<国体の総括と今後の取り組みについて> |
和歌山県一円で開催された紀の国わかやま国体で、ことしも男女総合成績、天皇杯得点で昨年度の38位から2位順位を下げたものの、40位と大健闘したと思います。中でも女子総合成績、皇后杯得点では30位と、女子の活躍は特筆すべき結果であると私は思います。全国一の人口最少県ながら、しかもクラブチームを抱えるような大企業もなく、高得点を獲得する団体競技での入賞が余り見込めない中で、これらの成績は高く評価すべきものと思います。少年だけの全国的なデータがあるのかないのかわかりませんが、男女とも少年の活躍はここ数年、着実に結果としてあらわれ、目をみはるべきものがあります。各競技団体が少年の選手強化に一丸となって取り組んできた結果だと思います。知事並びに教育長に認識を伺います。
きょう傍聴においでの船上小学校は、昨年の4月、成美、安田、以西の3小学校が統合して新たに誕生した小学校ですが、皆さんの先輩には、リオオリンピック出場を決めた川中香似「さんを初め、ことしの夏、レスリングの世界選手権に出場した前田拓也さん、全日本実業団陸上男子やり投げで準優勝した高力裕也さん、さらにそのほかにも数多くの選手が現在、全日本のトップアスリートとして大活躍されています。そうした中、平成25年11月議会で、当時の横M教育長と2020年の東京オリンピック・パラリンピックを視野に置きながら、子ども達の能力や可能性を引き出す取り組みをしたらどうかという議論の中で、昨年度から、チーム鳥取!発掘・育成事業が、当時の小学校5年、6年生及び中学校1年生を対象にして取り組まれてきましたが、1期生の取り組みについてどのように総括されているのか、平井知事にお伺いします。また、来年度以降はどのような取り組みを展開されていく予定なのかお伺いします。
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●知事答弁 |
議員のほうから御指摘があったように、船上小学校がある琴浦町からは、今、以西の方で体を鍛えられた川中香似「選手が見事にオリンピックへこまを進めることとなりました。鳥取県を挙げて応援したいと思います。また、前田選手や高力選手など、そうした有望な選手もいらっしゃって、いわばスポーツのメッカであろうかと思います。考えてみると、かつて小林繁投手を輩出したのも、あの旧赤碕、別に一緒に野球をしたわけではないのでしょうが、小林投手もいらっしゃったわけですが、あの小林選手の場合は、由良育英時代、確かにはピッチャーではあったと思うのですが、それほどずば抜けたピッチャーというわけではなかったようにも承っていますが、巨人に入って非常に体も鍛えられて、鋼のような体をつくられたと。それが有名になったのは江川卓投手とトレードになったことでしたが、むしろトレードをしたときに、江川君も頑張ってくれというエールを送られて阪神へ向かわれたのが非常に潔く、さらにすばらしかったのは、行った先で22勝を上げて沢村賞をとられたわけで、むしろトレードした江川選手よりも俺のほうが活躍したのではないかと言いたげな存在だったというのが人々の記憶に残るところです。このように琴浦町はスポーツのメッカで、これからもいい選手を目指して活躍していただければと思います。
このたびの国体、これは和歌山県で開かれました。その結果、40位ということでしたが、実は少年と、それから大人の成年、「成年」と言いますが、成績がやはり議員がおっしゃったように際立っていて、少年のほうで言うと、男子が37位でしたが、成年のほうだと47位ということですので、これは少年のほうの活躍が引っ張ったわけです。また、女子も少年女子が24位で、こういう成果が確かに鳥取県のスポーツのレベルを上げているわけです。これは若い選手たち、学校にまだ通っている選手たちの活躍が目立っているわけで、例えば弓道とか相撲とか、それから山岳競技、クライミングだとか、自転車、いろいろな競技団体も頑張っておられますが、自転車もそうですし、そうしたところでそれぞれに若い選手が育ったことです。それを支えている指導層も、非常に歯を食いしばって選手たちを支え、育てていただいていることに感謝を申し上げたいと思います。これからもそうした指導者の方の指導しやすいような環境づくりだとか、子どもさんがさらに伸びていく環境づくりをしなければいけないと思います。
そういう意味で、チーム鳥取!発掘・育成事業というのを始めたわけでした。これは、東京オリンピックが決まり、その東京オリンピックで活躍するような選手が鳥取県から出てもいいのではないだろうか。恐らくそこにちょうど照準が合う世代の若者たちにすれば、大きな夢を勝ち取るチャンスかもしれません。ですから、そういう意味で、特別な育成プログラムもこのタイミングでは用意しようではないかという考え方のもとに、チーム鳥取!の事業を始めました。今2年目ですが、基礎体力のデータを見ると、始める前と今とで伸びています。これは、やはりそういったトレーニングの成果があらわれているのだろうと思います。これから実際にどういう種目で頑張るか、それを決める時期に入っていて、今、そうした最終段階を迎えています。
今後は、オリンピックを目指す世代、中学生や高校生も目指せるわけで、そうした世代も活躍できるような支援体制を新年度予算以降にまた組んでいきたいと思います。チーム鳥取!の世代が一つの世代なのですが、その上の世代も当然オリンピックに出ていける世代でしょうし、そうしたところも含めた強化対策を拡充したいと思います。また、チーム鳥取!の第2期生も募集し、オリンピックに間に合うかどうかということになるかと思いますが、将来に向けてこういう経験をして、立派なスポーツ選手になっていくような道筋を応援していきたいと思います。
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●教育長答弁 |
