平成12年9月定例会代表質問(平成12年9月22日)No.18

<警察のあり方について>

 県警本部長に、新しい時代に向け県民に信頼される警察のあり方について質問します。
 県外の県警本部では次々と不祥事が発覚し、警察に対する国民の信頼が大きく揺らいでいる現状です。幸いなことに鳥取県警察本部では、県民の皆さんから信頼を失うような不祥事はありませんが、署轄の第一線で仕事をしておられる警察官の皆さんは、それでもその余波を受け、より一層厳しくなった県民の皆さんの視線を浴びながら黙々と仕事をしておられます。
 そうした中、社会情勢の変化とともに警察で取り扱う事件の内容や相談も多様化し、ストーカーを初めドメスティック・バイオレンス、児童虐待など、これまで民事事件的なものが刑事事件として扱われるようになりました。つまり、これまで民事不介入という警察の原則が大きく変わった時代です。
 さらに、セクシュアルハラスメントが厳しく問われる時代でもあります。これまで警察は男の世界というイメージが強い職場でしたが、民事的な事件を刑事事件として取り扱うようになってからは、女性の感性が不可欠な時代となりました。特にドメスティック・バイオレンスに関する相談件数は、鳥取県警も例外でなく、11年が6件であったのに対し、12年は6月までの半年で延べ29件と急激に増加しております。
 そうした折、今年は女性の警察官6名の募集が行われていますが、今後も引き続き計画的に採用されていくのか。さらには、定員枠の拡大も視野に置きながら採用されていくのか、県警本部長にお伺いします。

●警察本部長答弁

女性警察官の採用につきましてお答えいたします。
 本県警察におきましては、現在、女性警察官11人を大規模警察署などに配置し、直接県民の皆様と接する機会の多い交番、あるいは犯罪の捜査や交通取り締まりの部署に勤務させているところです。
 御指摘のように、近年は社会情勢の変化とともに犯罪が多様化し、ストーカー、ドメスティック・バイオレンスなど女性被害者への対応事案も増加しているところから、女性警察官の特性を生かした活動領域も拡大しているところです。したがって、今後、女性警察官の採用に当たっては、職場での当直室や更衣室といった職場環境の整備に加え、第一線における執行力の維持とのバランスを勘案しながら、どの職域にどの程度女性警察官を配置できるかといった点について具体的に検討を加え、計画的な採用を図ってまいりたいと考えております。

<警察のあり方について>>No.2
警察も定員の問題があり、一度に各警察署に女性警察官を配置することは非常に厳しい問題であろうかと思います。ストーカーやドメスティック・バイオレンスなどの相談に訪れても、いかつい顔をした刑事さんでは、心を打ち明けて相談するにはかなりの勇気が要ると思われます。また、女性の被疑者の取り調べにしても、扱いを間違えれば、逆にセクシュアルハラスメントとして訴えられるケースもあります。女性の警察官を各警察署に配置することにより、県民の皆さんが相談しやすくなったり、女性被疑者の取り調べも円滑に進むものと思いますので、数々の問題はあるでしょうが、女性警察官の枠を拡大していただくよう努力をしていただきたいと思います。

 また、この問題は早急に対応しないと、一般行政職のように採用即現場の第一線というわけにはいかないと思います。警察学校を卒業後、いろんな現場を体験後でないと、県民の皆さんに信頼される形での仕事ができないと思いますが、当面その間の対応として県警本部長としてはどう対応されていくのか、御所見をお伺いします。

●警察本部長答弁
  御指摘のように、警察官は採用後、警察学校において、関係法令の習得を初めとする各種教養や現場における実践的な教養により、警察官として必要な知識、技能の習得が不可欠であり、一定の養成期間が必要です。
 そこで、その間の対応についてですが、女性警察官の対応が必要な場合であって、その配置のない警察署における事案につきましては、速やかに応援派遣の措置をとることとしております。
 また、ストーカーやドメスティック・バイオレンスなどの相談につきましては、既に配置している女性警察官に加えて、少年サポートセンターに配置している女性の少年補導職員の活用を図るなどして、その適切な対応に努めてまいりたいと考えております。