<改正道路交通法の周知について> |
この議場においでの皆さんは、ほとんどが普通免許並びに大型免許の自動車運転免許証をお持ちだと思いますが、中型免許を御存じでしょうか。中でも、普通免許と中型免許の違いを御存じでしょうか。
先日、私のところにこんな問い合わせがありました。息子が2トンダンプを運転していて速度違反で捕まりました。ところが車検証を見せたところ、普通免許があるのに無免許運転であることがわかりました。これまで一種免許の場合、自動車運転免許証は普通免許か大型免許の区分しかなく、その区分は車両総重量8トン、最大積載量5トン及び乗車定員10人で区切られていました。
ところが、平成19年の道路交通法の改正により普通免許と大型免許の区分の間に中型免許が新設され、最大積載量が3トン以上 6.5トンまで、そして車両総重量が5トン以上11トン未満と区分されることになりました。法改正前に普通免許を取得されている人は既得権として中型免許区分の車両を運転できますが、法改正後に取得された普通免許では車両総重量が5トン以上の車は無免許運転ということになります。
たまたま運転していたダンプは中型で、車両総重量が 5,035キロで35キロオーバーしていたのです。
せっかくですから車両総重量について説明しますと、車両総重量とは車両自体の重さプラス最大積載量、さらに乗車定員に55キロを足したものだそうです。しかし、誰しもこれまで普通車の範疇であれば、一々車検証を見てから運転する人はいないと思います。私からすれば、普通免許に既得権があるとするならば、古いダンプにも普通車という既得権があってもいいのではないかと思いましたが、法を知らないことは知らないでは済まされないことが身にしみてわかりました。
県警としては免許証の更新時に講習はされているかと思いますが、改めてそうした車を所有されている方に周知を図るべきだと思いますが、山岸県警本部長に所見をお伺いいたします。
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●警察本部長答弁 |
自動車の区分と運転免許の種類については、貨物自動車の大型化の進展に対処し、運転者の技能、四肢機能不足による交通事故を抑止するため、中型自動車、中型免許を新設する道路交通法の一部改正が行われ、平成19年6月に施行されたところです。この改正により、自動車の区分と運転免許の種類については普通、大型に加えて新たに中型が加わり、免許ごとに運転できる自動車も大型免許では大型、中型、普通自動車等が、また中型免許では中型、普通自動車等が運転できることとされたところです。
普通免許の受験資格は年齢が18歳以上と変わりはありませんが、運転できる普通自動車については改正前が車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満、乗車定員10人以下だったものが、改正後は乗車定員は変わらないものの車両総重量5トン未満、最大積載量3トン未満とされたところです。
また、新設された中型免許の受験資格は年齢が20歳以上で普通免許または大型特殊免許のいずれかを受けていた期間が2年以上の者とされ、運転できる自動車についても車両総重量5トン以上11トン未満、最大積載量3トン以上6トン未満、乗車定員11人以上29人以下とされたところです。
さらに、大型免許の受験資格につきましても、年齢が21歳以上で中型、普通または大型特殊免許のいずれかを既に受けておられて、いずれかの免許を受けた期間が3年以上の方とされ、運転できる自動車は車両総重量11トン以上、最大積載量
6. 5トン以上、乗車定員30人以上とされたところです。
なお、改正前に普通免許を取得していた方については、その既得権を保護する観点から改正前の普通免許で運転できた車両を運転できるということとされて、新たに中型免許を取得しなくても改正後の普通自動車及び車両総重量5トン以上8トン未満、最大積載量3トン以上5トン未満の一部の中型自動車が運転できることとされたところです。
この中型自動車、中型免許の新設により、自動車車検証に記載されている車両総重量、最大積載量、乗車定員のいずれかが中型自動車の基準に該当する場合、例えばコンビニに食品等を配送している最大積載量2トンの保冷車が保冷設備等を加装して車両総重量が5トンを超えた場合には当該自動車は中型自動車に該当するため、この自動車を運転する場合には中型免許が必要となっています。
また、議員御指摘のとおり法改正後に普通免許を取得した方については、改正前の普通免許を取得していた方が既得権により運転できる自動車を当該改正後の普通免許では運転できなくなる場合があります。例えば、工事現場などで使用される最大積載量が4トンのダンプカーの改正前は普通自動車の最大積載量の基準に該当していましたが、改正後は中型自動車の基準に該当するため、法改正後に普通免許を取得した方が中型免許を取得せずにこの自動車を運転する場合には無免許運転となるところです。
現行の制度については、関係機関等と連携して広く周知に努めてきたところですが、本年5月末までに改正後の普通免許で中型自動車を運転して無免許運転として検挙される事例が15件発生しています。来年3月には、準中型免許、準中型自動車の新制度への移行があるので、運転免許の更新時講習等の機会、あらゆる機会を活用して広く県民に丁寧な情報提供に努めていきたいと考えています。
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<改正道路交通法の周知について>bQ |
車検証に書かれている総重量というのは、先ほど申し上げたように車両自体の重さ、それから最大積載量、そして乗車定員55キロ掛ける例えばダンプでしたら定員が3人です。それで車検証に書かれているのです。ふだん例えば積載オーバーのときには、3トンのものを3トン以上のものを積んだら過積載で捕まるのですが、現実的に車両総重量というのは、例えばダンプを一人で運転していると2人の定員、55キロ掛ける2人は空いているわけです。
110キロ実際に少なくてもいいのです。ですから、車検証に書かれている数字というのはあくまでも満杯の数字を書いているのです。けれども実際は運転者の助手席に2人いないわけですから、
