育成や目標達成を図っていきたいと思います。

●西山農林水産部長答弁
 
 これまで鳥取県のほうでは、新規生産者の育成のために原木シイタケの新規生産講座という講座を平成17年から設けています。これまで7年間で142名の方が終了して、76名の方が生産を開始しています。これは全国的にも非常に少ない取り組みというふうに聞いています。
 今年度は従来の対策に加えて、ほだ場づくりの支援対策、それから原木の安定供給対策等を加えた、まさに原木シイタケ日本一産地づくり支援事業という名前をつけて、本年度の当初から向かっているというところです。
 また、部内のプロジェクトではありますが、外部の生産者等を加えたシイタケの部会というのを設けていて、「食のみやこ」のプロジェクトの中でも対策を進めていくようにしているところです。
<きのこ王国について>bR

 
 県内には菌蕈研究所や鳥大の菌類きのこ遺伝資源研究センターと、他県にはない非常に高度な専門研究機関があるわけですが、このたびの結果を受けながら、県としてどのように連携されていくのか、そのかかわりについて改めてお伺いしたいと思います。
 また、2年連続した鳥取県の干しシイタケを、やっぱりもっともっと私はPRすべきだと思います。例えば東京のアンテナショップに2年連続鳥取県の干しシイタケ全国優勝というような垂れ幕とは言いませんが、垂れ幕ですかね、のぼりでも結構ですが、もっとやはり積極的に、自信を持ってPR方法を検討していただきたいと思っています。知事の所見をお伺いしたいと思います。

●知事答弁


 菌蕈研究所については、今ずっと増築されていて、きのこ遺伝資源研究センターの新しい棟も完成して、大分体制が整ってきました。今回も優勝した背景には、こうした地域のバックボーンがあったと思います。これまでもいろいろな研究で連携をしており、例えばカシノナガキクイムシが食べる、入っていくナラ菌とお互いに張り合うような形になり得るので、シイタケを植菌して、そうした枯死対策を進めるというようなことも今実験しています。これについては、京都だったかでやってみて、こういうデータがあるのではないかという話があり、本県でも今その実証研究をしようとしています。あるいは、高級食材となり得る松露についても、これも松露と、それが感染しやすいというか、入り込みやすい苗木、この関係を今調べています。こういうような連携の研究を今後ともやっていければと思います。医薬品とか健康食品とか、そうした単なるおいしさだとか発生の割合という以上の研究テーマも可能だとお伺いしていますので、協調していきたいと思います。
 次に、提案をいただいたので、東京のアンテナショップとも相談してみたいと思います。垂れ幕をかける場所はちょっとないかもしれませんが、ただ、店内で2年連続優勝だとか、そういうPRグッズを置いてみるとか、また、記念興行というか、2年連続優勝ということをPRして、首都圏で発信するようなイベント仕立てのことをやるとか、ぜひ考えてみたいと思います。きのこセンターでは垂れ幕を今月ぐらいにかけるというお話も伺っていますが、ぜひこの機会にシイタケの聖地として我々も認知度を高めていきたいと思います。
 実は、シイタケの生産が盛んだったのは特に岩手でしたが、福島もそうですが、今は風評被害で取引が成り立たないような状況もあります。そういうことですので、鳥取県がここは元気を出して、日本のシイタケの力を発揮をしていけるようにしたいと思います。
 

<きのこ王国について>bS

 
 本当に干しシイタケすばらしい成績でした。知事は森林・林業総室の職員をねぎらったのか、ちょっとお尋ねしたいと思いますが。まだまだ課題はあるにしても、2年連続という、知事の好きなきのこ王国に金字塔を打ち立てたわけですから、やっぱり知事、おごれとは言いませんが、職員の皆さんをもっともっと褒めてあげてください。私は褒めるべきだと思います。