紀の国わかやま国体における鳥取県の成績は非常にすばらしいものだったと思います。競技得点で昨年に引き続き 300点以上を獲得するという大健闘をされたわけですが、中でも、その約7割近くを少年の活躍によって獲得するということで、その結果が天皇杯40位という結果となり、そうした結果を牽引していったのではないかと認識しています。特に種目別で優勝を果たした自転車競技とか弓道においては、天皇杯を獲得するというようなすばらしい活躍でもありました。冒頭でも個人等の優勝がありましたし、男女とも少年の活躍が目覚ましかったわけです。また、ここ数年入賞を続けている水泳あるいは山岳のボルダリングなど、各競技でも少年が結果を残し、加えて、今大会では、カヌー競技の少年男子の躍進もすばらしかったのではないかと思っています。
それぞれ指導者が、例えば学校における部活動とか、場合によっては学校の枠を超えて競技団体と連携しながら一貫して強化を図ってきておられて、その結果のたまものであると考えており、改めて敬意と感謝を表したいと思っています。来年は、インターハイが中国5県を中心に開催されるわけですが、鳥取県でも自転車、弓道、ホッケー、相撲の4競技を開催します。そうしたことも契機にして、さらに強化を行っていきたいと考えていますし、今後も引き続き関係団体、関係機関と連携を密にして、運動部活動を中心としたジュニア期の選手育成に努めていきたいと考えています。
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<国体の総括と今後の取り組みについて>bQ |
国体での少年の活躍、これは、県議会でも本当に多くの皆さん方が、少年の強化をしっかりすべきだという思いが、やはりそれぞれの各競技団体への大きな力になっていると私も思っています。9月県議会で申し上げましたが、より一層、質の高い指導者を確保して養成していただきたいと思っています。特に学校現場の指導者は、教員であれ、外部指導者であれ、多くの皆さんが本当に私生活を犠牲にしながら子ども達の指導を最優先しておられます。県としても、こうした涙ぐましい努力をされている指導者への支援、支援といってもそれぞれ競技団体によっていろいろ違うかと思いますが、やはり一代横綱ではありませんが、幾らすばらしい指導者であっても一代指導者で現場が終わらないように、それに続く指導者の養成、これに特に配慮をしていただきたいと思っています。改めて知事の認識をお伺いしたいと思います。
チーム鳥取!発掘・育成事業で、やはり一番大切なのは、すばらしい原石、これを発掘しても、最終的には、いわゆる競技種目とのマッチング、さらには、どうやって磨きをかけるかということなのですが、他県の例でも、本当にうまくマッチングをすればとんでもない結果を残すということが実証されているわけで、県としては、そのマッチングについて今後どのようにされるのか、お伺いしたいと思います。
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●知事答弁 |
まず、指導者ですが、今、鳥取県では、自転車競技でも、あるいはアーチェリーでも、結構学校も超えながら、それも中部や西部を乗り越えるべきときは乗り越えて、いろいろな形で連携しながら協力し合って指導体制が築かれてきており、それに例えば倉吉の自転車競技場の再整備など、いろいろとハード面なども県としても応援をするような形で、うまい形で動いている。これが指導の向上につながり、子ども達のスポーツ力の向上につながっている面があるわけです。ただ、かなめとなるのは、やはり指導者のところで、今、場合によっては海外も含めて優秀な指導者をお招きして、あるいはそうした指導の技術研さんの場に派遣したりして指導力の向上を図っているところですが、そうしたことをなお一層、今後も強化していく必要があると思います。
ただ、先般、国体の総括の会があったときに私も御意見を伺いましたが、学校の先生の立場で指導者をされている中には、やはり多忙感が強くて大変だと、その辺、配慮してもらいたいという声もありました。教育長もそれを一緒に聞いておられましたが、ぜひそうした意味で、指導環境に配慮してもらえるような、例えば授業の持ち方だとか、そうした工夫も一つには必要なのではないかと思います。また、今はある程度ボランティア的にやっていただいている指導者も多いわけですが、実は1回幾らというような指導料があるのも、また事実です。これを予算上、頭打ちしているところもあったりして、なかなか指導者に頼みにくいという状況も生まれているようですので、そうした指導料の上限枠についての見直しだとか、現場の声に従った形で改善すべき点は今後も改善していきたいと考えているところです。
チーム鳥取!これはスポーツのほうから振興監からお話させていただきたいと思いますが、川中選手もそうでしたが、もともとはアーチェリーはやっていなかったのです。しかし、米子の学校に通い始めて指導者と出会い、仲間と出会いアーチェリーを始めたところ、見る見るうちに急成長したということがありました。ですから適切な競技とのマッチングが大事なことは疑いないところです。それで、それぞれの競技種目ごとに、例えばどこの筋肉をよく使うとか瞬発力が必要だとか、いろいろと必要な技量というのがあります。これとそれぞれの子どもの特性とをマッチングしながら、そういうことを考慮に入れながら選択していくということで、この辺、今、注意深く最終段階でそうした作業をしているところです。
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●スポーツ振興監答弁 |
チーム鳥取!発掘・育成事業ですが、今年度34名の子ども達を対象にプログラムを組んでいます。最近11月23日に保護者も含めて相談会を実施し、これからの競技決定に向けていろいろと話をしているところです。今後、子ども達の体力の状況等について、本人や家族にも話をしながら、どの競技が向いているかというようなことを、年明け以降話し合い、最終的に本人の最も適した競技を選考するように考えています。
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