<地方分権と財政運営について>
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平成12年4月に地方分権一括法が施行され、地方で暮らす私たちは、明治維新以来の大改革として大きな希望を持ちました。あれから10年経過した今日、本当にあれは何であったのだろうかと思いますが、真に地方分権のフレームができたのかどうなのか、知事の素直な感想をお伺いしたいと思います。
私は、この問題について議場で何度も申し上げてきましたが、地方分権は見せかけだけで地方切り捨て分権ではなかったのだろうかと、いら立ちと大きな怒りを覚えるのは私だけでしょうか。
真の地方分権を推進するためには、財源、権限など幾つかの課題が複合的に解決されなければなりませんが、本日は財政問題を中心に幾つかの課題を議論したいと思います。
今国会において、追加経済対策として13兆 9,300億円余りが提案されましたが、この財源の77%に当たる10兆
8,000億円は国債の発行で、そのうち3兆 5,000億円は赤字国債です。この結果、102兆
4,700億円余りと空前の国家予算になりました。今日の経済情勢ですから、追加経済対策の必要について反対するわけではありませんが、私が心配するのはその財源です。
我が国の財政運営を振り返ってみると、1965年に財政法上の禁じ手である赤字国債が初めて発行され、今年で44年たちますが、毎年のように発行され続け、発行されなかったのは好景気であった91年から93年までのわずか3年だけです。このようなことから、国債発行額は約
600兆円に達すると言われています。このような国の財政状況ですから、当然交付税の需要が高まっても交付税率を引き上げることができないため、真水の交付税が足りない部分については、平成13年度からこれまた地方財政法上の禁じ手と言われている臨時財政対策債、つまり赤字特例債が毎年あてがわれ、今日では常態化してきました。
平成19年6月の県議会での知事との議論の中でも、平井知事自身、臨時財政対策債は否定的な答弁でしたが、我が県の財政上、臨時財政対策債は将来
100%交付税で返すという約束のもとにつくられている制度であるという観点から、他の起債残高とは同一にしないということでした。理論的には確かに平井知事の認識のとおりだろうと思います。
しかし、平成13年度から始まったこの臨時財政対策債は、県が20年度末で1,722億円、市町村が19年度末の数字ですが、619億円にも残高が膨れ上がっています。緊急避難的に導入されたはずの臨時財政対策債、つまり赤字特例債が常態化してきている現状を見るとき、国の赤字国債と同じように将来も引き続き継続せざるを得ないことに危惧するものですが、改めて臨時財政対策債について知事の所見をお伺いします。
さらに、私の不安を大きくしたのが、21年1月20日の総務省自治財政局財政課長の内簡です。熟読してみると、極論になるかもしれませんが、借金ができるうちはとにかく借りて、その場をやり過ごそうというのが今日の財政運営にほかならないように思えますが、知事はいかがお考えでしょうか。また、この状況を改めるためには、知事としてどうすべきとお考えかお伺いします。
次に、国の交付税特別会計の借入金の地方負担についてお伺いします
原則では、計算上求められる交付税については、真水の交付税として計上されるのが本筋ですが、真水としての資金がないため、不足する資金を借金で補ってきたのがこの交付税特別会計の借入金です。その元金返済は国と地方が折半することになっていますが、地方負担分の残高は約34兆円にも上ります。これは交付税の入り口と出口の乖離を長年放置してきた国の責任によって生じたものであり、地方がその半分を負担することについて、私は何か違和感を覚えます。この点について知事の考えをお尋ねします。
また、この返済が22度から始まるようで、計画では初年度に約 8,000億円を返済することになっていますが、平成38年度までの17年間で完済する計画のため、ならせば年間2兆円もの額を返済していくことになります。近年の交付税の真水の額が15兆から16兆円であることを考えると、その影響は非常に大きいと言わざるを得ません。
交付税特別会計借入金の返済が今後の本県の財政にどう影響を及ぼすか、またこのような今後の財政上の懸念に対してどう対処していこうとしておられるのか、知事の所見をお伺いします。
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●知事答弁 |
