≪農林業問題について≫ |
<農産物の輸出の推進について> |
EPAやTPPの連携が進む中、全国各地で農産物を初め地域の特産物の海外輸出が積極的に取り組まれています。
鳥取県においても一昨年からアジア地域を中心に農林水産物を輸出しようと、民間企業とJA全農、県の3者によるパートナー協定を締結しながら、またJETROの仲介の中で海外バイヤーの招聘商談会の開催、マレーシアでの鳥取県観光物産展及び鳥取フェアの開催などが積極的に展開されています。
こうした取り組みは、経済連携が進む中、不可欠な取り組みですが、今日までの成果と今後の課題について、平井知事にお伺いします。
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●知事答弁 |
かつて二十世紀梨が華やかな頃は1万トンというレベルで海外へ出ていった時期がありました。しかし、その辺は陰りがあるわけですが、今新しい海外への動きを強める時期に入ってきたと思っています。
今年度は、例えばマレーシアのほうにも行き、向こうで展開しましたが、ベニズワイガニのようなものとか、それからブドウとか、もちろん梨もそうですし、梅ジュースなどもありますが、そうしたことに非常に評価が集まりました。また、タイからバイヤーがやってきて、例えば魚の練り製品とかいろんな具体的な商品に販路がついたりしてきています。このようなことをこれからも積極的に展開していく必要があるのではないかと考えています。
今シーズンでいえば二十世紀梨の中国への輸出も再開するとか、これはドールさんとの提携が実ったこともありますけれども、そういうようないろんな動きも出てきておりまして、展開を強めてまいりたいと思います。
そういう意味で、2020年ぐらいには倍増させていくことなどをやっていきたいと思いますし、今年度末にもシンガポールやタイのほうに食のみやこを売り込むようなそういう部隊の派遣を民間の皆さんと一緒にしていきたいと思っております。
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<農産物の輸出の推進について>2 |
農産物の輸出、今本当に努力していただいていますし、青森などもリンゴを1万5,000トン、どんどん海外へ輸出しています。そして、今、全国一斉に海外をターゲットに輸出戦略が進められています。しかし、海外への輸出となると、それぞれの国のいろいろな輸入基準、それから輸入規制が随分異なっているということを私も勉強してわかりました。どこから手をつけていいのか、戸惑うのが現実かと思いますが。しかも農産物については農薬基準があり、非常に面倒くさい。我が県からの輸出をより一層困難なものにしているのではないかと、その一つの要因ではないかと思っていますが、現状と今後の課題について知事にお伺いしたいと思います。
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●知事答弁 |
これは今、非常に実情を踏まえたお話がありまして、そのとおりなのですが、輸出するにも相手国のいろいろな法規制、特に農薬等の規制などが違っており、難しさがあります。
実は今シーズンも香港のほうに我々も輸出を考えていたわけで、ドールさんと一緒にしていたのですが、ドールさんは大きな会社ですから、日本全国のものをいろいろ持っていくわけです。夕張メロンのことがあり、香港が急遽方針を変えてきて、それまで割とフリーなところだったのですが、ある意味厳しくすると、罰則も伴った措置をするというように変わってきて、結局今シーズンはドール経由の香港での販売に影響が出たということがありました。
それぞれの地域の、国の事情等によって左右をされることになります。
ただ、日本の果物や、もちろん牛肉も本来そうですが、それから魚等、生鮮品に対する需要は非常に強いものがあります。これがだんだんと我々も見えてきたわけです。
昨日もシンガポールから観光客を呼び込むために私どものほうで招聘した向こうの旅行会社が、賀露港などを視察して歩くわけです。直売所があるので、その直売所で魚とか果物などの様子を見るわけですが、シンガポールの人がここに来られたら、この果物など箱で買っていきますという話をされるわけです。必ず買うと。それぐらい日本の生鮮品に対する信頼感と人気は高いものがあります。 これを利用しない手はないわけで、我々としても、国内需要にはどうしても限度がありますが、海外の需要も取り込むことで県内の営農家の所得をふやしていく、そういうよすがになろうと考えています。
ですから、ドールとの協調ももちろんそうですが、それぞれの国の情報なども県としても全農や関係者と一緒に積極的に収集し、攻めていけるところにどんどん戦線を拡大していきたいと考えています。
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