110キロ引かなければいけないわけです。ですから例えば 5,035キロで捕まった人などは、本当は2人いないから四千いくらになります。最大にしたとしても。
これは法ですから私が言ってもしようがない話なのでが、少し理不尽だなと。要するに現実に過積載、スピード違反のように違反して捕まるなら仕方がないですが、これは車検証に既に書いてしまってあるから、実際に5トン以上なくても捕まってしまうということですので。それは私の、今の法律に対するちょっとおかしいなという思いだけですので御理解いただきたいと思います。
そこで、先ほど本部長から来年の3月には普通免許と中型免許の間に準中型免許が創設されるとお聞きしました。改正予定については、議長のお許しを得て各議員の机の上に配付させていただいていますのでごらんいただきたいと思います。
新たに創設される準中型免許では、今度は車両総重量が 3.5トン以上 7.5トン未満とより詳細な区分に分かれることになっています。これだけ車両の区分と運転免許の区分が細かくなると、多種多様な配送車を所有する例えば運送業者とかいろんな事業所、これはかなり注意を払わないとこのたびのような例が起こることも想定されます。
これ以外にもこの前ちょっと聞いたら、ちょっと荷物が来たからとりに行ってくれと。あいているトラックで行ってくれと。たまたまそのあいているトラックで行った。それも先ほど言ったように普通免許ではできない、若い子でしたから。若い子は上司から言われたから、あいているトラックですぐさっと行ったのです。無免許になってしまった。そういう例が非常に多くあるということですので、またそういうことがこの改正で想定されるので、車両の使用者及び車両の管理者に対して自動車の区分と免許の区分をしっかりと周知、啓発すべきと思いますが、県警としての今後の取り組みと本部長のその対応についてお伺いしたいと思います。
例えば、これはもう車のどこかに中型免許とか準中型とか何か分かるものを張って、運転する人が、これは免許がないわ、とかわかるような指導というか啓発、それも大切でないかと思いますが本部長の御見解を。
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●警察本部長答弁 |
議員御指摘のとおり、平成27年6月17日に道路交通法の一部が改正されて、自動車の区分及び運転免許の種類に新たに準中型免許、準中型自動車が新設され、平成29年3月に施行される予定です。
この準中型免許の受験資格については、年齢が18歳以上で運転できる自動車の条件としては乗車定員は10人以下、警察庁の実施した下位法令へのパブリックコメントを見ると、車両総重量
3.5トン以上 7.5トン未満、最大積載量2トン以上 4.5トン未満という案が提示されたものと承知しています。
今回の法改正の背景としては、現在普通免許により運転することのできる車両総重量が5トン未満の自動車には近距離の配送で用いられる多くの貨物自動車が含まれ、特に
3.5トンを超えると貨物自動車がそのほとんどを占めています。その交通事故の実態を見ると、車両総重量 3.5トン以上5トン未満の自動車に係る1万台当たりの死亡事故件数が平成20年から平成23年までの3年間の平均を見ると、
3.5トン未満の自動車に比べて約 1.5倍になっています。この要因としては、普通免許の取得時の試験車両などにセダン型の車両が用いられているわけですが、普通免許の取得者が貨物自動車の特性を理解しないまま多くの貨物自動車を運転することができることによるものと考えられています。
また、集配等で利用頻度の高い物流の中心的な役割を担ってきた、これまで車両総重量5トン未満の最大積載量2トンの貨物自動車が保冷設備等の加装により車両総重量が5トンを超えてしまい、中型自動車に該当することが多くなるという現状が認められます。この結果、中型自動車の受験資格が年齢20歳以上であるため、高等学校を卒業して間もない若年層がこの種の自動車を直ちに運転することができず、その就職にも影響を及ぼしていることが指摘をされていること。このような社会実態に応じた運転免許制度の見直しが求められたことが背景にあります。
新設される準中型免許については、このような交通事故実態を踏まえつつ社会的な要請にも応えた制度とするため、貨物自動車を使用した試験、教習を行うこととするとともに、普通免許と同様に年齢が18歳以上であれば取得できることとしており、来春の法施行後には高校卒業直後の方々も普通免許を保有していなくても直接取得することができることとなります。
議員御指摘のとおり、平成29年3月には自動車の区分及び運転免許の種類が現行の分類に新たに準中型が加わることでさらに細分化されるため、改正後に普通免許を取得した方が改正前に普通免許を取得していた方の運転できる自動車を運転できなくなる場合があるほか、既得権が非常に細かくなることが見込まれます。このため自動車の種別により無免許運転となることのないよう、それぞれの免許により運転できる自動車の種類をどのように適切に認識できるようにするか、これを事前に周知を徹底していくことが肝要と考えているところです。
今後、自動車の使用者、管理者に対する各種講習はもとより、運送事業者等の団体に対する情報提供や広く県民に情報が周知されるよう、ホームページ、パンフレットを活用して報道機関、行政機関、交通安全協会等の関係機関、団体を通じた広報に努めていきたいと考えています。とりわけ準中型免許に関しては、来春には高校卒業直後の方も直接取得できるようになることから、若年者の就職支援の観点からも適切な広報、周知啓発に努めていきたいと考えています。
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<改正道路交通法の周知について>bR |
本部長、やはり先ほど言いましたように、車にこれは準中型以上とか中型以上とか、何かステッカーを張るような形にして、ドライバーがすぐこの車は大型以上だとかわかるように指導されたほうがいいのではないかと思います。
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