平成26年6月定例会一般質問(平成26年6月20日)No.2

<ドライバーにやさしい鳥取県>
 

 姫鳥線の鳥取自動車道が昨年3月25日に全線開通したのを初め、山陰道の名和−赤碕中山間も昨年12月21日に開通し、これらの道路を利用される方が急激にふえてきました。この5月の連休も、多くの県外者がこれらの道路を利用して来県されていました。

 ところが、通常の有料高速道路と異なって、無料高速道路のパーキングエリアや道の駅には電気自動車の充電施設はあってもガソリンスタンドはなく、たまに燃料切れの車両を見かけることがあります。無料の高速道路はそんなに延長がないことから、ガソリンスタンドがないのかもしれませんが、高速道路を利用して来られた県外者には、無料の高速道路などなじみは少なく、有料の高速道路の延長だという感覚ではないでしょうか。
 県警に燃料切れによる事案対応数を照会したら、米子道、鳥取道、山陰道で平成25年が36件、26年は4月29日時点で12件発生しています。現実はもう少し多いでしょう。
 片側一車線の高規格道路においては、一つ間違えば大事故や大渋滞の原因にもなりかねないことだと思います。特に、近ごろは燃油の高騰から満タンにしないドライバーも多く、ガソリンスタンドを探すうちに燃料切れになる事案もあるようです。
 ところが、山陰道を走ってみると、5月の連休中は名和にある電光掲示板に、山陰道にはガソリンスタンドがありません。早目に給油しましょうと表示されていましたが、平日には表示はされていません。
 山陰道の入り口に看板でも立てて、県外者の皆さんに優しい対応、安心してドライブができる環境を整えるべきだと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。

 
●知事答弁

 

 これについては大分環境が変わり、議員御指摘の山陰道では、実に100キロメートルを超えるルートが赤碕中山、東伯大栄のところから出雲のほうまで、ずっとつながったわけです。実はもっとつながっていて、その先にずっと中国道のほうまで、松江道経由なども考えると、安佐のインターから大栄東伯のインターまでだと200キロメートルを超えるルートがガソリンスタンドがないということです。
 そういうようにガソリンスタンドがないところがふえてきています。実はこれ、例えば岡山道でもガソリンスタンドが閉鎖されたりして、有料のNEXCOのほうでもガソリンスタンドが順次なくなってきているということがあります。私どもは無料の高速道路で、有料だとサービスエリアがあって、きちんとガソリンスタンドが路面といいますか、道路に接続されているのですが、そういうような体制がとられていないということで、その辺はやはり注意喚起が必要だということになります。
 議員がおっしゃるように、今、電光掲示板等で補充的にやっている感がありますが、例えば智頭のほうでは、ここからおりてガソリンスタンドで給油したらどうですかと言わんばかりに看板を立てさせていただき、こういうメーカーのガソリンスタンドがここにこんな感じで分布していますよというのがわかりやすく表示されています。これは実験として国土交通省に取り組んでいただいたところですが、あれが比較的評判がいいと思いますので、そうした仕掛けを、山陰道のほうでも展開すべきではないかと思います。これは管理者が国土交通省になりますから、国土交通省とよく協議させていただかなければいけませんが、少なくとも何らかの形で結果が出るように県のほうでも代替でやらせていただくことも可能かと思いますので、よく協議をさせていただきたいと思います。

