<条例の充実について> |
今日は、条例の充実についてという少しかたいテーマから質問に入ります。
今議会においても39本の条例が設定並びに改正案として提案されています。皆さん、御承知のとおり、条例は、地方公共団体が自治立法権に基づいて制定できる一つの法の形式で、国で言うと法律に当たり、憲法第94条及び地方自治法第14条において、自治体が法律の範囲内で議会の議決を経て条例を制定できることが保障されています。県民の義務を課し、権利を制限するためには条例を制定しなければならないとされているほか、命令するとか税金を賦課するためにも条例が必要とされています。一方で、日本酒で乾杯条例のように、本来条例がなくても、喚起する意味で条例を制定してもよいとされています。
また、条例の実効性を確保するため、刑罰規定として2年以下の懲役・禁錮、 100万円以下の罰金、拘留、科料、軽い刑事罰です、没収または行政罰として5万円以下の科料を設けることができるとされています。
このように、条例は、県や市町村並びに県民の責務を明記したり県民の経済活動や生活の一部を規制できるとともに、県民の生活を支えることを明記したり支援を謳うこともできます。現実的には、目に見えないところで私たちの生活に大きくかかわっているのも条例であり、したがって、その条文は、県民の皆さん誰もが読んでも一定の理解と共有ができるものでなければなりません。
そこで、昨年の6月県議会において、鳥取県民みんなで進める障がい者が暮らしやすい社会づくり条例、愛称あいサポート条例と鳥取県防災及び危機管理に関する基本条例の一部改正について、県の責務の表現について、前段の条例では努めるものとする、後段の条例では行うものとすると表現されており、知事と議論したところですが、最終的に知事は、法制執務の関係では、余り大差はなく、襟を正した運用をしていきたいという答弁でした。
また、昨年12月の定例会では、知事肝いりの星空保全条例が議会開会日の朝、条例の最終成案文が提案されました。私自身、条例の理念については全く違和感がなく、逆に、鳥取県のすばらしい環境を売り込む方法としては、大いに賛成です。しかし、星空の自然環境を守るため、光害となるサーチライトやレーザー光線についての立証性、つまり、条例が立法とする理由を客観的な事実に基づいて説明できるのか、また、違法か合法なのかを判断する基準、つまり、立法性が不明確であり、行政罰である科料を伴う条例としては、もう少し時間をかけ、県民的な議論と理解を深める必要があるという判断から、私は賛成できませんでした。
私は、町役場時代、条例担当をしていた時期がありました。当時は専門的な知識もなく、中部地区の市町村の条例担当者間の勉強会の中で先輩担当者から基本的なことを学び取るしかなく、条例の制定や一部改正は、国や県から流れてくる改正準則を、絶対的な信頼の中で業務を進めていたのを思い起こします。
ところが、最近、県から提案される条例が深い議論のなされないまま議会に提案されている感があり、私自身は違和感を抱きますが、知事の所見をお伺いします。
また、刑事罰や行政罰を伴う条例については、県民的な議論を深める観点から、2つの定例議会の審議時間を想定する中で、提案する余裕を持つべきだと思いますが、あわせて知事の所見をお伺いします。
|
●知事答弁 |
議員のおっしゃる意味もわからないでもないわけで、議員もずっと町役場から条例を手がけてきたということで、これからも先人として教えをいただければと思います。
この条例ですが、私は、どちらかというと慎重に、県民の皆様やあるいは議会でのさまざまな議論を取り込んで、いわば、皆でつくっていくのが条例だと考えています。
ただ、手法として、私どものほうで県民参画基本条例に基づく県民参画アンケートとか、あるいはパブリックコメントだとか、そうしたものを使ってやってきているわけです。確かに時間をかけて審議をされるというのも一つの考え方かと思いますが、後段のほうの行政罰あるいは罰則を伴うものは、2議会審議しろということですが、地方自治法上、会期不継続の原則というのがあり、私どもは提案者ですので、提案して、もちろんその議会で可決してくださいという形で提案します。あとは、その議会の中で本来は始末するということが地方自治法で定まっていて、2議会にかけることを前提にして出せる条例という制度はありません。
ただ、そこは議会のほうで、これを継続審議にするということを付してやることは可能で、地下水保全条例だとか、現実にもそうした形でやってきた条例はありますが、我々はどちらかというと、出すからには責任を持って、一つ完結した形で出さないといけない、それが執行部側の責務です。
