平成12年9月定例会代表質問(平成12年9月22日)No.6

<国民文化祭について>

文化の薫る明日をつくるためにということで、国民文化祭について質問をします。
 第17回国民文化祭が、平成14年10月に鳥取県下一円で開催される計画です。この国民文化祭は、全国各地で日常的に行われている文化活動の成果を全国的な規模で発表し、交流することにより、文化活動への参加意欲を高め、新しい芸能・文化の創造を促し、あわせて地方文化の発展と国民生活のより一層の充実に資することとして開催される文化活動の一大イベントです。
 聞くところによりますと、片山知事が県の実行委員会の会長とお聞きしました。ある新聞紙上での対談において片山知事は、県民の文化活動とスポーツの振興を図りたいと熱く語っておられました。秘めたる意欲も相当なものと推察いたしますが、議場においてまだその意欲を聞いていませんので、国民文化祭の開催に当たり、片山知事の期待される抱負や思いを改めてお聞かせ願えたらと思います。
 また、来年度には、このプレ国民文化祭も開催される予定と聞いておりますが、市町村の会場地の決定状況、文化活動の普及状況についてどうなっているのか、お伺いします。
 さらに、国民文化祭の開催を契機として、県内の文化活動をどう振興されていくのか、お伺いします。
 

●知事答弁

 国民文化祭が、いよいよ迫ってまいりました。ぜひこれからの鳥取県の文化を発展させて、さらにはこの国民文化祭を通じて鳥取県を内外にアピールするいい機会になると思います。
 できれば私はこの国民文化祭というものを従来よりはいい意味でもう少し目立つようなものにしたいと思っております。従来、ともすれば地味なまま、他県の人にとっては人知れず終わるような、そういう印象があるものですから、せっかくある程度の金を使ってやるイベントでありますから、ぜひもっと効果的なものにしたいと思っております。
 1つは、鳥取県で行うわけですから、鳥取県で行う場合の特徴というものを出したいということで、本県は環日本海時代の拠点づくりというものに今取り組んでおりまして、そういう環日本海の対岸諸国との文化交流なども一つのテーマにしたいと思っておりますし、新しい試みとして障害者の皆さんに参加をしていただく。これは福祉の先進県づくりを目指す鳥取県として、一つの特徴を出せるのではないかというようなことも考えております。まだほかにもいろいろありますけれども、本県で行う場合に、これまでにない特色を出したいと思います。
 従来は、ある程度短い期間にセットでやってしまったという傾向がありまして、したがって、同時にやってますから、いろいろ見たいけれども、1つ見れば他がなかなか見れないということがありましたので、できるだけ期間を長くして、余裕を持って、それぞれの一つ一つの事業が輝けるように、そして、一つ一つの事業に県民の皆さんが参加できるようにしたいと考えて、鳥取県の国民文化祭から、次はどうされるかわかりませんが、鳥取県の国民文化祭については開催期間をかなり長くとるということも今考えております。
 市町村の会場の決定状況ですとか文化活動の普及状況は、企画部長の方から御答弁を申し上げます。
 この国民文化祭を開催した、それを契機にしてこれからの県内の文化活動をどう進めていくのかということですが、私もせっかく国民文化祭をやるのですから、ぜひ一過性のものに終わらせたくないという気持ちを持っております。
 この国民文化祭では、県内の多くの文化団体ですとか活動グループが、発表ですとか表現の場を提供されるわけですし、それが県内から全国発信にもつながるわけです。こういうことを通じて、これまで余りどちらかというと光が当たらないような分野があったと思いますが、そういうことにも人々の関心が集まりますし、隠れていた人材も発掘される可能性もあるわけです。これを契機にして、ぜひ県内の文化活動、文化団体の活動がますます活発になって、質も高まることを願っております。
 この国民文化祭を契機にして、今後はこうした県内の文化活動を育成したり活性化させることに今まで以上にも力を入れたいと思います。特に今考えていますのは、県に文化振興財団というのがありますけれども、この文化振興財団が、どちらかというと施設の管理でありますとか、プロモーターのような役割でありますとか、助成金を配分するような、そういう役割に特化しているような印象を私も持っておりまして、これを本来の県内の文化を振興させるという、自前の文化でありますとか人材を育成するとか、そういうことにもっと直接手がけるようなことができないかと今検討を始めているところです。
 いずれにしても、せっかく国民文化祭をやりますので、県内の文化活動が活発になるように取り組みたいと考えております。
 

●企画部長答弁
 会場地の決定あるいは活動の状況ということですけれども、本年6月に国の実行委員会が開催されまして、鳥取県の開催市町村、会場、開催期日を内容とする実施計画大綱が承認されたところです。
 39事業掲げておりまして、これを33市町村、約70会場で実施することとしております。このうち66の会場については既に決定しておりまして、残りの会場についても近いうちに決定する予定です。
 現在、県内のさまざまな団体が中心となって、平成14年の国民文化祭成功へ向けて活動が活性化しております。国民文化祭に向けて平成6年から実施しております県民文化祭というのがございますが、この参加事業、平成6年度は23事業でしたけれども、本年度は60事業になっております。圏域の文化団体数も平成6年、15団体でしたけれども、現在25団体、市町村の文化協議会の数も平成6年に14団体でしたが、現在20団体に増加しております。
 いずれにしましても、この取り組みをさらに活発にやっていただきながら、国民文化祭に向けて準備を進めていきたいと考えております。
<国民文化祭について>No.2
 国民文化祭の愛称が「夢フェスタとっとり」、マスコットもピアートに決定しました。この愛称は、まことに現代流で大変響きのよい愛称であると思います。しかし、日本人として、また国民文化祭という観点からして、この愛称に素朴な疑問を覚えます。日本語自体が大変乱れている現代にあって、日本語をもっと大切にしようという気風を醸成する必要があるのではないでしょうか。国民文化祭はその大きなチャンスの一つと思います。日本語は日本人にとって国民文化の最たるものであり、中心であるはずだと私は思うのです。愛称を横文字にして国民文化祭をアピールしようとした意図、そして、この際、知事が日本語に対してどのようなお考えを持っておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
●知事答弁
 国民文化祭の愛称の問題で、「夢フェスタとっとり」という愛称にしておりますが、これが日本語を大切にするという観点からもっと日本語を使ったらいいのではないかというのは、私も一般論としては同感であります。今、カタカナが本当にあふれ返っておりまして、日本人はもっともっと日本語を使うようにしないと、日本語の言葉の実力がだんだん落ちてくるという考え方を私は持っております。であるがゆえに、倉吉未来中心というのも、多少異論反論がありましたが、そういう名前にしたわけです。
 実は正直に申しますと、この愛称も、私も個人的には日本語でもっと違ったのを考えておりましたが、これは実は鳥取県国民文化祭実行委員会の企画委員会というところで愛称を決めようということになっておりまして、ここに私の案も含めていろんな案が出て、その中で企画委員会の皆さんが議論をして、「夢フェスタとっとり」にしようということになりましたので、私も個人的な意見は抑えて、皆さんの決めていただいたものを採用しようということになったわけです。
 そういう経緯ですので、フェスタという、これはイタリア語でしょうかスペイン語でしょうか、多少片仮名が入っておりますけれども、せっかく決めていただいたことですから、ぜひ親しみを持っていただいて、これで国民文化祭を一緒にアピールをしていただきたい、こう思っております。
 これはそういうことでお願いをしたいと思いますが、これからのこと、いろんなことがありますので、できる限り日本語を使うということは、私はぜひ実践していきたいと考えております。