早いもので、平成12年4月に地方分権一括法が施行されて、10年弱がやってきました。この地方分権改革推進法が議論され始めたころ、私は、理念はすごくよかったと思います。しかし、地方分権改革推進法の議論の中でいろいろと学問的なこともあって、例えば機関委任事務を廃止するとか、国と地方とは対等のパートナーだと、イコール・パートナーシップということが標榜されたり、この辺が議論の中心になっていったと思います。それで、確かに機関委任事務は廃止され、団体としての自立性は制度的には高まった面もあったかと思います。ただ決定的に間違ったのは、税財政のところではなかったかと思います。
この地方分権改革の一連の流れの中で、三位一体改革も行われたわけですが、5兆円の国庫補助金を廃止、そして3兆円の税源を移譲する。それだけでも2兆円の赤が出るわけですが、それはスリム化して解決していくということだったのかもしれませんが、12月の地方財政対策でふたをあけてみたら5兆円の交付税カットがなされていた。都合7兆円も失っているということがあって、これで地方団体はむしろ税財政的には基盤を脆弱にしてしまったと思います。
分権改革の中で、地域間の格差も広がっていったと思います。税源が豊かな地方には富が集中して、東京都は実際に基金が膨れ上がりました。そういう中で東京オリンピックの招致もできるわけですが、そのくらい実際には格差が広がるという面も出てきたわけです。ですから私は、総括してみるというテーマでいえば、10年前はまだまだ未完の分権改革にすぎなかったと言わざるを得ないと思います。ですから我々は、ここで真の地方分権改革を求めていかなければならない、そういうことではないかと思っています。
具体論として、実際、鳥取県もことしは地方交付税的な財源はふえました。しかし、内実を申し上げれば、地方交付税自体は 197億円去年よりも減るという計算になっています。他方で、臨時財政対策債は 223億円ふえると。実に 441億円の臨時財政対策債の起債ということになるわけです。交付税とのバランスでもいえば、非常に大きな部分は臨財債という今現在では借金でしかないお金から得られる交付税的財源ということになります。
これは、我々は2つの面があって、一つは背に腹はかえられないということで、将来的には100%の交付税として算入されるわけですから、鳥取県の場合、不交付団体になるということはまず見込まれないので、いずれは延べ払いでこの分は借金を埋めてくれるということだろうと。だから、交付税的に扱って、財政フレームをつくらなければならないという現実です。これはやらざるを得ないところですし、我々もそういう意味で財政に対するアプローチはさせていただきたいと考えています。
しかし他方で、特にことしは、臨時財政対策債は国のほうも急激にふえています。国全体がそういうことで、この傾向がしばらくは続かざるを得ないかもしれません。と言うのは、社会保障に関する負担だとか、あるいは経済に対する影響への配慮だとか財政需要は事欠かない一方で、片方での税収のほうは必ずしも抜本的改革をすぐにやるという政治情勢ではありません。
このたび、骨太の方針の原案が示されました。いずれは地方消費税を12%に引き上げるということではありますが、それもすぐに上がるというような政府の今の原案にはなっていません。それから、民主党さんのほうでも政権交代をにらみながら鳩山代表が議論されていますけれども、この消費税の引き上げなどの税収増については、まずは封印しておくというスタンスだとお聞きしています。ですから非常にこの辺の不透明感はあるわけで、こうした臨時財政対策債のような形で交付税の足らず米を現実問題として引き受けていかざるを得ないような趨勢にあると判断されるかと思います。ただ、これは決して健全な状態ではありませんので、私どもとしては真水の地方交付税を求めるということで、今後とも国に対して強く訴えかけをしていかなければならないと思います。
これに関連して、総務省の内簡によると、借金ができるうちはとにかく借りて、その場をやり過ごそうということではないだろうかと、この状況を改めるべきではないかという御指摘です。おっしゃるとおりで、今回の内簡の中でも示されている地方財政計画の中でも当然言われていますが、5兆円を超えるような臨財債増発ということですから、これは非常にインパクトのあることになっています。交付税は今今ないので、ともかくは借金をして、それを地方のほうで借りてくれと、後でその分は交付税で面倒見るというのが全体としてのメッセージなのでしょうから、そういう意味では、私どもとしてはぜひ改善していただきたいと言わざるを得ないものだろうと思います。