これについては、いろいろな考え方は確かにあるかと思いますが、罰則等については、実は、私どもサイドでは、慣行に基づき、検察庁やあるいは警察の当局等にも示しながら条例案を提出するというのを慣例としています。これは別に法令で縛られているわけではありませんが、そこでかなりじっくりと構成要件とか、そうしたものを審査されるという慣例もあります。そういうものを付しながらやっているところです。
今、御指摘がありましたような条例ですが、例えば、あいサポート条例であれば、たしか、この議場でそうした障害者の条例を考えるべきではないだろうかというお話があり、あいサポート条例を検討しましょうと言って、一昨年の11月に検討の会議を立ち上げて、そこに色々な当事者の方々も入っていただいたり、市町村の考え方を聞いたりして作り、実際に提案したのが昨年6月議会です。そのように時間をかけています。
また、防災危機管理条例の改正ですが、これは、中部地震があり、色々と課題が浮き彫りになりました。市町村等は、そうしたことをシステムとして変えていったらどうしたらいいのかという話し合いを重ねる中で、これも地震があったのは10月ですが、提案されたのは6月県議会で、この間も色々議論をさせていただきました。
星空保全条例ですが、これは、昨年の年が明けてからだったと思いますが、若い方々が条例をつくろうというような声を上げられました。私どもとしても、それを中でも検討した上で、4月からその検討作業を始めて、5月ころから常任委員会のほうにたびたび報告もし、10月までそうした報告も重ねる一方で、市町村向けのアンケートをやったり、利用者、観光客等ですね、そういう星空のツアーなどに参加される方々等に対するアンケートをやったり、最終的には、秋に県民参画基本条例に基づく電子アンケートをさせていただいたり、パブリックコメントをしたり、実は一通り話も聞いた上で、提出させていただいています。いろいろとコミュニケーションの不具合等があったのかもしれません。もしそうであれば、その点は深く私どもも反省をしながら、今後に備えていきたいと考えているところです。
条例というのは、瞬時にしてできることもあります。例えば人権救済条例がそうですが、あれも長く議論があった末、ある議会で、一発で新しい条例が出て、通ったということもあります。いろんな提出のされ方ということはあるのでしょうが、私は、やはり多くの方々の意見が入って初めてみんなで守れるルールができるのだと思っていますので、その辺の時間の経過もとりながら、丁寧に進めているところで、ただ、いろいろと御指導があれば、今後も承って、改善を図っていきたいと思います。
|
<条例の充実ついて>bQ |
私は、条例をつくられることに反対しているわけではありませんが、例えば、そのあいサポート条例とか危機管理条例のときでも、行うと努めるとかの表現の違いがあり、知事は運用という言葉で逃げられたのですが、私は、運用で解釈するような条例というのは、ときの為政者、担当者によって判断基準が変わってくるのではないかということを危惧するわけです。そこのところが、我々でも常任委員会主義で議会をやっていますから、常任委員会が違うと、なかなか他の条例が読めないのです。たまたま私が2つを比べることがあったからわかったのですが、そういう意味で、もう少し県としてしっかりとしてほしい。私は、県の準則で育ってきたものですから、やはり絶対的信頼をしていたわけで、それが突然崩れたということで、もう少ししっかりとしてほしい思いです。
それと、当日の朝になってから成文が出されたわけですが、星空条例にしてもそうなのですが、我々も、常任委員会で審議する時間が非常に少ないということがあるので、そういう部分を配慮してほしいということです。
それでは追及いたします。私は、県議会に出ると同時に、納得できない課題がありました。それは、県議会に提案される新しい条例の提案が、制定についてではなく、設定についてとなっていることです。今議会に提案されている新規条例は、全て設定です。否定はしませんが、知事もささいなことと思われるでしょうが、この表現に私は違和感を覚えます。
私が思うところ、地方自治法第96条で、普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならないと明記され、その第1項に、条例を設け、または改廃することとされています。この設け、から設定という表現につながっているものと想定しますが、条例を設けることができるということは行政側の行為を表すものであって、議会に提案される条例については、制定についてという表現のほうが一般的ではないかと思います。大半の県議会は制定についてですし、町役場時代は全て制定についてでした。提案者である知事の所見をお伺いしたいと思います。
