平成28年11月定例会一般質問(平成28年12月12日)No.2

<県庁の職場の環境改善について>
 
 鳥取県政のエンジンである県庁第1庁舎、第2庁舎、議会等で働いている職員の皆さんは、正職員が 1,259人、非正規職員が 272人で、日々業務をされています。
 職場における労働環境とひとえに申し上げてもいろいろあります。仕事の本質そのものというよりも、職場で働く職員を取り巻く周りの状況を意味しており、暑さ・寒さ・明るさ・暗さ・静かさ・騒がしさ・広さ・狭さ・清潔さ・不潔さ等、物理的な環境から心理的な環境までさまざまな事項を上げることができ、労働安全衛生法では事業主にその努力義務が定められていますが、県庁では、何に重点を置き、職員の労働環境の整備に努められているのか、知事にお伺いします。
 また、県庁挙げて環境に優しい県庁率先行動計画に取り組まれています。県庁における現行の電灯並びに冷暖房の運用状況と省エネ実績についてお伺いします。
 
●知事答弁

 
 
これについては、労働安全衛生法の規定もあります。職域の委員会を設置したり、それから外部の方の見識もいただきながら、対策を常時進めさせていただいています。例えば、6月には職域の委員会等で全庁見回りをするということで、90ぐらいの職場の点検にみんなで入りました。そういう中で、例えばこれがあるとちょっと転んで危ないかもしれない、そういうものを片づけなければいけないとか、そうしたさまざまなアドバイスをして改善を図っていく、こうしたPDCAサイクルを常時回していかないといけないと思います。
 今、議員のほうからおっしゃった省エネ対策ということですが、県庁の一つの切り口というか、基準としては、地球温暖化対策で全国でも同様のことをされていますが、冷房では28度、暖房では18度という基準を持ち、その基準を超えるところで運転するという対策をとっています。ただ、これを補完する意味で、職場によってストーブを使ったり、また扇風機を使ったり、こういうことも同時に認めながら進めるということにしています。もちろんその辺の地球温暖化対策は、今度パリ協定が発効したので、これを進めていかなければならないという大義の部分と、それからもう片方で職員の安全確保や労働環境の確保、こうしたことはまた大切な課題で、この辺の調和を図りながら今後も対策をしっかりと進めていきたいと思います。

<県庁の職場の環境改善について>bQ


 知事は、多忙な日々で、夜遅くまで東奔西走されていますから、早朝の県庁については余り御存じないかと思います。先日、知事に頼まれたわけではありませんが、知事にかわり、朝の7時半過ぎから第一庁舎、第二庁舎を歩いてみました。既に何十人かの職員が出勤し、業務をしている人、新聞に目を通している人、いろいろでした。しかし、省エネという大義名分の中で、一部電灯が点灯されている課もありましたが、大半は薄暗い室内で、しかも厚着でパソコンに向かったりして業務をされていました。私の県庁イメージは、優秀な頭脳集団の組織でありながら、暗い、覇気がない、ただ明るくて元気がいいのは平井知事一人かなと私は思っています。
 申し上げておきますが、私はアンチ省エネではありません。省エネは小さな努力の積み上げであることは理解しています。先ほどの報告のとおり、県庁挙げての省エネ取り組みで、光熱費年間 162万円余りの削減をしていることは、金額の大小にかかわらず敬意を表しますが、業務の効率性の観点から本当に今のままでよいのか疑問を持ちます。業務効率を高めるということは、優秀な頭脳集団が持っている10の力を、10の能力を、いかに10に近い能力を発揮して日々仕事をしていただく労働環境をつくり出すかが、事業者、雇用者に問われている責任であり、納税者に対しての大きな責任であると思います。
 きょうは朝から会議があり、その準備もあり、頑張ろうと朝早く出勤した職員を、省エネだからといって暗い中で仕事させることが、業務の効率性と職員の意欲を高めることにつながるのか。ウォームビズといって以前、前田議員が言われたように、どてらを着て仕事をさせることが本当に健康的な職場なのか、また業務の効率性の観点から本当に効率性が上がるのか大きな疑問を持ちますが、知事の所見をお伺いいたします。
 

