<今後のスポーツ振興について> |
スポーツは教育委員会が所管というこれまでの概念を打ち破り、平成26年4月に知事部局にスポーツ課を新設され、約3年がたとうとしています。県議会での議論に後押しされ、少年強化に取り組まれてきた成果も着実にあらわれ、昨年の岩手国体の成績を見ても、天皇杯順位では42位でしたが、少年男子だけの得点順位を見ると37位。皇后杯順位においては27位でしたが、少年女子だけの得点順位を見ると15位と、全国一人口が少ない県であっても大変よく頑張っていると私自身は高く評価しています。
ちなみに、どん底だった平成21年の新潟国体では、天皇杯順位が47位で少年男子の成績も47位、皇后杯順位も40位で少年女子の成績は44位でした。いずれは少年も成年になるので、今後の期待が膨らむと同時に、これからも本格的に競技スポーツを始めようとする子ども達にとって大きな身近な目標になると思います。
昨年ブラジルで開催されたリオオリンピックでは、ホッケーに阪口真紀さん、ボートに冨田千愛さん、アーチェリーに川中香緒里さんと3人の女性が出場し活躍するなど、近年、他の競技の国際大会においても県内出身の女子選手の活躍が大変目立つようになりました。
したがって、私自身、知事部局に移管した成果は着実にあらわれていると高い評価をしていますが、知事としてこの結果をどのように評価されているのかお伺いします。
また、これまで競技スポーツを所管されてきた教育委員会としては、学校体育以外に今後競技スポーツとのかかわりをどのようにされていくのか教育長にお伺いします。
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●教育長答弁 |
平成26年度からスポーツ振興・競技力向上分野がスポーツ課に移管をされ、スポーツ課で行われるさまざまな取り組みにより、本日も境港総合技術高校の小川選手がボクシングの第1回のユース国際ボクシングトーナメントで準優勝したという記事が載っていましたが、こうした現実的に世界で活躍する選手が育ってきているわけです。実際のジュニア選手の育成場面においては学校教職員が指導に当たることも多いわけで、その意味で学校教育、特に運動部活動と切っても切れない関係にあると認識しています。
教育委員会のほうでは、日ごろからスポーツ課、あるいは県の体育協会等々と意見交換しながら、競技力向上に携わる教職員の適正配置に努めるとともに、場合によっては例えば飛び込み、あるいはクライミング競技などのように、部活動の担当教員を知事部局に派遣して競技力向上に向けた指導に専念できるようにしたり、あるいはスポーツ課が行う強化事業に係る大会、あるいは強化練習会に教職員が参加しやすくなるように管理職に理解を求めていくなど、より指導者が競技指導に集中できる環境づくりを行ってきているところです。
また、中学校の運動部活動は現在、多くの学校が部活動への全員参加を方針としており、生徒が将来スポーツとどう向き合うかを考える場として本格的に競技に取り組む入り口でもあるわけですが、より高い目標に向かって努力する生徒を支援するといったことも私どもの役割であると考えています。例えばトップアスリート、外部指導者を派遣したり、中学校の体育連盟専門部が行う選抜強化事業に対する支援を行ったり、全国大会出場の際の経費支援を行ったりなどなど、さまざまスポーツ課とも連携して生徒が活動しやすい環境を整えてきているところです。
私自身も国民体育大会、あるいは競技スポーツの大会などもできるだけ顔を出して、選手の皆さん、あるいは監督の皆さんも激励させていただくなどしているところで、最近のジュニアにおける活躍は知事部局と教育委員会との連携の成果でもあるのではないかと思っているところです。
引き続きスポーツ課、あるいは関係団体等としっかりと連携しながら、競技力の向上に貢献していく所存です。
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<今後のスポーツ振興について>bQ |
大企業が少なく、企業チームが極めて少ない鳥取県では、成年競技の結果を求めることは厳しい現状ですが、その中で近年、少年の強化が進み、大きな結果としてあらわれ、小学生の皆さんにとっても本当に大きな励みになっているのが現状だと思います。幾ら人口最少県の鳥取県でも、磨けば光り輝く子ども達がいるということで、このことはスポーツに限ったことではないと思っています。
次に、本当は平成27年9月定例会で教育長の発言についてお尋ねしようと思っていたのですが、先ほど非常にいい答弁をされて何か追及する元気がなくなったのですが、27年9月定例会で山本教育長の答弁を聞いて本当にがっかりしました。実を言うと、本当に教育委員会から競技スポーツの業務が離れたらこうなるのかと。だから近年、教育委員会が競技スポーツに距離を置いているのかと思ったのは私だけではないと思うのです。多くの皆さんがそういうふうに感じたと思うのです。非常に消極的な考え方であったと思っています。