次に、全ての条例に共通して言えることですが、全ての条文に思いを書き込むということは到底無理です。書き込めない事項については、規則や要綱、要領等で詳しく明記することができます。星空保安条例についても、条文で表現できない事項については、参考資料として、規則等の骨子ですね、要するに概要をあわせて議会に提案されるということになれば、もう少し議論と理解が深まったと私は思います。特に県民の皆さんの経済活動や生活にかかわる規制を伴う刑事罰や行政罰が盛り込まれた条例については、規則等もあわせて審議の参考資料として提案すべきものと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。
|
●知事答弁 |
先ほどの行うものとすると努めるものとするですが、私の記憶では、たしか、その市町村と話をする中で、どうもはね返されたそうで、努めるものとするという表現でないと、市町村としては受けがたいということがあったようです。それは、役所一流のちょっと若干の逃げ口上な部分があり、森議員のように、よくわかった人はうなずいておられますが、そこに命をかけて修文したい人たちというのは、やはりいるのです。
ただ、つくられた条文自体は、結局それは守らなければいけませんので、そこが努めるものとすると書かれていようが行うものとすると書かれていようが、特に行政機関の場合は、それを守らなければならない宿命にありますので、結果は一緒なのですが、ただ、そういうことがあったようで、実は、私も指摘されて初めて気がつきました。そうしたことは、どうも現場ではいろいろあるようで、我々もその辺は統一感を作ったり、また、それが本当に努めるものとするという表現がいいのかどうか、その吟味はきちんとするように徹底させていただきたいと思います。
また、先般の条例案で、これは大変御迷惑をおかけしましたが、星空保安条例の提案の際に、議会の中で様々な御意見があったと。私どもが考えたものですので、少々時間がかかりながら修正案を検討させていただいた上で提案に間に合わせるようにしたということで、若干異例な時の経過となりました。これは、決して本意ではなく、この点については、今後そういうことがないように努めていきたいと思います。
条例の設定という言葉遣いですが、地方自治法の14条で、地方自治体の権能として、法律の範囲内で条例を定めることができるとなっています、制定することができると。他方で、議会のほうの権限の中に、条例を設け、改廃することが議会の権能として書いてあるわけです。それでどうも設けるという言葉から設定という言葉を本県は使っているように思います。
実は私も、議員も多分そういうことなのだろうと思いますが、私自身も国の省庁のほうにおりまして、そちらで法制執務をやっていましたし、それから幾つかの県を渡り歩いているという経験から、正直、最初は物すごい違和感がありました。実は、設定という言葉遣いをしている県は、本県と山形県だけです。ですから、絶滅危惧種のような存在で、余り例があることではありません。
実は、法制的には、恐らく制定が正しいのだと思います。それはちょっと申しわけない、私は国の省庁で育ったからかもしれませんが、法制執務でよく言うのですが、制定文というのです。条例でこれは書いてある県は、必ずしも多くなくて、幾つかの県にとどまるのかもしれませんが、本来の法律のパターンからいくと、最初に何々法を制定すると書く、あるいは内閣は何々という政令を制定すると書くのです。これを制定文といい、その制定という言葉をまず使った上で、その上で、タイトル、題名があり本体条文が来る、いわゆる制定文というようなものをつけます。
そういうことから、言葉遣いとしては、制定という言葉が法令を定立する際の言葉だろうと思います。
ですから、多数派は制定という言葉を使ったり、あるいは制定も設定も使わないというところで、これは支障があるかどうかはちょっと見た上で、県民の皆様にわかりやすいのは、恐らく制定と書くか、あるいは何も書かずに、県によっては、何々条例を提出すると書いたりします。そのほうがわかりやすいのかもしれませんし、検討させていただきたいと思います。
また、規則ですが、規則にも色々なパターンがあります。一番極端なことを言えば、条例で本来は色々と書き切れればいいのですが、ただ、世の中が動くと、どうはねるかわからないので、一応その他規則で定める事柄ということを書くわけです。こういうのは、我々では空振りの規則と言いますが、これはもし何かあったときに困るので、そのときに規則を制定しようというものがあります。このような場合は、実は、事前に示しようがないものです。
また、技術的な事柄過ぎて、例えば、化学成分を示すとか、色々なことがあり、法令上は専門家のほうでもう一回審議してもらって、中身を決めていかなければいけないというものもあります。まず大枠である条例を定めるときには、中身まで決まっていないものもあります。ですから、そういうものはなかなか事前にお示しすることは難しいものもあって、こういうような趣旨で規則を設けたということは、議会側にはきちんと説明させていただくべきものだと思います。
