平成12年9月定例会代表質問(平成12年9月22日)No.11

<企業内保育について>

共生の社会をつくるためにということで、少子化対策の一環として企業内保育についてお伺いします。 今、私たちは急激な少子化時代を迎え、これまでのような社会システム自体が通用しなくなる時代を迎えようとしております。片山県政においても、少子化対策を最重要課題として、就任以来、積極的に各種施策を推進されております。県議会においても、その対策の一つとして特別委員会を設置し、積極的な研究・検討が重ねられているところです。
 確かに少子化の要因は複雑多岐にわたりますが、結局は社会全体として女性の存在、感性等すべてが非常に低く扱われてきた結果であろうと思います。少子化対策といっても、未婚の男女の意思まで介入することはできませんし、夫婦の間に介入して出産を奨励するわけにはいきません。結局、行政としてできることは、出産後の仕事と子育てが両立しやすい環境を整備することではないかと思います。
 ただ単に行政だけが少子化対策として施策を進めるだけでなく、社会全体が男女共同参画社会を積極的に進め、社会の責任として子育てしやすい環境を整備しなければならないと考えております。だからといって、行政が何もしなくてもよいというわけでありません。できることから積極的に改革をする必要があります。私もそうでしたが、子育てで一番大変なのは3歳までです。熱をよく出したり、病気によくかかったり、楽しいどころか心配の連続でした。
 そこで、民間企業の中には、女性従業員の皆さんに安心して仕事をしていただけるよう、事業所内に託児所を設置されているところがあります。多くの女性従業員の皆さんは、子どもが近くにいることで安心感もあり、大変喜ばれて利用されております。しかし、運営費の助成が5年間を限度とするものしかなく、事業所にはかなりの負担となっております。こうした国の助成制度の見直しを要望することとあわせて、県庁という一つの大きな事業所として、また民間事業所のリーダー的存在として、パイロットとして県庁にも保育施設を設け、職員の皆さんが子どもと一緒に職場に出勤し、そして子どもとともに一緒に退庁できる、子育てしやすい県庁に改革されたらどうかと考えますが、片山知事の御所見をお伺いします。やはり県庁みずからが本当に子育てをしやすい環境にあるのかを考え、改めるべきところは改めていかなければ、安心して子育てができる社会をつくり上げることができないのではないでしょうか。片山知事の御所見をお伺いします。

●知事答弁

 少子化対策で、保育所、特に事業所内保育所への支援ということですが、確かに国の助成制度は一定の年限で途絶えてしまいます。先般、県内の認可外の保育施設の実態というものを調査をしてみて、いろんな問のがあることが把握できております。その中でも、事業所内保育所からもいろいろな問題が寄せられております。御指摘のありましたように、国の助成制度の延長を働きかけるべきではないかと、これはぜひ働きかけたいと思いますし、それ以外に県として、事業所内保育所を含みます認可外の保育所に対してどういう手だてを講じなければいけないのか、これについても来年度の予算編成までに考えてみたい、こう考えております。 
 その一環として、県庁がリーダー的に、モデル的に県庁の中に事業所内保育所の立派なものをつくったらどうかということで、これは一つの考え方として私もあると思います。パイロット的、モデル的に県庁につくってみるということも一つの効果的な政策だろうと思います。
 ただ、世間の方がどう見るかというのも、これもやはり考えてみなければいけないと思うのです。県庁だけが、公務員だけが何かいい目をしている。我々のところは事業所内保育所にも恵まれないのにという感情は当然あると思うのです。我々は、そのことにもよく配慮しなければいけないと思います。
 とにかく、県庁職員の該当可能性のある人とか対象職員の意向をよく聞いてみたいと思いますし、実態も調べてみたいと思います。世間の方がどう見られるかということにも関心を持って、この問題を少し考えてみたいと思います。
 なお、県庁の子育て環境づくりも重要ではないかというのはこれは当然で、職員から意見を聞きまして、早速今年度から授乳室を設置をしたり、育児時間を確保するために休暇の取得期間を延長するなど、いろいろな改善に努めております。これからも必要な改善はやっていきたいと思います。