これは、国民全体で危機感を共有せざるを得ないのだと思うのです。今今は確かに景気の状態もあるので、税負担などに手をつけるのは難しいかもしれません。しかし、世界じゅう見渡しても異常な状態に陥ってきているのは事実ですし、特に財政力の弱い地方団体に国が国債で借りるべきところを地方につけかえているわけですから、こうしたことは厳しく指弾されなければならないので、この辺の理解を広く国民に得ていかなければならないと思います。
さらに、議員のほうから、交付税の入り口と出口との乖離を長年放置した国の責任で、今34兆円にも上る借金残高が交付税特会にあると。これは、いろいろと経緯がある中で、今34兆円ということになっています。しかし、看過できないことだろうと思います。このことは実は昭和52年にさかのぼるわけで、随分長いことツケ回しをしてきたわけです。昭和52年に単年度限りの措置として、交付税特会で借り入れすることに踏み切ったわけですが、交付税特会の借り入れについて、国と地方で折半して返済していきましょうということになりました。昭和53年以降もこうした交付税特会の収支ギャップがあったので、このことは引き続き行われるようになり、これがいつしか常態化したということです。
しかし、この交付税特会の借り入れですが、昭和52年から一端はバブル経済に入っていき、税収も好調なものですからその間差のところを、この残高は5兆円だとかそういうような、要は10兆円に満たないようなベースのところがなかったわけですが、だんだんとバルブ経済が崩壊して借金づけになってくる。これが膨れ上がってくるということになりました。
それで、平成13年以降、地方分は臨財債で起こそうということになり、さらに最近は、国の方は一般会計の方に国負担分はつけかえて、この特会のほうでは地方負担分だけを残して、現在34兆円ということになってしまったわけです。これは地方に半分責任があるからということで、半分持たされているようなことになっていますが、私はおかしいと思います。本当は地方交付税の仕組みからいえば、地方交付税の成立を変えて、すなわち国税の5税の中の負担区分を変えて地方交付税を増やして解決すべきところを、国が省庁間の取引の中でできかねた結果として、こうして地方の方にツケを回すことになったのだと思います。約束事はいろいろあるのかもしれませんが、ただその不合理さは、我々としては国に対して訴えかけをしなければならないと思います。
いずれは、ピーク時にはこれは単年度で 3.6兆円も返さなければならないことも予想されるので、交付税の総額からいったらなかなか難しいことになります。いずれみんながわかってくるのだと思いますが、単純に繰り延べ払いで払えるほど税収がふえれば別ですが、そうでなければ、国と地方との間で改めて話し合いをすべきテーマになってくるのではないかと思います。
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<地方分権と財政運営について>No.2 |
臨時財政対策債の借入先は県の場合、20年度末で政府資金が13%で約 220億円、民間金融機関が83%で 1,440億円、残りの4%、約60億円が財団等となっています。市町村の場合は19年度末のデータしかありませんが、政府資金が64%で約 400億円、民間金融機関が36%で約 220億円となっています。
県内の金融関係者の話によれば、県内では融資余力はあるようで、銀行縁故債は当面可能かもしれませんが、他県では縁故での引き受けでさえ難色を示す金融機関もあるように仄聞しています。また、現在の起債制度では、実績に政府の与信があるとはいえ、担保なしの信用貸付がいつまで許されるとは考えにくく、今後は市場からもっと厳しい視線が注がれるものと考えます。さらに、これだけ国を初め地方公共団体が借金を積み重ねている現状では、市場での消化が難しくなり、早晩金利の引き上げも行われ、莫大な金利負担が財政を直撃することが想定されます。そうしたときに、国、地方とも、本当に現在の財政運営の手法を続けていることが果たして可能なのか大きな疑問を覚えますが、知事はいかがお考えなのか、所見をお伺いします。
さらに、県内の地方公共団体の臨時財政対策債の残高のうち、約 1,700億円は県内の金融機関からの調達であり、今後も臨時財政対策債の発行を続けることで、経済対策とは裏腹に、民間への資金供給を行政が間接的に圧迫していくことになるのではないかと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。