それとあわせて、議員もおっしゃいましたが、罰則を伴うもの、これについては、憲法の罪刑法定主義というものがあります。きちんともともと書かれている、示されたものでないと罰せられない。それは、国民を保護するため、住民を保護するためであり、不意打ちというか突然規則ができて、しょっぴかれてしまうということになってはいけないですから。こういうような罰則にかかわるような事柄等は、詳細は書けないにしても、規則で書かせてもらいます、ということは事前に示した上で御審議いただくのが筋合いだと思います。
従って、議員がおっしゃるように、そういう罰則を伴うようなものについては、規則でできる限り考え方を示して、御審議いただくということは必要なことだと思いますし、それ以外のところの規則についても、可能なものについては、示させていただいた上で御審議をいただくようにしたいと思います。
|
<条例の充実について>bR |
検討していただいて、制定がいいのか、何も変わらないでいいのか、新年度を一つの区切りとして、今日の議論を踏まえる中で、一定の方向を出していただいたらと思います。
次の追及に移ります。3月6日の福祉生活常任委員会において、町なか民泊については、学校周辺と住居専用地域での平常営業の自粛を指導すると報告されています。知事は、議会答弁で、条例によるのではなく、ガイドラインを根拠に行政指導を行うと答弁されましたが、そもそも住宅宿泊事業法の目的は、全国的に一定のルールをつくり、健全な民泊の普及を図ろうとするもので、このようなガイドラインという行政指導自体、法の目的を逸脱することになるのではないかと私は思います。
また、法律では、生活環境の悪化を防止する観点から、必要があるときは、例外的に条例により住宅宿泊事業法の実施を制限することを認めていますので、条例に根拠を持たない行政指導については、法の規定にも違反するのではないかと私は思います。このように、法の目的を逸脱し、法の規定に違反するような行政指導を行うことについて、私は非常に問題があると思いますが、知事の所見をお伺いします。
また、この4月から鳥取市が中核市に移行します。これまで県が担ってきた業務のうち、東部地区においては、保健所業務を初め、県の権限の執行に関して大きく変わってきます。
その一つが、業務推進の指針となる条例の制定や改正であると思っています。これまで市町村の意向にかかわらず、全県的な見地から県が条例の原案を作成し、県議会で議決をしていましたが、これからは中核市である鳥取市と事前にコミュニケーションをとってから、成案を県議会に提出するという、いわば大阪府と大阪市の関係のような事前の政策調整のスキームが想定されますが、知事に所見をお伺いします。
早速その一つが、興治議員が代表質問で知事と議論した民泊についてですが、中核市に移行する鳥取市と民泊の指針ガイドラインについて、かなり深い議論が必要になってきます。あわせて鳥取市が中核市に移行することに伴い、条例のみならず、その他の業務についても、鳥取県東部における業務について、知事の裁量権に変更が生じるとともに、東部地区の業務の一部を所管する鳥取市との事前のコミュニケーションがかなり必要になると思いますが、知事の認識並びに今後の対応について、所見をお伺いします。
続いて、3月24日、日本海新聞に、4月1日施行される鳥取県星空保全条例の保全地域の第1号として、鳥取市佐治町を上げるという記事が掲載されました。ところが、今議会中の既に2回開催された常任委員会には、このことに関して何ら報告されていません。多分、3月上旬に開催された県の景観審議会を経てから報告されると思いますが、審議会で否定されることのない事項でもありますし、県としては、やはりその概要だけでも議会に報告し、理解を得るということが必要でないかと思いますが、なぜ報告されなかったのか、その経緯と知事の所見をお伺いします。
|
●知事答弁 |
まず、民泊についてのガイドラインの設定ですが、これは、本議場において、代表質問で会派を代表してお話がありましたことに私のほうで回答させていただいたものですが、民泊の法律が施行されます。それに当たり、昨日から民泊の届け出が全国一斉に始まっています。
ただ、本県は、大都市部とは大分様相を異にしていて、大都市部ですと、もう生活環境の阻害要因であるかのようなことになり、8割方のマンションでは、こうしたことを禁止しようと言っているという調査も出ています。