●知事答弁
 
 県庁職員の省エネ対策、御指摘のように、 160万円余りの節約ということにもつながり、大体従来よりも1割ぐらいカットできているということです。全財政から比べるとわずかかもしれませんが、ただ、これを職員皆でやっていることの努力は、それはそれで尊いことだろうと思います。
 ただ、これが結局健康を害するということは本末転倒で、議員の御指摘もありましたので、再点検をさせていただきたいと思います。例えば、廊下の消灯について、これは3分の2の消灯ということになっていますが、場所によっては3分の1の消灯とか、安全確保をさらに進める必要もあるかと思います。
 早朝など出勤した職員、これは従来よりもフレックスタイムの職員も今は出てきているところで、そうしたことも含めて、明るいところで仕事をするのは、それは労働安全衛生として当たり前のことです。今も実は必要な点灯はしていいということになっているのですが、その辺を徹底して、職員の皆様もそこは理解していただくように努めたいと思います。
 また、ストーブだとか、それから扇風機だとか、そうした手当てももう一度点検していく必要があるかと思います。どうしても空調は集中管理ですので、これを全部時間を延ばして動かすと、これはエネルギーの問題も、それからもちろん予算の問題も、両方同時にかかってき過ぎるところがあります。ですから、そこはひとつ工夫をしながら、やれる方策を考えていきたいと思います。 
 
<県庁の職場の環境改善について>bR


 県庁で働く職員の業務効率が、暑さや寒さ、暗い職場によって、たった1日だけで業務効率が1割下がったとすると、正職員だけでその損失額は県庁全体で 188万円になります。1年間の省エネ努力が、1日の10分の1のロスで吹っ飛ぶぐらいの金額です。省エネはどうしても取り組まなければならない行政の大きな課題ではありますが、省エネによって職員の業務効率や意欲が下がるということは、本末転倒でないでしょうか。ことしの冬至は12月21日、まだまだ朝晩が暗くなります。中でも電気代は年間の省エネ額の成果は24万円余り、朝暗い中、仕事で登庁した職員が少しは明るい職場環境の中で仕事ができる環境を認めることは、業務の効率ばかりでなく、知事も健康立県を進めたいと今議会でも答弁されていますが、その施策を企画立案する県職員の健康、特に目が悪くならないためにも見直しが必要ではないでしょうか。
 夏場は冷房が5時15分で切れます。しかし、近年非常に温度の高い日が続きます。30度以上の日が多くなる中で、残業する県庁はまさにサウナ状態で、汗だくだくの中での仕事です。もし省エネ対策として今後も冷房を切るなら、窓を網戸にして外の風が入るようにするなど対応をすべきと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。
 また、県庁を歩いてみると、ほとんどの課長席は窓際で明るいところ、主事や非正規職員の席は窓から離れ比較的暗いところです。さらにその席の周りにはプリンターやコピー機が置かれ、確かに冷房の吹き出し口の温度は28度かもしれませんが、30度を超えることも当たり前だそうです。計画運転の冷房26度、暖房22度を、県庁では省エネ運転として冷房28度、暖房18度にしているわけですが、現状は省エネという大義名分の中で職場の環境は余りよくないのが現状でないでしょうか。
 また、県では、家庭の事情などにより出勤は、先ほどありましたが、フレックスタイム、午前7時から遅い人は午後6時半まで、これも正規な勤務時間として出勤しているわけです、フレックスタイムを使っているわけです。フレックスタイムを認めている以上は、雇用者の責任として快適な業務ができるよう労働環境を通常の勤務時間と同等あるいはそれに近い環境を保障すべきと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。

●知事答弁

 
 
詳細は総務部長のほうからお答えしたいと思いますが、議員がおっしゃるように、職場の環境の確保、これは非常に大事ですし、いわば職務効率、生産効率に影響してくると理解しなければならないと思います。
 今のお話でも、例えば丹念に冷房、暖房の機器について点検したり、また場所によって違いがあること、そういうことも含めながら対策をとることも大切だろうと思います。また、時間帯による制限については、そういうストーブ等の補助器具の活用等々も呼びかけていきたいと思います。
 いずれにいたしても、今、パリ協定も発効して、トランプ大統領がこれをほごにするかどうかちょっとよくわかりませんが、ただ、日本の国としてはこれを守っていこうと、大きな流れが久方ぶりにできることになります。その流れを片方で実現をしながら、職員もいい仕事ができる、これを究極の目標として庁舎管理を進めてまいりたいと思います。

