平成27年2月定例会代表質問(平成27年2月20日)No.4

≪農林業問題について≫
<森林資源の維持について

 白砂青松、この議場でも何度となく聞かれた言葉です。県内海岸の松の大半がマツノザイセンチュウによる松枯れで、今の子ども達にとっては白砂青松と聞いてもイメージさえできないのが現状です。
 県では平成4年度から抵抗性松の開発、マツノザイセンチュウ抵抗性育種事業が取り組まれてきました。しかし、松くい虫の被害は一時期より衰えたというものの、残念ながらまだ県内各地で発生しています。
 松くい虫の被害で荒れ果てた海岸沿いの鳥取市福部町湯山を初め県内随所で、平成13年度から飛砂防備林として植林の取り組みが進められてきました。まだ県内では抵抗性クロマツ苗が供給できる状況でなく、とりあえず県外産の抵抗性クロマツが植林されてきましたが、その後の育成状況についてお伺いします。
 また、全国的に抵抗性クロマツ苗の供給が不足しているとのことで、多くの皆さんが安価な抵抗性クロマツ苗の供給を待たれているわけですが、県内産の抵抗性苗の供給はいつごろから始まる予定なのかお伺いします。

●知事答弁

  治山事業を中心として、マツノザイセンチュウに強い抵抗性のクロマツの導入を図っているところですが、今は議員が言われるように県外産です。これはやはりクローンから初めて抵抗性の松が生産できるということで、一気につくれないような状況があります。24年度からそのための育成場をつくってやってきて、新年度には種子の供給が始まり、29年度にその苗木の供給をするということを、今目指してやっており、その意味では一つのスケジュールとして進んでいると思います。平成30年代には県内で自給できるようにしていこうという動きで進んでいるところです。
<森林資源の維持について>2
 

 海岸沿いの美しい緑の松と青い海のコントラスト、先ほど申し上げたように、次世代の子ども達にぜひとも見せてやりたいのが私の思いです。本当に一日でも早く松の苗が供給され、より美しい鳥取の自然を取り戻す作業に全力で取り組みなければならないと思っています。
 また、新たにナラ枯れの被害が県下でも拡大の一途にありますが、その処理対策は、まさに一本一本の手作業の処理で、気の遠くなる話です。これ以上ナラ枯れが広がれば、シイタケ栽培日本一の技術を持つ鳥取県のシイタケ栽培にも影響が出てくると私は思います。
 他の被害県と連携を深めながら、新たな対策の情報も共有しながら取り組みを進めるべきだと思いますし、鳥取県ではシイタケ栽培には多くの新規参入者があります。こうした新規参入者の皆さんのシイタケ原木の確保も年々厳しくなっているということも聞いています。ぜひ、ほだ木となる原木の確保に向け、県としてもしっかりと汗をかいていただきたいわけですが、知事の所見をお伺いしたいと思います。

●知事答弁
 ナラ枯れも先ほどのマツノザイセンチュウと一緒で、カシノナガキクイムシがはびこっています。このカシノナガキクイムシは、もともと鳥取県を初め全国にもいた虫ですが、それが集中して攻撃を加えることでやられてしまうというような状況があります。それは県境をまたいでも動いているわけです。恐らく鳥取県の東部のほうは、兵庫のほうから攻めてきたのだと思うのです。また、最近、大山のほうに飛び火しているのは東から攻められてきたものとあわせて西のほう、島根のほうからやってきたものもあるかもしれません。
 いずれにしても、ちょっと挟み打ちにあったような形になっていて、県内でもこういうナラ枯れ被害が東西にわたり広がってきているという実情にあります。
 このように県境をまたいでやってくるので、共同して取り組まなければならないわけです。そこで、共同研究をして、例えばビニールシートを巻いた対策だとか、もちろん伐倒駆除とか、歩調を合わせてやっていく必要があるかと思います。鳥取県もそういう中で各県に働きかけをして、周囲の県との連携を進めているところです。
 今、中国5県では、皆伐してその中に若い木を残す、そして切り倒したものをわざとあるところへ置いておいて、それをおとりとしてそこに虫を寄せて、それを焼いて駆除してしまうというやり方はどうかというのを中国5県共同で研究しているところです。
 こういう手法など、共同化できることは共同して取り組むように、広域的対応を協議していきたいと考えています。