また、昨年のころから何度となく国の経済対策が立て続けに行われてきましたが、全国各地の知事を初め市町村長の皆さんから、相変わらず使い勝手の悪い制度が多いと、もっと使い道を地方に任せてくれという声が上がっていますが、このことについての認識並びに改善すべき具体的なものがあれば、お聞かせいただきたいと思います。
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●知事答弁 |
確かに今、臨時財政対策債の手法など危惧すべきものがあると思います。私どもとしては真水の交付税による是正を求めたいと思いますが、結局は国のほうでの借金も膨らみますので、難しい局面であることは疑いないと思います。金利はなるべく抑えなければならないと思っていて、鳥取県自体のことでいえば、できるだけ金利負担を抑えたような今後の財政運営をしたいと思っています。借金をしなければそれでいいのですが、借金せざるを得ないものもあります。
このたびの臨時財政の関係では、政府の財政融資を活用することで金利負担を抑えることを考えています。それから資金調達についてもこれまでも多様化を進めてきていて、こうしたことを通じて、私たちとしては金利を抑えることを考えていきたいと思いますが、心配なのは、大分借金の総額が膨らんできたことです。新発債、これから起こす起債についてですが、そうした金利がどうなるかというのには注意しながら、果たして借金を起こすのがいいのか、あるいは貯金を崩すのがいいのか、そういう選択も今後はあり得ると思います。
現在は、大体1.5%とか2%とかそういう金利負担で、ここ数10年間で見れば非常に安い調達金利ですので、むしろ今借金をしていくことは将来的に見て、貯金をするよりも得な面が多いかもしれません。その辺は微妙な判断をこれからやっていく必要があると思いますが、金利が
0.1%上がると、大体今の残高で言えば 7,000万、さらに金利が1%上がれば年間7億円負担がふえるということです。ばかになりませんので、その辺は懸命な選択をこれからも心がけていきたいと思っています。
そして、民間資金の圧迫についてですが、現状では、議員からも指摘がありましたが、県内の金融機関の体制からすると、いわゆるクラウディングアウトといいますが、民間資金用行政資金を追い出すという状態にはなっていないだろうと踏んでおります。
国全体のことでも、現在は民間資金が市中の金融の大体50%ぐらいを占めていて、これだけの比率がある状況であれば、そんなに問題はないかもしれません。特に地方債が与える影響、インパクトですが、地方債は市場の中で1%台の影響ですので、それほど大きくは影響しないかもしれません。私はむしろ気になるのは国債のほうで、クラウディングアウトの関係でいえば、国債は10年前は市場全体で10%程度の規模だったのですが、今20%に迫ろうかというほど伸びていて、むしろこちらのほうの心配があるかもしれません。ただ現実問題として、これで民間資金が圧迫されたという報告があるわけではなくて、クラウディングアウトが起きているという、そういう報道はありませんので、今は起きていないかもしれませんが、今後安易な借金についての戒めを確たるものとして持っておかなければならないと思います。
最後に、国の経済対策の使い勝手の問題ですが、これは非常に使い勝手の悪いものがあります。例えばふるさと雇用再生特別交付金だとか、こういうものだとかいろいろと言われるものがありまして、その具体的なものということですので、企画部長のほうからお答えしたいと思います。
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●青木企画部長答弁 |
幾つか散見されるわけですが、少し代表的なものについてコメントさせていただきますと、ふるさと雇用再生特別交付金、これは昨年の2次補正で導入されたものですが、地方のほうが民間に委託して雇用を発生されるということについて助成を行うものなのですが、例えば本来雇用創出のためということであれば、有効である民間企業への補助とか、公共団体の直接実施というのが対象外というのが非常に使い勝手が悪いと思っています。それから緊急雇用創出事業臨時特例交付金というのが、これも2次補正のほうであって、これは直接雇用なども地方がやる場合に適用されるものですが、趣旨がつなぎ雇用の機会ということで、6カ月未満の雇用にしか適用されないということで、なかなか6カ月間で次の職場を見つけるということも難しいので、もう少し長い期間をということで要望したのですが、一定介護とか福祉、子育て、医療、教育、こういったものについては1回限り更新が可能という改善は今年度されたのですが、やはりもう少しこれは対象を拡大すべきではないかなと思っているところです。
