平成24年2月定例会代表質問(平成24年2月27日)No.3

≪平井県政とマニフェストについて≫
<県庁の改革推進>

 
 現在、県庁では、お役所主義の打破と筋肉質で効率的な県庁づくりを進めようと県庁改革推進プロジェクトチームがつくられ、ワーク・ライフ・バランス、無理・無駄の追放、庁風改革を中心に取り組みが進められています。

 今、県庁を初め地方公共団体は、多様化する県民ニーズ、地域主権改革に伴う事務移譲、突発性の諸課題など、業務が複雑化、専門化する一方で、多忙化の傾向にあります。このような現状の中で、しっかりと県民と向き合い、業務を推進するためには、職員個々の自己研さんのみならず、一方でしっかりとしたチームワークも求められているため、県庁の改革推進も必要な手段であると思っています。県庁の改革推進に向けての知事の思い、さらなる意識改革をどう求められ、高められていくのかお伺いします。
 また、過去の一般質問でも取り上げましたが、私は県庁全体に覇気がないと思っています。私は昨年の11月、倉吉商工会議所主催の経営改革セミナーに参加させていただき、兵庫県立大学の佐竹隆幸教授のお話をお伺いする機会がありました。そのお話の中で、あいさつができる企業は高い品質と高いサービスが確保されている、社員が自信を持って仕事をしている、社員満足度を高めることが企業のブランド力も左右する、そして結果的にはエンドユーザーにも受け入れられていくとありました。
 県庁で一番元気のよいあいさつは、過去にもヤクルトのお姉さんだと申し上げましたが、今でもそうです。私が登庁する際、地下通路で出会った職員にあいさつをしても返ってこない場合があります。私だから返ってこないのでしょうか。
 県庁においでの皆さんの中には常連の方もありますが、中には人生60年にして初めておいでになる県民もおられます。初めておいでの県民の皆さんは、最初のイメージで県庁像をつくられると思います。特に幹部職員の皆さんは、部下の健康状態を把握するためにも朝のあいさつは不可欠であると思います。まず上司からしっかりあいさつすることが必要であると思いますが、知事の所見をお伺いします。


