平成12年9月定例会代表質問(平成12年9月22日)No.2
<産業構造のあり方について> |
21世紀を目前に控えて、産業構造のあり方についてお伺いします。 鳥取県の統計から建設業の就業者数を見てみますと、景気が低迷してくると就業者数がふえ、景気がよくなると減っております。このことは、公共事業が必要に応じて実施される社会資本整備という本来の目的よりも、景気対策、雇用対策の手段として実施されてきたことを物語っております。それは一つの経済対策としての効果のあらわれであるとも思いますが、気になるのは、建設業者の許可状況であります。平成元年度における鳥取県内の大臣、知事の許可業者数が2,363社であったものが、平成11年度には2,902社と22.8%増加しております。しかも、そのほとんどが資本金1億円未満の零細業者です。許可要件が満たせば許可されるわけですが、バブルがはじけた後も、これだけ新規参入者があるということは、それだけ公共事業においしさがあるのではないかと疑いたくなるのは私だけではないと思います。 確かにこれまでは景気対策として、公共事業を一つのカンフル剤として、国、県、市町村が注射をしてまいりました。しかし、今、どの自治体も財政の体力はすっかり落ち込み、必要なときに必要な公共事業すらできない状況となっております。逆に、カンフル剤を必要とする自治体すら出ているのが現状です。そこで、私が心配しますのは、これまでのような公共事業が期待できない時代にあって、ふえ続けるこの建設業者を県としてどう対応されていくのか、片山知事の御所見をお伺いします。 |
●知事答弁 |
こういう不況の時期にあっても建設業界だけは数がどんどんふえているという御指摘がありました。確かにそうです。本当に他の業種がリストラをしたり、その事業から徹退をしていくという業界が多い中で、建設業界は少し異例で、かなりの数がふえております。 しかし、この数のふえ方といいますのは、例えばIT産業、これも随分ふえておりますが、これは技術革新によって市場自体が拡大したこと、厳しい企業間の競争がある中で業界全体が成長してきたということがIT産業などにはありますけれども、建設業界の場合には、そういう業界とは恐らく事情が異なるのだろうと思います、やはりこれまで政府が幾たびとなく景気対策というものを打ち出して、それが公共事業の量的拡大を目指してきたということとセットで業界の数もふえてきたのだろうと思います。したがって、業界は数がふえたにしても、業界内部ではいろんな問題を抱えていて、もろさや弱点も同時に抱えている、そういう分野だろうと私は思っております。 これは、建設業界に限らず、官といいますか役所といいますか、それと密着しながら歩んできた業界というのは多かれ少なかれそういうところがあります。最近の例では銀行もそうですし、証券、保険すべて官と非常に密接な関係を持って歩んできた業界で、建設業界も同じような弱点を持っていると私は思います。 今後の国・地方を通じる財政事情ですとか国民の意識の変化などを考えますと、私はこれからこの建設業界にも、体質改善と構造改革というものがぜひ必要だろうと思います。これはこの業界に強く求められる課題だろうと思います。まずは業界自身の内部努力で技術力とか競争力、経営能力の向上、こういう面でぜひ自助努力を発揮していただきたいと思います。 しかし、そう言いましても、合併や企業間の提携というものも必要になってくると思いますので、そういう手法について業界の皆さんの意見もよく聞きながら、有効な合併を促進するにはどういう誘導策があるのか、そんなことも含めて検討してみたいと思います。 |
<産業構造のあり方について>No.2 |
県としては許可要件を満たせば建設業許可証を発行するわけですが、建設業の生活権の確保のために、今後も不必要な公共事業まで出し続けなければならない現象が生じるのではないかと心配をいたすところです。公共事業が減少することによって倒産による自然淘汰でなく、企業合併を促進するなど建設業界の構造改革を推し進め、技術力と経営にすぐれた企業をつくり上げること、さらには他業種への転換の促進が必要と思いますが、その対策について片山知事にお伺いします。 また、近年、建設業協会が積極的にISO9000シリーズの取得を会員である建設業界に呼びかけておりますが、大変すばらしいことであると思っております。県としてもISO14001並びに9000シリーズを取得した業者に対しては、企業努力を考慮して資格基準にポイントを上乗せするとか、対応策について検討を要するかと考えますが、片山知事の御所見をお伺いします。 |
●知事答弁 |
建設業の業界の構造改革について、先ほども考え方の一端を申しましたが、私は合併を促進するということは必要だろうと思います。それらをあわせて、合併というものも一つの手段として、これから建設業界においては技術力、経営力を向上させるという企業努力をしていただきたいと思います。 |
●商工労働部長答弁 |
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