そんな中、実は、全国では、条例で規制をしようというところも、京都市を皮切りにして、あちこちでも出てきているところですが、ただ、本県では、実はそういう弊害がまだ報告されていないという段階です。これからもしかしたら変わってくるのかもしれません。ただ、幸いなことに、今、本県ではそういうことはなくて、逆に言えば、農泊というか、体験交流型の民泊、民宿的なもの、そうしたものは、逆に需要が出始めていますし、それを地域おこしの材料にしたいという人たちもいて、民泊法を規制一辺倒でやることには、県内の状況がふさわしくないかもしれません。ですから、町なかのものと分けていこうということで、関係者の御審議もいただいていたところですが、特に住居専用地域それから学校の周辺については、ぜひとも規制をすべきではないかという議論がありました。
実は私も、これは条例を出すかどうかということをずっと考えていて、部内でも協議をさせていただいているわけですが、担当の所属のほうでは、国が条例をつくるなと言っていると、だから、どこの県もつくらないはずですという話で頑張られるわけです。いや、そんなことはないだろうと、私などは京都市から何から周りのところはやると直接聞いているものですから。そういうことで色々やりとりをするのですが、法律違反になると言っているとおっしゃるわけですね。法律違反になることもなかろうとは思うわけですが、条例をつくって、それが法律の範囲内であれば、条例は成立しますので、法律に抵触するみたいなことまで、国はどうも言っているらしかったです。
それで今、実態上、まだ実害が出ているわけではないので、指導からスタートしようということで、ガイドラインということで、今、皆様に協議をさせていただいているところです。ただ、もちろんさらに実効性ある規制が必要であれば、条例を重ねて提案することは、今後の検討課題として残させていただいています。
現実には、同じようなことはありました。思い起こしていただければと思いますが、お泊まりデイサービスが全国で非常に大きな議論になりました。残念ながら、鳥取県内でもそういう実態があることが新聞等で報道され、我々も調査に入りましたが、そういう実態があることがわかりました。
しかし、これも法律での規制は、比較的緩やかなところです。そこで、ガイドラインをつくって、例えば平米の話とか、何人までとか、そのほかの衛生基準みたいなことなども含めて、お泊まりをさせる場合にはこういう基準を満たしなさいというガイドラインをつくり、指導に入ったのです。これは、法律の関係では、非常に微妙な関係はあるかもしれませんが、ただ、最終的には守らなくてもいい、つまり、サンクションはない、そういう意味で、行政指導の範囲にとどまると、今回もそれで出させていただいているわけですが、その行政指導の範囲にとどまるということでさせていただきました。
実は、それで一掃されています。この辺は本県のある意味、隣近所との協調性というか、まだ多分コミュニティーとして、知った者同士の顔の関係が残っているからかもしれませんが、我々のほうのガイドラインを破るというところはなくて、今、さらにもう一歩進めて、法規制という段階には至っていないと判断しています。
民泊もこれでやってみて、住居専用地域だとか、そういうところは自粛を強めていただくような形をして、それで始めたところで、またこれでも破られて、都会地であるような、ごみ出しだとかを守らなかったり、突然部屋のドアをたたかれてびっくりしたとか、そういうような静穏を害するようなことも出てきたりしなければ、こうしたガイドライン方式でやっていくというのは、鳥取がかつてお泊まりデイでやったやり方に沿ってくるのではないかと思う次第です。
また、鳥取県の東部の今後の行政の進め方ですが、議員がおっしゃるような問題意識は、私自身も実は共有していて、今、ちょっと役所の中にも言っているのですが、県としての協議会をつくるべきだと、そこに町も入っていただくと。市と相談してみなければいけませんが、オブザーバーという形になるのか、あるいは正式な参加者という形になるのか、いずれにしても、県東部の保健衛生、生活環境についての連携協議会を設置する必要があるだろうと。
これで、随時議会であれば、年に4回定例会がありますが、そういうような形で定常的にコミュニケーションの機会をとり、ある意味すり合わせをしていかなければいけません。鳥取市も自治体である以上、最終的には、執行部は議会に対して責任を負い、住民に対して責任を負うわけですが、その市域を超えたところについてはどうかというのがやや心配なところです。ですから、協定を結び、私どもとの関係で協議をしなければならないと書いた上で、そうした協議会をつくり、現実には市外の区域もあるので、そうしたところの公益を担保する、そんな措置を考えてみなければいけないだろうと思っています。これについては、今、議会に提出している委託等の案件が成立すれば、速やかに関係先と協議を調えて、そうした機関設置を考えてみたいと思います。
それから、星空保全条例については生活環境部長のほうからお答えを申したいと思います。