中学校に進学する子ども達が果たして本当に夢や希望を持って中学校に行けるのか。また、今、外部指導者、何か文科省も新たに外部指導者を職員に位置づけるというふうなことも国のほうで決まったようですが、3時や4時、この時間帯に本当に学校に指導に入る指導者があるのかと、確保できるのかと、現実的に考えると本当に難しいものがあると思っていますが、そういう競技スポーツの連携、これから教育長としてはどう考えておられるのかお伺いしたいと思います。
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●教育長答弁 |
ここ数年、ジュニアオリンピック等で多くの中学生、あるいは高校生が全国大会等に出場し活躍しているわけですが、こうした活躍は、スポーツ課、あるいは競技団体の方々の御尽力、御支援に加えて、多くの教職員の日ごろの熱心な部活動指導によるところも大きいわけです。そうしたことから、先ほど申し上げたとおり、教育委員会のほうでも生徒、あるいは教職員の皆さんが活動しやすい環境を整えてきているわけです。
さき方、私の以前の答弁を聞かれてがっかりされたということでしたが、そうしたことで今一生懸命やっているのですが、追及もありましたので、あえてここで1点だけお話したいのは、こういう運動部活動の指導について、いろいろなところが実態調査をしています。その中で、教職員の方々は過去に競技経験のない部活動の顧問をすることになったり、あるいは多忙によって思うように指導ができないといったような実態も一方ではあるわけで、こうした教職員の勤務環境といった視点も含めて考えた場合には、今以上に教職員の皆さんに競技の専門的な指導に時間をかけることを求めるというのは難しい状況ではないかと我々のほうでは考えているところです。
ただ、こうした状況の中ですが、例えばさき方紹介のあった、文部科学省のほうで来年度から新たに学校教育法上、部活動指導員という職を設けることになりました。鳥取県でも早速来年度この制度を活用して、職員の方々をモデル的に配置するこうした予算を今議会でも提案していますので御審議をいただきたいと思います。また、例えば特定の種目を高校のお家芸として、学校の魅力づくりの中にしっかりと組み込んで集中的に人材、あるいは予算をそこに組み込んでいくといったことを検討することも含めて、改めて教育委員会としても知恵を絞り、汗をかきながら市町村、あるいは競技団体等としっかりと連携して取り組んでいきたいと考えています。
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<今後のスポーツ振興について>bR |
各高等学校などでも何々の競技の強化指定校と玄関にしてあるのです。やはりそういうところをしっかりと学校の特徴として強化をサポートするというような支えをしていただきたいとお願いしたいと思います。
東京オリンピックの翌年、2021年、平成33年に、これまで4年に1度の関西ワールドマスターズゲームズが関西広域連合に参画している県を会場に開催されます。大会10回目にして初めてアジアで開催されるもので、おおむね30歳以上の成人、中高年の一般アスリートが参加する世界最高峰の生涯スポーツの国際総合競技大会です。本県では、鳥取市でアーチェリー、倉吉市で自転車のトラックとロードレース、米子市で柔道、湯梨浜町でグラウンド・ゴルフの4種目5競技が開催されますが、どのような大会の開催を予定されているのか、知事にお伺いしたいと思います。
さらに、2023年、平成35年に、60歳以上の高齢者を中心とする国民の健康保持・増進、社会参加、生きがい増進などを図ることを目的とするスポーツと文化の祭典、全国健康福祉祭・ねんりんピックの開催が、昨年1月に決定しました。この開催決定を受け、開催する競技を初め、開催市町村がこれから協議され、順次決定されるわけですが、全国から参加される皆さんにいろんなことがアピールできる大会だと思いますが、知事として何に特色を置いた大会開催を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
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●知事答弁 |
ワールドマスターズゲームズは、オリンピック・パラリンピックの翌年、2021年です。また、さらにねんりんピックは、その2年後の2023年の開催が決まりました。これらの大きなイベントが近い将来に行われることになり、準備なりPRを本格化させなければなりません。
ワールドマスターズゲームズ関西については、自転車競技、あるいはアーチェリーとか、それから柔道、そうしたことに加えて、鳥取県から始まったグラウンド・ゴルフも種目に入っています。以前、イタリアで開かれた大会のときに関西で誘致しました。そのとき私も京都市長と一緒に誘致の先頭に立ったのですが、そのときかなり親しくさせていただいたカイ・ホルム会長初め、ワールドマスターズゲームズの協会の皆様、鳥取のほうにも来ていただいて、こうしたそれぞれの競技のポテンシャル、施設だとか、それからグラウンド・ゴルフの体験もしていただいたりしました。
