平成21年6月定例会代表質問(平成21年6月12日)No.7

<生活保護について>


 憲法25条に規定する理念、つまり健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度として、生活保護制度があります。これは、国が生活に困窮するすべての国民に対し、困窮の程度に応じ必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに自立を助長することを目的につくられている制度です。
 この生活保護制度ですが、生活する地域により、細かくその支給基準地域が国によって定められています。県内も大きく3つのブロックに分けられています。2級地の1が鳥取市、3級地の1が米子市、倉吉市、境港市、日吉津村、3級地の2がその他の町となっています。
 例えで申し上げれば、80歳の高齢者1人世帯、持ち家で家賃ゼロの場合、最低生活費は、2級地の1の鳥取市では6万 8,950円、3級地の1の米子市では6万 2,130円、3級地の2のその他の町では5万 9,170円と、県内でその差は月額 9,780円あります。税金については原則地域差がないのにかかわらず、生活保護の基準額に差をつけることが本当に必要なのか疑問に思います。逆に中山間地域にお住まいの皆さん方は交通費等で余分な出費がかかる場合もあり、精査する必要があるように思います。
 ところで、市町村合併により、これまで3級地の2に区分されていた方が合併と同時に2級の1に区分されることとなり、月額 9,780円引き上げられたケースもあるようです。生活環境は何も変わらないにもかかわらず、市町村合併という本人の事情とは異なる事情で基準額が変わることに私は違和感を覚えます。このような不合理な基準設定について知事はいかがお考えかお伺いします。
 

●知事答弁
 
 私も同感です。ですから、これは実は年々、我々も国に対して級地について問題意識を申し上げているのですが、今後とも国に働きかけをしてくべきだと思っています。
 今、例えば旧佐治村が鳥取市に合併した、その途端に結局、従来の町村のときよりは1万円ほど生活保護の受給額が上がってしまうという例がありましたが、不合理といえば不合理です。本来は生活についての費用だとか実情に即して生活保護を支給するということで、それを市町村単位で一律にするのが正しいのかどうかということだと思うのです。確かに制度を組むほうでは難しさもあるのかもしれませんが、今のようなやり方がこのままでいいとは思いませんので、国に対して合理的な基準設定を求めていきたいと思います。