<ドライバーにやさしい鳥取県>bQ

智頭にあるのは私も知っています。この前行ってみました。
 ただ、本当に、今、高速道路を走っていて、とにかくスタンドがないのです。ですから、要するに、下道の旧9号線もないのです。早いところは夜の8時、もう10時になったらほとんどスタンドはあいていないのです。私も鳥取から帰るときに、赤いランプがともったら、帰れるのかなと思って極めて心配しています。例えば県外者が、いわゆるパーキングでおりて油入れてくださいと言われても、なら本当におりたところでガソリンスタンドが見つかるかといったら、日中ならある程度走ればあるでしょうが、夜はほとんどない。ガス欠起こすしかないと本当に思います。
 鳥取県においでください、おいでくださいという一方で、この現状をどうしていくかということも改めて私は大きな課題だと思っています。
 ドライバーに優しい鳥取県ということでもう1点。それは、琴浦のパーキングエリアです。駐車場と物産館ことうらとの間に広いイベント広場がありますが、イベントは年数回。駐車場から物産館ことうらまでの距離は、東側で60メートル以上あります。利用者には大変不評です。屋根つきのトイレに近いところから物産館に行こうとすると、通路を通っても、100メートルもありませんが、端のほうまで行こうとするなら、100メートルも歩かなければなりません。特にお年寄りの皆さんには評判がよくありません。さらに、マイクロバスの駐車場からは距離があります。なおさら不評です。
 雪の日、私も行ってみました。除雪もされていませんので、誰かが通ったわだちを次の人が歩き、踏み固められた道ができていますが、革靴ではとても無理です。ですから、お年寄りの皆さんには不評ということです。
 したがって、ドライバーは駐車場に近いトイレ側のほうに車をとめ、トイレ休憩だけして帰られる方が冬は大半でした。中には、車からおりることもなく移動するドライバーもありました。
 特に、名和−赤碕中山間が開通してからは、交通量も格段にふえ、5月の連休中などは駐車場が不足していました。ふだん余り使わない広いイベント広場を駐車場に活用することにしたほうが、利用者の皆さんは大変喜ばれると思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。

●知事答弁
  
 ガソリンスタンドについては、議員がおっしゃるのも非常によくわかるところで、私自身も子どもの都合でちょっと遠出のドライブをしたときに、夜中の12時ごろに、これは中国道ですが、ガソリンがついに赤ランプになって慌てたことがありました。それで院庄でおりて、ふだん入れたことがない三井というスタンドがたまたまあいていて、そこで入れて何とか帰ってきたということもありました。そういう冷やりとする経験はどなたもお持ちだと思います。
 ですから、絶対にやらなければいけないことだと認識していますので、何らかの出口を国土交通省とも相談して探してみたいと思います。確かにあいていないところもたくさんあるはあるのですが、あいているところもあるので、営業時間を示しながらボードで見せてあげるとか、そうしたことも必要かと思います。
 無料の高速道路なので、有料のものと違い、おりるのはそんなに心理的抵抗はないはずです。おりてもらえば、ガソリンのついでに御飯食べて、また上がってもらってもいいわけですので、そういう意味では琴浦のグルメストリートとか、そういうところの誘導看板などとあわせながら、ガソリンスタンドの案内をすることも可能なのかなと思います。
 山陰道沿線でいえば、大山のインターチェンジの所子のあたりは、ガソリンスタンドが結構集積しているところがあったりしますし、もちろん赤碕中山や、あるいは琴浦東等々でも、少し町中のほうに2〜3キロメートル走ってもらえばガソリンスタンドがたくさんありますので、そうした状況をよく示しながら対応してもらうようにしたいと思います。
 次に、琴浦のパーキングエリアについてです。 私もあそこを時々利用させていただきますが、確かに雨が降るとちょっと心配ですよね。仕事柄、背広に革靴で歩いていますから、そういうのも感じるわけですし、正直、お年寄りや子ども達のことを考えると、駐車場から少し遠いので、それも何であんな彼方につくるかな、と思える感もします。
 実は、今までの経緯があるようです。たまたまおとといぐらい、山下町長と一緒になる機会があり、琴浦町長とお話をさせていただいたときに、このパーキングの話題になりましたが、非常に今繁盛していると。繁盛しているというと、ちょっとまた営業防害になるかもしれませんが、もうかっているみたいで、開通して4割ぐらい売り上げがふえているということで、入居しているテナントさんも大変に喜んでおられるそうです。
 ただ、おっしゃったのは、やはり遠いということです。実はあそこに物産館をつくろうとしたそうなのですが、それがいろんな事情でつくれなかったので、町のほうで協力をする形で、それから少し引っ込んだところに物産館を建てたことから、ああいう形状になってしまったという経緯があるそうです。
 それはそれでわかるのですが、ただ、現状、大分駐車場も満杯状態が見えてきていますので、国土交通省にも何とか理解してもらって、あそこに車をとめられるような形がいいのではないかと思います。もちろんイベントスペースがあってもいいとは思うのですが、もう少しせり出していけるようなことも対応可能ではないかと思いますので、これは国土交通省とよく協議させていただきたいと思います。
 ただ、国交省側は、町長さんともお話ししましたが、いろんな経緯もあって、なかなかそう簡単ではないかもしれません。特にやはり駐車場のことですから、必要かどうかということで、実際にその駐車場にとめられる車がどれほどあるかを見きわめなければいけないと。そういう調査もなければならないと思います。
 そんなこともありますので、国交省なりの検討もいただく必要がありますが、地元として、町と一緒にこの辺要望させていただきたいと思っています。

