平成12年9月定例会代表質問(平成12年9月22日)No.3
<公共事業再評価委員会について> |
昭和48年に計画が浮上以来、26年間の長きにわたり具体的な事業の進展がないまま経過していた中部ダム計画が、3月28日に鳥取県公共事業再評価委員会から事業中止の答申がなされたのに伴い、4月3日、片山知事は答申を受け入れ、事業を中止するという決断がなされました。 そもそもこの鳥取県公共事業再評価委員会は、平成10年4月、農林水産省、運輸省及び建設省において公共事業の再評価実施要綱が施行されたのに伴い、各省が所管する補助事業について再評価することになり、鳥取県でも平成10年8月に鳥取県公共事業再評価委員会が設置され、審議されてきたもので、中部ダム計画はそのうちの一つです。 長年にわたりいろいろな議論がされる中で、地元の皆さんの人間関係に溝をつくったり、多くの人を悩ませてきましたが、結果的には地元の皆さんも片山知事の決断を受け入れ、今、地元の振興対策等そのアフターケアについて検討がなされているところです。 私も、地元の皆さんの長年の期待と苦しみを考えると、県の出す結論が余りにも長過ぎたと思っております。確かにインフラ整備が十分でない我が県にあっては、公共事業は不可欠なものであると考えております。当然必要なものは実施をしなければならないわけですが、住民の合意が得られぬまま、いたずらに期待感と時間を先送りするだけではいけない時代になっていると思います。 そこで、現在の鳥取県公共事業再評価委員会での再評価の対象事業は、農林水産省、運輸省及び建設省が所管する国庫補助事業についてのみですが、単県事業についても事業再評価の要件を設定し、公共事業再評価委員会で審議すべきであると思いますが、このことについて片山知事の御所見をお伺いします。 |
●知事答弁 |
事業の再評価についてで、これは先般の小玉議員の代表質問にもございました。それと関連する問題です。特に伊藤議員からは中部ダムの例を引き合いに出して、補助公共事業以外に単県公共事業についても、この事業の再評価委員会にかけてはどうかというお話でした。 中部ダムについては、確かに再評価委員会にかけております。その再評価委員会の手を煩わして、一連の経緯を経て中止に至ったというのは先ほどもおっしゃられたとおりで、御指摘のとおりです。 この中部ダムの再評価委員会にかけておりますのは、西尾知事の時代なのすが、私は去年この問題を、再評価委員会にかかっておりましたから、推移をとりあえずは見守るということが必要だろうと思い見守っておりましたが、正直言いまして、再評価委員会にかける必要もないという気がしていました。正直に情報公開をすれば、だれが見てもダムは中止という結論しかないわけで、あえて再評価委員会にかけたというのは、やはり時間稼ぎとか隠れみのとか、そういう面があったのではないかという、これは邪推でありますが、そういう気もしました。 ただ、補助公共事業について再評価委員会にかけるといいますのは、国庫補助事業との関連で、再評価委員会の議を経なければ国庫補助事業の対象にしないというのがどうも建設省や農水省にあるようでして、したがって、必要的にかけているという面ですが、これを単県公共事業までかけるかどうかというのは、私は余り乗り気ではありません。といいますのは、これは本当に基本に立ち返って予算をしっかりと編成をする。議会でちゃんと議論をする。そういう手続をしっかりすれば、別途再評価の仕組みを設ける必要はないはずです。そういう意味では、今まで執行部の側の予算編成もやや甘いところがあったし、失礼ですけれども、議会の審議も必ずしも十分でなかった面があったればこそ、こういう再評価の制度というのが生まれたのではないかと私は思っております。 これからは、ぜひ私も予算を編成する場合に、本当に必要なものかどうかというのはちゃんと目を光らせたいと思いますし、その前に、もう少し財政当局にもしゃんとして査定をしてもらいたいと思います。予算についてももう少しきめ細かく議会で、常任委員会ででも議論していただければありがたいと思いますし、決算についても毎年毎年認定の決算審査をやるわけですから、そこでも本当に必要なものかどうか、効果があるのかどうか、そういう評価をする場ですから、ぜひ議会でそれをやっていただきたいと思うのです。 今の再評価というのは、考えてみれば変なのです。納税者と住民の代表である議会がちゃんと認定をして了としたものを、別途外部の納税者の代表でもない第三者の方にいいとか悪いとか議論してもらうというのは、私は何とも情ないと思うのです。ですから、必要的に本当に国庫補助をもらうためにどうしても手続を経なければいけないから補助事業については再評価委員会にかけると、これはやります、しようがありませんから。しかし、それ以外のものについてまで、そういう再評価委員会、第三者の手を煩わすというのは、私は余り賛成ではありません。 |