平成27年2月定例会代表質問(平成27年2月20日)No.4
≪農林業問題について≫ |
<EPAの発効について> |
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●知事答弁 |
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<EPAの発効について>№2 |
EPAの発効により、県下の肥育農家の皆さんは戦々恐々の日々です。既に肥育農家にとっては、素牛の高騰、飼料代の高騰、経営が逼迫しており、ここ数年間経営の頼りにされているのが肉用牛肥育経営安定特別対策事業、通称新マルキン事業です。 この事業は、国費、生産者の積み立て、県の助成金などによって造成された基金から県の畜産推進機構が管理しており、肉用牛の生産時に粗収益が生産費を下回った場合に、その差額の8割相当を肥育経営農家に補塡するという事業で、肉専用種、交雑種、乳用種がその対象品目となっています。つまりこの制度は、肥育経営農家にとってみれば全国統一の保険制度のようなものです。 しかし、現実には8割相当の補塡しかなく、しかもその通称新マルキン事業に支えられている畜産農家も多く、現実の経営は大変な状況に置かれています。 今後はさらにTPPの締結も予定される中、生産費に織り込む経費を実態に合わせてふやすなどして、今の補塡費を8割相当からせめて9割相当ぐらいに引き上げる見直しを政府は行わないと、肥育農家はもたないし、担い手の皆さんも肥育経営を諦めるということにつながってくると思っています。 改めてそうした肥育農家の声を政府に届けるべきだと思いますが、平井知事の所見をお伺いしたいと思います。 |
●知事答弁 |
飼料が高騰するとか、諸条件が悪化しており、非常に肥育農家の経営が厳しくなってきています。そういう意味で、そのための対策として、自給飼料だとか、それから和牛への転換等も含めて総合的なアプローチが必要ではないかということを先ほど申し上げましたが、一番肝になるところは、安心して再生産に向かえるように、新マルキン事業と言われる、そういう補塡制度を活用していくことだと思います。 具体的には、今の制度として生産者が4分の1、そして国が4分の3を負担して、基金により売り上げと収入とのあい差の8割補塡をするという制度が動いているわけです。これがやはり非常に今の畜産経営の中では重要でして、重ねて私どもも生産者の御意見もお伺いし、国に対しても改善を働きかけてきました。 生産者のほうの負担も高いということで、鳥取県は生産者分の負担の3分の1を県が見るという独自の制度も入れて、こうした新マルキンの活用を我々としても奨励をさせていただいているところですが、現実、毎年のようにやはりこういう補塡を受けなければやれなくなってきているような実情があると訴える農家さんがいたり、先般、大阪で開かれた全農の共励会で最優秀賞をとられたとうはく畜産さんなどからは、あれは沖縄から素牛を入れてきたりして輸送費がかかったりするのです。そういうものが適正にコスト面で評価されていないなど、やはり制度の運用として厳しさが残っており、その辺の改善は求めていかなければならないと思っています。 これは従来も国に対して働きかけをしてきましたが、今後も粘り強くこのことを政府のほうに訴えていきたいと思います。 |
<EPAの発効について>№3 |
この議場でも何度か称賛の議論がありましたが、現場後代検定で歴代最高の、要するにBMS、霜降りの入りぐあいを示す指標と、それからロース芯面積で日本一の成績をおさめた種雄牛、百合白清2が昨年9月に認定されたわけです。さらに12月には、その兄牛である白鵬85の3が百合白清2を上回る成績で現場後代検定が終了されたということで、事実上、本県は全国1位、2位の種雄牛を所有することになり、再来年度、宮城県で開催される全国和牛能力共進会での活躍に大きな期待がされるとともに、今まさに全国から熱い注目を浴びています。多分、白鵬のような牛はもうなかなかできないのではないかというぐらいの成績なのです。 今後、これらの種雄牛を活用した鳥取和牛のブランドの向上と、産地活性化という活用課題もあります。知事も畜産試験場にたびたび行かれているようですが、私は古くなった畜産試験場の環境整備が必要ではないかと思うのです。当然、全国1位、2位の種雄牛を所有する試験場となれば、視察や来場者は増加の一途であると思います。その状況は聞いていませんが、畜産試験場の施設を見ると、昭和43年建築の和牛育成牛舎を初め古い建物が多い上、トラクターも24年前に購入されたものが修理されながらまだ使われています。華やかな種雄牛の誕生とは、まさに裏腹な現状です。こうした施設の充実を含めすばらしい種雄牛を確保している中で厳重な防疫体制の整備、また一方では、多くの県民を初め来訪者に対応できるエリアをきちんと設定して、視察者の皆さんに対応できる試験場に私は整備すべきだと思います。 平成14年ごろ、県議会の議論を経て、県としても畜産試験場の整備基本計画を策定され、一時、年次的に整備が進められていましたが、財政状況が非常に厳しいという中で、途中で延期されたままになっています。さらに現状の試験場は県道からの入り口にも看板は出ているもののわかりにくく、来訪者にはとても不便なものになっています。改めて整備基本計画をつくり、整備を進めるべきだと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。 |
●知事答弁 |
私の前任の時期になりますが、もともと中小家畜試験場と、大家畜である畜産試験場のほうです、これを統合するということの議論がありました。結局いろいろな関係者の御意見などが出てそれを断念する中で、現在の琴浦の家畜試験場を順次改修していくということで、実際に整備を進めてきたところです。これについては、当然現在のいろいろな機能があるので、そういう機能を十分果たせるかどうかとか、それから耐震性がどうかとか、さまざまな観点で検証していかなければならないだろうと思います。 かつて中小家畜と一緒にするといって大議論をしたころのようではありませんが、丹念に実情に応じた改修等を順次計画し、実行していくということではないかと思います。 家畜の世界ですので、人間の家ほど立派にしなくてもいいのかもしれませんが、ただ、研究環境だとか、それから実際、衛生的に種雄牛を造成できる、あるいはその子を育てることができる、さらに言えばふん尿処理、これが前の時期は大分問題になりまして、そういう堆肥化のこととか、いろいろと考えていかなければならないテーマがあろうかと思います。 以前は家畜試験場も結構オープンで、いろいろな方々が自由に出入りしてもいいところだったわけですが、現在は残念ながら口蹄疫を初めとした防疫対策が強化されていますので、いろいろな方々が自由にたくさん出入りするというところではありませんから、要は内部の組織としての節度と、見識を持って考えていくべきことだと思っています。 議員の御指摘もありましたので、改めて点検して、必要箇所の改修等に向かっていきたいと思います。 |
<EPAの発効について>№4 |
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