●総務部長答弁


 職員の勤務環境、これは労働安全衛生という観点、そして能率の維持という観点からも留意しなければならない課題だと考えています。
 組合の関係者の方にも御協力いただきながら、労働安全衛生法に基づく各種職域委員会、これは安全委員会であり、衛生委員会ですが、このようなものの取り組みを強化しているところです。職員の声も大事にしながら、各職場の職場環境、これを改善・向上していきたいと考えています。
 勤務時間外については、やはり省令との両立、あるいはエネルギー効率をどう考えるかといったこともあります。県庁の冷暖房の機械が全庁でコントロールされているというようなこともあり、部分的な対応が難しいといったような課題もあります。こういう中でストーブの使用あるいは扇風機の使用でしのいでいる、あるいは夏の夜の問題の御指摘がありましたが、窓をあけてやっているというのが実態です。夏は、勤務時間の縮減の取り組みも強化している時期ですので、できるだけ早く帰るような職場環境をつくっていくということも重要な観点ではないかと思っているところです。
 網戸の御提案もありましたが、実は県庁の断熱化、これは平成23年に完成しましたが、これをやる際に実は検討しましたが、非常に高い、7階まであるので、高層階における網戸の設置というのはさまざまな危険性があるので、現実的な選択肢でないということで整備の対象から除いたという経過もあります。
 このように検討していることもたくさんあるわけですが、現実的な選択肢を得ながら今後も引き続き努めていきたいと考えています。

<県庁の職場の環境改善について>bS


 県の中は、県道沿いの街路灯、これをLEDに一応今年度で全部終わる予定ですが、 4,000本、これで 4,000万円以上の省エネ効果が上がるということです。従って、県庁などはまだまだ古い電灯などがあるところがあります。少し新しい電灯にはなっているのですが、LED化にするとか、やはりそういうところを小まめに最新のものにしながら省エネを図ると。例えば、冷暖房機器にしてもそうです。是非ともやはりそういう取り組みをやってほしいと思います。

 ただ、私が気になるのは、昼休憩も12時と同時に、県庁全体消灯されます。まさに暗い中で職員は弁当を黙々と食べておられます。昔から腹が減っては戦もできぬと言いますが、私も一番気になるところですが、昼食というのが、仕事を励む職員のため、家族は健康を気にしながら、彩りも考えながら、心のこもったお弁当を職員さんは持って来られます。しかし、暗い室内では家族の思いというものを感じることはできない。食のみやことして食文化を標榜する鳥取県がこれかと私は思います。食も健康文化の一つ、せめて弁当を食べる間の15分ぐらい電灯を、電気を点灯できないのか、私は考えていただきたいし、それからいろいろ申し上げました。特に女性は男性より気温に敏感だと言われています。男女共同参画社会を推進し、そして女性の活躍社会をつくるという観点からも、もっとやはりあらゆる気配り、配慮が私は必要だと思います。
 職員の皆さんがもっともっと生き生きとして仕事ができる、そんな県庁づくりを知事としてはやはり率先して進めていただきたい。そしてみずから汗を流していただきたいと思いますが、最後に知事の感想をお伺いします。

●知事答弁


 全く同感で、目指すところは一緒だと御理解いただければと思います。もちろん大義としての省エネ対策、CO2の削減は進めていく、その率先垂範活動として県庁は取り組んでいる姿があることは、県民の皆様や企業にとっても影響力がありますので、それはしっかりとやっていきたいと思いますが、要はやり方なのだと思います。LEDの電灯等、効果的な施策が何であるのか、ワーク・ライフ・バランスをつくっていくこと、これをどういうふうに進めていったらいいのか等々、いろんな課題があるかと思います。
 昼の休憩のときの15分間ぐらいつけたらどうかということです。電灯で弁当をということかもしれませんが、電灯をつけながら弁当を食べろと、それも一つの考え方かもしれません。ちょっとそれは持ち帰って検討させていただきたいと思いますが、長谷川富三郎さんがおっしゃっていたように、手を抜けば手がかかる、一生懸命やることもあるわけですが、いろんな配慮をしながらしていかないと、最終的には結局ツケがめぐりめぐってくるかもしれません。もう一度点検させていただき、議員の御趣旨に沿いながら庁舎管理や職員の皆様の職場環境確保を進めていきたいと思います。