現状は、この佐治町町域のところ、さらには日南町も今既に町議会と議論も進めており、パブリックコメントが始まっています。とにかく町議会とは話をし、それから地域振興協議会、そうしたところとも議論されていて、手を挙げようという方向性で今、動いておられます。そのほかの地域も、今後も出てくるのではないかなと思います。
議員もおっしゃったように、星空保全条例の理念自体は皆さん、賛成されておられて、そういう形で、各地で私も、私たちも保全しようというところは出てくるのではないかなと思いますが、当然ながら、議会ともきちんとコミュニケーションをとらせていただき、関心の深かった条例案ですので、その指定の状況についても遅滞なく協議をさせていただきたいと思います。
|
●生活環境部長答弁 |
議員御指摘の報道ですが、これは、鳥取市佐治町地域を星空保全地域に指定することについて、鳥取市と県のほうが協議を重ねている過程において、その現状を市議会の所管常任委員会に市のほうから報告をされたということの取材記事かと思います。条例の施行は4月1日ですが、鳥取市佐治支所だとか日南町については条例の検討段階から参画をいただいており、早くから星空保全地域指定にも関心を寄せられていました。条例議決直後から協議調整を進めてきたところで、条件の整った地域から順次、指定事務を進めるということで、鋭意調整を行ってきたところです。
佐治町地域あるいは日南町の指定について、指定に向けて協議をしていることについては、1月19日の常任委員会において報告させていただいたところです。担当部局としては、その後は各市町の意見と景観審議会、星空環境保全部会の意見が出そろったところで、議会に対して報告をすることを予定していたところです。
ただ、議会においてさまざまな議論をいただき制定された新しい条例ですし、それに基づく初めての地域指定の動きであったことを勘案すれば、機会を捉えて協議調整状況を議会に対して報告することが望ましかったと、私ども担当部局にその配慮が少し足りなかったかと思っております。
鳥取市、佐治町地域については、1月から2月にかけて、自治連合会長等で構成される地域協議会での説明あるいは意見交換や、あと星空保全地域、星空保全照明基準について解説するチラシの全戸配布など、周知及び調整を進めてきたところです。3月5日には星空保全地域の指定区域、それから照明基準案について、鳥取市長から同意する旨の意見をいただき、3月6日にはこれらについて、景観審議会、星空環境保全部会にも御意見を伺ったところです。鳥取市長それから景観審議会に同意をいただいた星空保全地域の地域指定区域、照明基準については、今後2週間の公告、縦覧を行い、調整する意見がなければ、できれば、4月1日の条例の施行に合わせて指定をしていきたいと考えています。
今後、日南町を初め、他の市町村から地域指定の意向の声がありましたら、協議の状況あるいはその後の予定など、市町村と足並みをそろえて、丁寧に議会のほうに報告させていただきたいと考えています。
|
<条例の充実について>bS |
設けて規制しないと、本当はそれこそ違法になるのではないのかと。ガイドラインは、これも全く効果がない行政指導ですから、私自身は、逆に言うと、知事が言われるように、民泊と農泊、これを分けながら、条例で例えば大まかな部分を明記して、そして、詳細については各市町村に委任するとか、私はこの中核市の移行に伴う中で、このたび条例をしてから次のステップに進めばよかったのではないかと思うわけです。4月以降は、もう鳥取県で条例などつくれません、中核市の鳥取市が作るしかないのです。そこのところを心配しているわけです。
それともう1点、中核市の問題で、協議会は何とか前向きにするということですが、やはり心配です。もし鳥取市で鳥インフルが発生したらどうするのですか。鳥取県はもう関与できないのです、鳥取市が主体的にやるのですね。
それから、もし東部や西部の災害のときにもどうするのですか。今度は、例えば原発の線量をはかるにしても、衛生技士は鳥取市ですから、鳥取市から応援してもらわないといけないのですね。これまで県の職員でしたから、西部のほうに動員をかけていましたがそれもできなくなります。
それから、八頭や若桜の町民の皆さんが県に対する、例えばいろんな意見や声を、今度は県に届民泊の問題ですが、条例をつくることが国は違法だということで話もあったようですが、逆に、条例をけても、福祉とか生活にかかわることは、県は受けられないのです。受けても仕方ないのです、鳥取市に持っていくしかないのです。やはり、何かその辺がもう少し県民全体でまだ理解されていない、私はその思いがあって心配しているわけです。是非ともそういう課題を、本当に限られた時間しかないのですが、知事には取り組んでいただきたいということをお願いしたいと思います。
|