平成26年関西広域連合議会一般質問(平成26年8月28日)No.2

<危険ドラッグ対策について>
 

 最近、危険ドラッグ吸引による悲惨な事件や自動車事故等が全国的に相次ぎ発生し、多くの住民が巻き込まれています。関西広域連合では、危険ドラッグ対策については、構成団体が実施している買い上げ検査の検体情報及び結果情報を共有するとともに、今月には、危険ドラッグ担当者研修会の開催などの取り組みが実施されているところです。その一方で、全国で危険ドラッグの規制が条例化されているところは6府県で、関西広域連合の構成団体では、大阪、和歌山、鳥取、徳島に条例が設けられ、独自の取り組みが展開されているという現状です。このように各自治体での取組に差があると、条例のある自治体内では購入できなくするようにできても、隣接する自治体やネットで購入できるような状況を容易に生み、条例による規制も効果が希薄になってしまうものと心配するところです。悲惨な事件や事故の要因となっている危険ドラッグを社会から締め出すためには、自治体をはじめとする地域がしっかりとした連携をし、販売、流通をはじめ社会に隙間を作らないことが重要だと思います。住民の安心、安全に関わる喫緊の問題として、関西広域連合としても、構成団体の危険ドラッグに対する規制条例の制定の促進や、国が統一的に規制することへの働きかけ等が必要ではないかと考えますが、今後、広域連合として、どのような取り組みを検討されていかれるのか、飯泉委員の御所見をお伺いします。

 
●販泉委員答弁

 

 危険ドラッグは言うまでもなく、人の中枢神経に有害な作用を及ぼし、使用した者への健康被害に加え、交通事故などの二次的な被害が多発することから、薬物による危害のない社会の実現に対する社会的要求は、日増しに大きくなっているところです。危険ドラッグは、店舗販売以外にもインターネットを利用した売買などにより、広範囲に出回っていることから、関西広域連合という府県域を越えた体制で取り組むことがたいへん有効であると認識しているところです。
 現在、関西広域連合構成府県においては、4府県が、それぞれの地域の実情を踏まえ、条例による独自規制を行っているところですが、規制のない地域に逃げ込ませないよう、関西広域連合全体で規制をかけることができれば、その効果を飛躍的に高めることができる、このように考えるところです。そのため、これらの条例の運用状況、個々の規制の効果などについて情報を共有し、関西広域連合が一体となってこの圏域内から危険ドラッグを締め出すことを目指し、条例の制定や規制の強化に向けた動きを後押しをする連携を進めているところです。
 国においては、昨年の2月、薬事法に規定をする指定薬物について、類似構造を有する物質を一括指定する、いわゆる包括指定を導入し、さらに本年の7月からは、手続きを簡素化し、迅速な指定を行う‘緊急指定’といった手法を講じ、いちはやく規制の網をかける取組みを進めているところです。しかし、規制をかけると、少し構造を変えた薬物が流通し始める、いわゆる‘いたちごっこ’の状況にあり、新たな物質の出現を完全に押さえ込むには至ってない状況です。
 このような状況をなんとしても打破するため、関西広域連合がこれまで行ってきた独自規制による知見を踏まえ、今後、国に対し、より効果的な規制の手法の構築を強く働きかけていきたいと考えています。