<ドライバーにやさしい鳥取県>bR

 松江尾道線も新しくできた高規格道路ですが、走ってみると、やはり3カ所ぐらい、例えば横断している道路の陸橋のところに横断幕がついたり、それから、この道路には給油所がありません、早目に給油しましょうという看板が道路の辺に3カ所ぐらい立っています。そういう細かいところは、本当にそんなに経費かけなくてもできると思うのです。もう少し何かドライバーに優しい対応をしてほしいと思っています。特に鳥取県の場合、旅館の関係者の皆さんも含めて、観光の心はおもてなしというキャッチフレーズで、非常に誘致に取り組んでいるわけですが、ぜひとも鳥取県を初めて訪れるドライバーの皆さんに対しても、鳥取県はわかりやすいね、親切ですねという環境をつくっていただきたいと思います。
 もう1点、琴浦のパーキングエリアですが、確かにオープンして間もない施設です。ですから、今、駐車場を改修する、新たに投資がかかるということは、やはり非常にお役所仕事といいますか、行政的にはそれなりの理屈がないとなかなか改修できないということはあるかと思いますが、そうはいっても不便なものは不便なのです。お役所のための施設ではないのです。利用者のための施設なのです。ですから、私が言うのは、少し発想の基本が違うのではないですかということです。やはりそういうところを知事もしっかりと認識を持っていただいて、国交省と、特に管理者ですので、ぜひとも整備していただいて、ドライバーの皆さんに優しい鳥取県ということをしっかりアピールできるように汗をかいていただきたいと思います。

●知事答弁


 議員のほうからお話があったように、私どもとしては、ようこそようこそ鳥取県というおもてなしの県としてアピールしていかなければ、観光のパイをふやしていくことはできないと思います。ガソリンスタンドについても、せっかく夢のような時を鳥取の大自然の中で優しい人たちと交流をして得ていただいたものが、結局ガス欠で吹っ飛んでしまったということになっては元も子もないわけです。

 これについて、私は、国土交通省を初めとした、NEXCOさんもそうかもしれませんし、そうした道路関係者も同じように道路による観光を推進しようという立場でしょうから、理解いただけるのではないかと思います。精力的に交渉させていただきたいと思いますし、県のほうで看板を立てることも視野に入れて、私どものほうなりのことをさせていただきたいと思います。
 結局、下道周辺のそういう地域振興と、その高速道路とが結びつかなければなりません。これからますます通過していく交通がふえるようになるかもしれませんが、ただ、幸いなことに無料の高速道路区間ですから、ここはおりてもらって一服してもらうと。いっぱい観光地もあるので、何だったら一服どころか一泊してもらうと。そういうように我々もマインドを切りかえなければいけないと思います。今までは下道を走ってもらう観光でしたから、ガソリンスタンドの心配もなければ、さっきのパーキングエリアの心配も余りしなくてよかったのかもしれませんが、時代が変わるので、その時代に即応して私たちも体制を推移させる必要があります。
 パーキングエリアの件についても、利用者本位に考えるべきものです。これはいろいろ国交省なりの事情はあると伺ってはいますが、私どももそこはしっかりと折衝させていただいて、地元の利用者、観光客の利用者に不便がないように、今後展望を開かさせていただきたいと思います。具体的に少し理屈も考えながら、町と共同で早速要請活動に動きたいと思います。