<県育英奨学資金について> |
過日、私のところへ苦情が届きました。7月末で払い込み期限の県育英奨学資金の返済をコンビニで期限内に払い込みをしたのに、8月22日付で督促状が届き、大変驚いた。これまでも遅れることなく納付期限を守り、きちんと納付をしてきたのにショックでしたとのことでした。
納付期限内に納付された奨学金の返済者に督促状を出された事案がどの程度あったのか、なぜこのような事案が発生したのか、山本教育長にお伺いします。 |
●教育長答弁 |
このたびの件は、これまで金融機関しか納付できなかった県の収納金が、今年度からコンビニエンスストアでも納付できるようになったわけですが、このコンビニエンスストアでの納付の利用によって発生したものです。
教育委員会の育英奨学金については、銀行口座で落としていくやり方と納入通知書で半年賦の返還時期で返還していただくやり方とあるわけですが、7月の納付分からこのコンビニエンスストアでの納付を開始したわけです。
このコンビニエンスストアでの納付を収納したというデータが本体のシステムに反映されるまでに、実は2週間程度かかるのですが、このことを担当のほうが認識していなかったというのが一番の原因です。認識していなかったために、これまでと同じ日程あるいは方法で督促事務の処理をしてしまったということで、実際には払っているけれど、そのデータが反映されるまでのデータで督促事務を処理してしまったため、今回の事例が発生したわけです。同様の事例、この納期限内に払われたにもかかわらず督促状を発送してしまった件数は、教育委員会所管の奨学金全体で130件ありました。
もともと納期限を過ぎた後に支払われるという例も比較的多くあり、そうした方々のデータというのは当然このデータが間に合わないおそれがあるので、行き違いで督促状を出してしまうということもあり得るわけで、従前から、本状の到着前に既に納付済みの場合は行き違いですので御了承くださいということは納付書の中に記載されていたわけですが、今回は実際には期限内に払っているのにさらに督促状が行ったということで、該当の皆様方には大変な御迷惑をおかけしたと思っています。
もともと奨学金はほかの収納金と少し性格も違う部分があり、もともと経済的に困窮しておられる方に貸し付けを行って、それをまた苦しい生活の中で返還金を工面して返還をしておられるということも思えば、より丁寧な対応が必要だったのではないかと思って、改めて関係の皆様方に深くおわびを申し上げたいと思います。
次回、この返還の時期が来るのが12月になるので、そのときにまでには何とか手を打つ必要があると思っています。県税の収納は以前からこのコンビニエンスストアでの収納というのをやってきておられ、この督促状の行き違いに対する工夫というのがそれなりになされているということがわかったので、そうした例を参考にしてデータを早くつかまえて、当面は手作業で処理をするということになろうと思いますが、12月には何とかこのような事態が発生しないように取り組んでいきたいと思っています。この収納件数も結構な件数があるので、今後は、機械的にシステム的に処理ができるような方法についてもあわせて検討していきたいと考えています。
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<県育英奨学資金について>bQ |
130件も間違いの督促状を出したということなのです。今年から新たにコンビニでの支払い制度を導入されたのは大変いいことだと思いますが、一方で、どんなリスクが伴うかということも、制度を運用する前に、もう既に導入されている税務課等に問い合わせれば、容易に防げた話であると私は思っているのです。なぜ防げなかったのか、山本教育長にお伺いします。
私は怠慢であると思っています。また今後こうした事案が発生しないようしっかり点検していただき、無駄な仕事と税金を使わないようにしていただきたいと思いますが、山本教育長にその決意をお伺いしたいと思います。
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●教育長答弁 |
おっしゃるように、事前の手だてというか、どんなリスクがあるかを十分に調べることなく取り組んでしまったというところが一番の原因だろうと思っています。そうした意味では、すごく事務的な対応に終始してしまったことを大いに反省すべきだと考えています。
今後こうしたことが起こらないように、何かシステムを改修するときには事前にリスクを回避するような検討も十分重ねた上で取り組んでいきたいと思っていますし、次回の収納のときにはこうした行き違いが起こらないよう、手だてを尽くしたいと考えています。
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<県育英奨学資金について>bR |
コンビニ制度を導入されて、本当に便利を図ろうという思いはよくわかります。県税は、金曜日に納入したら最新データを月曜日に確認することができると言っているのです、県税は。ですから県税は、払い込みした人に督促状を出すことを極力抑える、ならないようにしている。本当は130件も出た時点で担当者はおかしいと思わないといけないです。このたびの一件を見ていると、教育委員会の担当課の皆さんは督促状を一度も受け取ったことのない人ばかりでしょうが、督促状を送付された人の思い、奨学金の果たす役割等について本当に理解して事務をするべきだと私は思います。全ての業務が淡々と進められているだけで、確かに、次の人に使ってもらうために、滞納された人には督促業務はやらなくてはなりません。しかし、この育英奨学資金は、やはり家庭の経済環境が非常に厳しい奨学生にとっては、それぞれの人生を築くための重要な学資でもあると同時に、返済に当たっては、それぞれの家庭が厳しい状況の中でたんす預金をしながらでも返済努力をされているのです。今回の督促状の発送は、半年返済をきちんと守り、努力されている皆さんにとっては、まさに信頼を裏切ることだと私は思っています。育英奨学資金のことについて、やはり職員全員が認識を改めるべきだと私は思います。教育長の所見をお伺いします。
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●教育長答弁 |
奨学金の貸与あるいは返還の事務ですが、ほかの収納金といろいろな面で違う部分が多いのではないかと思っており、そうしたことについて配慮をしながら取り組んでいきたいと思っています。このたびの御指摘は、私を含め、関係担当もしっかりと胸に刻み、以後このようなことのないように、あるいはまた督促、あるいは色々な形で償還をお願いしていくこともありますが、償還に係る事務の中でもこの奨学金の性格等々を十分に考えた上で取り組んでいきたいと考えています。
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<県育英奨学資金について>bS |
少し大きな声をしましたが、私は緊張感が足らないと思うのです、緊張感が。ただ普通の事務だけで流していると思うのです。教育長、ぜひとも教育長のリーダーシップで、もう一度、教育委員会の体質を直していただきたい、正していただきたい、もっと緊張感を持って仕事をやっていただきたい。そのことをお願いしたい。最後に教育長に決意をお願いしたいと思います。
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●教育長答弁 |
きょうの議論あるいは御指摘をしっかりと胸に刻んで対応していきたいと考えています。
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