●知事答弁

  
 意識改革については、実は今鳥取県は全国から注目をされてくるようになりました。これは本当に議会の皆さんや県民の皆様の叱咤激励を受けながらやってきたところがようやく成果が出始めたのかなという思いがします。何が特に評価をされているかというと、5(GO)・5(GO)プロジェクトと我々は言っていますが、ワーク・ライフ・バランスのことも考え、もちろん財政負担だとか職員のライフスタイル、それをもっと充実したものにしていくということも当然あり、みんなでやっていこうではないかという職員全体での運動を始めたわけです。さらに、これに「カイゼン」というトヨタ方式を導入し、それを参考にしながら業務を洗い出して、どういうところに問題があるのかというのをあぶり出した上で問題点を検証し、無駄な事業とか仕事を点検してやめていく、改善していくということを始めたわけです。
 そうした5(GO)・5(GO)プロジェクトなどを展開した結果、平成23年も年末までの間、東日本大震災だとか台風12号災害などがありましたが、それでも45%の超過勤務削減というところまで来ています。これは今までちょっと考えられなかったようなことが起き始めていると言っていいかと思います。今までスローガンのように無駄やむらを廃止するのだとか、そのために組織の見直しをするのだとか、いろんなことを言ってきました。ただ、私もずっと思っていたのですが、もっと突っ込んで、自分の身の回りの仕事の細々としたところまでもう一度目をやって、点検しながらやっていくことが必要ではないかと思っていました。さらに、これ自体は職員の皆さんにも自分達でやって楽しい話ですので、一つの運動として展開してみたらどうかということをやらせていただいたわけですが、ここ2年ほどで大分変わってきたかなと思います。カイゼン運動によります具体的な超過勤務時間は1万5,000時間の削減というところまで来ており、成果があらわれ始めてきたと思います。
 三重県がこうした職場の改善運動の先駆者のようなところですが、三重県からもいろいろと協力してやっていきたいという申し出が来ました。三重県の場合とうちと手法が若干違います。三重県のほうは先進県ではありますが、まずアイデアが先に行くような感じがあるのです。こういうことをやったらいいではないかということを始める。我々の場合は、まず分析から始まるわけです。身の回りの仕事の分析をして、こういうような業務があると、これについてはこういうような改善ができるのではないかという、いわば科学的なアプローチ、QC運動に基づくようなアプローチをするわけで、この辺が全国的にも珍しいところのようです。そういう意味で、三重県からもそういう協力要請が来たり、あるいは自治体マネジメントの実践をやっている団体のほうから誘いが来て我々のほうも参加するようになったり、果てはアフリカのほうからJICAを通じて視察に来られて、鳥取県のやり方はおもしろいと。
 何がおもしろいかというと、非常に気に入られたのは、職員の皆さんは御存じですけれども、「龍馬伝」というNHKのドラマがありましたが、あれをもじって「鳥馬伝」という漫画をつくるわけです。その漫画の中にカイゼン運動の実践例を一つの冊子にしてパンフレットにします。こういうものをこの2年でつくり始めて、県庁の職員の中に書き手もおられまして、やっているわけです。これはホームページでも公開しているのですが、意外に評判がよく、今、アフリカで翻訳されて出版され始めています。アフリカですらそうですから、日本のほかの自治体でも鳥取県の漫画の手引書というものが非常に重宝されるようになってきました。何だったら売ったらいいではないかと私などは思うわけですが、売れるかもしれません。そういうように、鳥取メソッドというのが今でき始めているところで、いろいろ改善点も、さらなる反省すべき点もあるでしょうから、改善すべきことはさらに改善をしてぜひ前へ進めていきたいと思います。
 そうした職員のチームワークだとかカイゼン運動を進めていくベースになるのがコミュニケーションだと思います。これについて、覇気がないというお話がありました。私自身も平成19年に当選した後、やはりこれは問題だなと同じ問題意識で真っ先に始めたのが「Doプロジェクト」というものでして、まず職場できちんとあいさつをしましょうと。また朝礼とか、そうしたことをやっていこうと呼びかけました。例えば電話をとったときのホスピタリティー、ありがとうございます、何々課ですということを申し上げるというような、いわば民間では当たり前のことを県庁の中で始めました。これは一定程度定着をしたのです。しかし、これは私の個人的な思いですが、役所というのは3年の法則というのがあるのではないかと思うのですが、大体3年ぐらいたつと元の体質へ戻るのです。これは恐らく人事のローテーションのこともあると思うのです。人事のローテーションは一回りすると、昔のやり方へ、旧に復していくと。少しずつ、見えないようにだんだんと戻っていくのです。あいさつも、いっときは廊下で会えば皆さんはあいさつをしてくれました。私ももちろんあいさつをしておりましたし。それが当たり前のようになったのですが、今の質問も拝聴してまた改めて思うのですが、最近随分と変わったと思います。あいさつをしてもらえないのは伊藤議員だけでなくて、私もそうで、廊下を歩いていて、あいさつをして逃げていく職員さんもいらっしゃると。目を伏せたり。どうしてなのかと思うのですが、そういうことを問題提起すると、人事当局の職員ですら恥ずかしがりだとかいろんなことをおっしゃるわけですが、これはおかしいと思うのです。やはりコミュニケーションの手段として、そういう基本はやっていかなければいけない。これは、御質問もありましたので改めて徹底をしてみたいと思います。いっときはかなり定着したことですので、もう一度やってできないはずはないと考えています。

<県庁の改革推進>2
 
 以前にも申し上げましたが、県庁敷地内においでの皆さんはすべてお客様であり、積極的にあいさつなり声かけをすべきと私は思います。あいさつして損をする話でもなく、腹を立てる話でもなく、それほど難しい話ではないでしょうから、もっともっと取り組みを進めたらいいと思います。また、上司からあいさつすることが、やはり第一線の現場で仕事をする職員の皆さんには一層の元気とやる気を与えると私は思っています。例えば、知事もトップリーダーの一人ですが、知事のほうからにこやかに元気なあいさつをされたら、職員や非常勤の職員の皆さんは元気が出ると思います。やはりそのことが自信と誇りを持って職員の皆さん方が仕事ができる、そしてそういう環境をつくり上げていくということで、質の高い県民サービスが提供できるということにつながっていくと思います。知事の所見をとりあえずお伺いしたいと思います。

●知事答弁

 
 午前中もお話がありました。昼休みになって、聞いておられたのかどうかはわかりませんが、議場に来る途中に職員の方にあいさつをしたら目を伏せて逃げられまして、まだなかなか直らないなと思います。
 したがって、やはりこれはもう一度一からやり直す必要があるのだろうと思います。職員の皆さんも別に平井が憎くてやっているわけでもなくて、コミュニケーションのとり方の巧拙の問題があるのだろうと思いますので、せっかくの重ねての御指摘ですので、もう一度コミュニケーションの運動を盛り上げていく必要があると考えています。