平成12年9月定例会代表質問(平成12年9月22日)No.16

<学校図書について>

 学校図書館の蔵書については、学校図書館図書標準なるものが小学校、中学校と別々の基準の中で、しかも学級規模によりその蔵書数が決められております。しかし、蔵書の中身までの規定はなく、数だけを確保している学校もあれば、数は少ないが新刊図書を整備している学校と、その形態はまちまちです。
 確かにより多くの図書が子ども達の近くにあり、読みたいときに好きなだけ本を読めることが理想ですが、県下の状況を見てみますと、現実はかなり厳しく、学校図書館図書標準を達成している学校は、公立の小学校で168校中40校と23.8%、公立の中学校で60校中6校とわずか10%であります。ことしは子ども読書年と言われ、子ども達の読書離れを少しでも防ぎ、少しでも読書に親しんでもらおうと、県立図書館を中心に各種記念事業が計画されていますが、子ども達の生活の中心である学校に標準を満たす図書がないというのが現実です。読書は子ども達の情操教育に欠かせず、一冊の本との出会いで人生観まで左右すると言われておりますが、こうした学校の現実について、有田教育長の御所見と今後の対応策についてお伺いします。

 

●教育長答弁

 読書の必要性ということを今さら申し上げる必要もないわけです。お話のように、学校図書館図書標準というものの達成率は、地域による差がございます。例えば小中学校合わせても、達成率が西部地区全体では26%に対して、東部地区では半分の13%と、こういう地域差もございます。あるいは学校種別の差もございます。特にこの4月以降は、こういう現状に対して、従来の県の教育委員会と市町村の教育委員会との関係が大きく姿を変えたので、こうした状況を改善していただくためには、今までとは異なった対応を行わなければなりません。
 そのために、学校別の蔵書の話ですとか、あるいは先ほど触れましたコンピューターの設置ですとか、あるいは不登校その他のさまざまな個々の教育課題を具体的に市町村ごとに、あるいは学校ごとに状況を取りまとめた資料を次回開催の市町村の教育長会で具体的に示し、この不備な状況に対しては教育上こういう子ども達の影響が出ておりますというふうな、できるだけわかりやすい個別の情報を率直に示していく、その中で首長部局に対して我が町の状況を直接に示していただければ、今まで以上に整備促進に役立つのではないかという考え方も持っております。
 いずれにしても、教育全体に対して、さまざまな角度からの御指摘ですが、県と市町村との関係が大きく姿を変えておりますことから、私どものありようも改めたいとは思いますが、それぞれの市町村の教育委員会の今までとは異なった、新たな取り組みを強く期待しているところです。