いよいよ実はこの4月に、ニュージーランドのオークランドでまた次の大会が開かれます。これはオリンピックと同じように4年に1度回っています。私どもの関西はその4年後になり、今回来られる、世界中から集まるアスリートたちは、次の関西大会にも来られる可能性が十分高い皆さんですし、競技関係者が集まっています。ですから、そこに出かけていき、関西一体となったアピール活動をしようと考えています。関西のその中に私どもも加わらせていただくだけでなくて、グラウンド・ゴルフは世界中の皆様にとり、まだなじみのない国々もあります。したがって、グラウンド・ゴルフPRの機会もつくらせていただこうかと考えているところです。これが平成33年のことで、それに向けて実行委員会をいよいよ立ち上げ、それは倉吉市とか、そうしたそれぞれのサイトでも地区別の実行組織をつくってもらって動き出すということになります。
その後がおっしゃった大会ですが、ねんりんピックは恐らく日本の中で一番大きなスポーツ大会の一つだとも考えられます。大体経済効果でいうと90億円ぐらいあると言われますが、大会経費も8億円から13億円ぐらい、最近の開催状況を見ているとそういうものです。これには参加されるねんりんピックのアスリートのみならず、その御家族までも含めて応援団もやってくる。これの大会のいいところは、要は生涯スポーツとしてやっておられる方々なので、その地域の旅行、滞在を楽しまれる、そういう感性の皆様です。ですから経済効果も非常に高いと言われているところです。これに向けて、ねんりんピックが開かれるということをまだ知らない方々も多くいらっしゃいますので、我々も平成35年のねんりんピックの宣伝を始めさせていただこうと思います。関係者が集まる機会とか、それから市町村とも協議して広報活動を始めるとか、そういうことを始めていかなければなりません。いずれはそれぞれの市町村ごとに何の競技をやるかというのが決まっていきます。それで今度は実行組織もつくって準備を始めるということになります。
今、鳥取県としても全県的な準備委員会をつくり、協議を開始したところです。ただ、ワールドマスターズゲームズもあるので、ワールドマスターズゲームズの31年から本格的な準備に入る。それまではワールドマスターズゲームズに手がとられるので、実行委員会組織はワールドマスターズゲームズ以後になるかと思いますが、通常2年前ぐらいから各県動き始めていますので、そういうタイミングで私たちも準備をしていこうと考えています。
グラウンド・ゴルフのみならず、鳥取市からもバウンスボールというスポーツは鳥取発祥で、こういう種目も含めて、関係者と話し合っていろいろと特徴ある大会にしていきたいと思います。
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<今後のスポーツ振興について>bS |
現在、海外からの留学生、私学ではごく当たり前のことで、全国で500人以上が受け入れられています。今では県内の私立高校でもごく当たり前のように受け入れが行われていますが、全国の公立学校では、外国籍の保護者が勤務の都合により国内勤務とか国際交流を目的に短期留学する場合以外は、海外からの留学生を受け入れていません。グローバル社会の到来と言われて久しくなりますが、公立の学校教育において、相も変わらず閉鎖的な一面だと思います。
県内の県立高校では、少子化という中、入学者は減少の一途であり、グローバル社会への対応策の一環として、公立だからだめだという殻を破り、海外からの留学生の受け入れを県政の課題として検討されたらいかがかと思います。例えば寮がある高校に年1人を招聘し、制服、学校のいろんな費用、それから寮費、部活動費、生活費等で、学級費、部活費、生活費等についても計算してみました。そしたら3年間で約300万円。旅費を除いたところで年100万円必要とされています。これは全て、散髪代も含めてです。留学生基金をつくり、その果実で対応すれば、現実に可能だと思います。また、他の生徒への大きな刺激にもなると思います。
公立学校においても大胆な改革が必要だと思います。知事みずからの提言で改革に挑戦されたらいかがかと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。
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●知事答弁 |
公立学校で外国人の留学生という質問が来てちょっと驚きましたが、本来、多分きょうの勢いなら教育長はちゃんと答弁すると思いますので、あちらに聞いてもらったほうがいいのではないかと思いますが、私学のほうは私のほうで管轄しています。