今回の補正で地方活性化公共投資臨時交付金というのが導入されました。これはこの経済対策で打つ公共事業の追加について、地方の負担を緩和しようということで検討が始まったのですが、そうであれば直接そういうところをいじりに行けばいいのですけれども、原則として、法律で決まっているような負担率というのは真正面から変えるということはしないで、そこの額を上限としながら、その他の事業のところで補てんをするという、非常にテクニカルというか、わかりづらい制度設計になっていまして、直接的には法律補助直轄の地方負担に充当できない仕組みになっているとか、取り扱いがややちょっとわかりづらいところ、こういった点は問題があるのかなと思っています。
また、20年度から同じような趣旨で、この補正でも入った地域活性化・経済危機対策臨時交付金というのがあります。これについては複数年度の事業に充当ができないということで、これも非常に地方からすると、例えば基金を設置して、翌年に持っていくというような柔軟な使い勝手ができると、大変ありがたいと思っているところです。
そのほかにも、例えば農とか林の雇用の担い手事業などについても、対象の拡大とか助成額の引き上げ、研修期間の延長というのが必要だなと思っていますし、先般、廣江議員の御質問にもお答えした学校耐震化については、私学について非常に助成が低いとかいう点については非常に問題意識を持っているところで、これまでも国に対して要望したり、あるいは他県と連携してさまざまな知事会などの場も活用して要望してきているところですが、改めて国要望をこの議会にもお話ししていますが、取りまとめをした上で、強力に要望していきたいと思っています。
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<地方分権と財政運営について>No.3 |
やはりいろんな問題が実際に経済対策を進める中で出てくると思うのです。それはどうしてもデスクワーク中心での企画でしょうから、現場のことは理解されていないという部分で、知事会等でしっかりそういう部分を連携しながら、声を上げていただきたいと思っています。
それと、先ほど申し上げましたが、財政状況、私は将来本当に厳しい状況だと思うのです。私は、自治体は少し楽観過ぎると思っています。本当に金利の上昇というのは、もう時間の問題だと思うのです。そうしたときに、地方の財政というのは金魚鉢の金魚と私は例えをしますが、少々温度が上がっても金魚は泳いでいるのです。一定の温度かどこかの衝撃になったときに、金魚は腹を出すのです。まさにそれが私は地方財政だと思うのです。その要因は、やはり金利という問題もあるでしょう。それから銀行側の問題もあるでしょう。ですから、本当にそういう意味をもっともっと地方自治体が慎重にやっていかないと、内簡のように借りるだけ借りて今何とかしのげと、そんな政策で地方自治体が取り組んだら大変な状況になると私は危惧しています。
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●知事答弁 |
まず、財政運営については、私も議員の考えには共鳴するものですが、このように借金だけを頼りにして財政運営をするというのは本来理にかないません。もともと財政額というのは収入と支出のつじつまを合わせて、そして運営をすることを基本にして始まったわけです。
本来鳥取県のような小さな自治体の場合は、大きな借金に耐えられるほど財政規模があるわけではありません。ですから、こうした借金に対しては、特に抑制的に考えなければならない、財政規模が小さい自治体ほどそういう能力が必要だと言われています。金利の問題もおっしゃるとおりで、今ここにきて、中国などの景気が戻ってきているからだと思いますが、原油価格が上がってきています。それから国内でも金利がやや上向き始めたという、そういう報道も出てきています。ですから、いつ高金利の時代が再来するとも限りません。したがって、注意深く財政の運営には当たっていく必要があると思いますし、その根本の原因は、国の財政政策、特に地方財政政策についての誤りがあるので、借金をさせればいいということではない、むしろ地方の財源を保障してあげる、それを基本にした財政政策を組むべきだと、このことを求めていく必要があると思います。
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