実は、やはりそれなりに苦労しているのです。モンゴルの相撲、照ノ富士とかが今にぎわしています。照ノ富士は今場所も調子がいいのですが、ああいうモンゴルの力士を連れてきた城北高校も、モンゴル語をしゃべれる先生がいるのです。やはり中で生活の世話、あるいは不安もあるので、そういう先生がいるとか、あるいは倉吉北なども中国語をしゃべれる人がやはり中にいてお世話をする。そういう体制がないとなかなか難しいかもしれません。学校によってはロシア語だとか韓国語に対応できる、そういう学校も公立でもありますが、そうした体制のこととか、お金のこと、これも由良育英時代、一生懸命私財をはたいて合宿させていた先生もここにいらっしゃいますが、やはりそういうような思い詰めてでもやる人がいないといけないわけで、ちゃんこ鍋の収益をそうしたお守りに使うというような、かなりのちょっと踏み込んだことがないといけません。
公立でそれができるためにはどういう仕組みが要るのかなと、これは教育委員会で山本教育長は多分前向きにこれから検討されるなとは思いますが、一つ考えられるのは、世羅高校、あそこも公立ですが、すごくいいアスリートが最近出てきて、大会ごとに名をはせています。ただ、あれは町で支えているのです。だから、今例えば岩美高校とか智頭農林とか、町で何とかしようという声はかかるのですが、ではみんなで募金を集めて、世羅高校はそうなのですが、募金を集めてそういう生活費から何からみんなで応援しようというところまで盛り上がれば確かに特色ある公立高校としての姿ができるのかもしれません。ただ、ちょっとこれはまた教育委員会のほうに、本日の御質問の趣旨は私からもよく伝えたいと思います。
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<今後のスポーツ振興について>bT |
たくさんの宿題をお願いいたしましたけれども、検討をお願いしたいと思います。
関西ワールドマスターズゲームズなのですが、倉吉の高城地区の皆さん方はNPO法人をつくり、自転車競技場の管理等大変お世話になっています。昨年の全国高校総体においても大会役員として、また競技会場の、開催するロードレースにおいても立証員として、本当に地域の皆さんに支えていただいています。また、毎年春と秋に開催しているサイクルフェスタにおいても、大会参加者におむすびとおみそ汁を無料で提供していただいて、まさに地域総力を挙げて自転車競技を支えていただいています。
ところで、高城地区の皆さん方は、関西ワールドマスターズゲームズの開催の決定を受けて、大変楽しみにしておられます。大会の運営に携わるだけでなく、ぜひとも地元から大会に出場する選手をつくり上げたいと、そして地域でしっかりと関西ワールドマスターズゲームズを盛り上げたいと非常に燃えておられます。県内4市で開催されますが、ほかのところでも開催されますが、ぜひともやはり地域の皆さんとしっかりと連携して大会が盛り上がる、そんな大会にしていただきたいということをお願いします。
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●知事答弁 |
高城の皆様に感謝申し上げたいと思いますし、その志と行動こそ、実はワールドマスターズゲームズ運動が目指しているものです。スポーツというのは、私たちの人生のパートナーである。生涯を通してスポーツに親しむことでみずからの健康づくりにもなり、また地域の活性化にもなる。その国の一つの観光需要の創出にもなる。そんな意味で、いろんな可能性を秘めたのがスポーツである。それをそれぞれの地域で、各国で開催をし、オリンピックのような感動をマスターの皆さんでやっていただこうと、これがワールドマスターズゲームズです。ぜひ高城の皆さんにも御参画いただければと思います。
スローガン的には、する、見る、支えるというスローガンでやっており、実際に自分たちもそれに参加することができるスポーツ大会はなかなかありません。簡単な手続で参加できるわけです。また、実はロードレースもありますので、地域の協力は欠かせないものです。そういう地域の協力があればこそ、スポーツ、自転車の聖地として倉吉が認識される日がやってくるのではないかと思います。
私どもとして、このワールドマスターズゲームズの誘致のみならず、例えば以前パリに行ったときにフランスの自転車連盟に私も行き、何だったら東京オリンピックの際のキャンプ地としても考えてくださいということを主張して帰ってきたわけですが、倉吉などはそういうポテンシャルは本来あるところだと思います。オリンピックが来る、そしてマスターズゲームズが来るということは、私たちの地域が世界から認められる日が来るということでもあります。ただ、その可能性を現実にするために多くの方々の協力を仰ぎながら、しっかりとそうしたスポーツの祭典を我々としても後押ししていきたいと思います。
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