平成17年9月定例会代表質問(平成17年9月26日)No.13

<木質バイオマスについて>


 このことについては、県でも検討委員会が設置され、昨年の3月にその報告がまとめられたところです。知事もこの取り組みには積極的で、知事室にもペレットストーブをいち早く導入され、木質バイオマスの利用を勧められているわけですが、県の出先機関などのストーブや冷暖房ボイラーなどを木質バイオマスを活用したものに切りかえられたらいかがかと思いますが、知事の御所見を求めます。
 ただ、環境にも優しいとわかっていても、私たちの生活の近くにペレットを販売しているところがなく、現状では普及が困難と思います。知事がもし本気で取り組む気があるとすれば、ペレットを製造する業者の育成支援、販売ルートの確立を積極的に取り組むべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いします。
 

●知事答弁

 
 
ペレットストーブの導入についてですが、これを進めるべしという考え方は全く同感でして、私もみずから率先してペレットストーブの宣伝に努めているわけで、県の施策、予算の中にも、ペレットストーブの県自身の導入、家庭への普及というねらいも持つ予算も既に計上しているところです。
 この点について、特に県有施設への導入の点について、総務部長の方から御答弁申し上げます。
 このペレットストーブを普及するに当たって、燃料がちゃんと供給されなければいけないのではないかということですが、それはそのとおりです。ただ、伊藤議員がおっしゃるように、県がペレットストーブを普及するのならば、燃料の生産・販売体制もちゃんと県が確立しなければいけないのではないかという主張には、私は賛同しかねるのです。それはまさにソ連になってしまうのです。県は政策として燃料転換というものを推奨しますけれども、そうなったときに、新しい燃料を生産して、それを流通させるのは、これは民間の仕事です。そこで利潤をいかに発生させるかということです。お役所仕事でやるべきことではないと思っております。
 それだったら、今、県内になかなか生産業者がいないから、県内産が供給できないのではないかという御懸念があるかもしれませんけれども、需要がふえれば必ず供給が出てくるというのが市場経済です。もちろん割高になるとか、いろいろ規模の利益とかあるかもしれませんけれども、もしどうしても割高になるのであったら、私は当分の間は県外産を使ったらいいと思うのです。県外では一定の価格で販売しているわけで、その県外産を導入したらいいわけです。しかし、県外から持ってくるのは、かさばるものの運賃がかかりますから、県内で生産・販売した方が、これは絶対有利なわけです。ですから、ペレットストーブが普及すれば、当然のことながらペレット生産は地理的に有利な県内で発生すると私は思います。ここは自由主義経済を信じていただく方がいいのではないかと思います。
 もちろん、これは始まったばかりですし、新しくこの産業に新規参入しようとされる方もリスクはあると思います。ですから、行政としてもできる限りのお手伝いはしたらと思います。それは例えば、今、処理に困っております街路樹の裁断くずとか剪定くず、ああいうものはペレットにしたら一石二鳥になると思うのです。そういうものの需給を合わせるといいますか、そういう情報提供ですとか、流通のネットワークづくりのようなものに行政としては積極的に関与したらと思っておりますけれども、あとは県外産、県内産も含めて、競争原理の中で生産が芽生えてくると思っております。

●瀧山総務部長答弁
  
 ペレットストーブの関係ですけれども、本年度、県庁あるいは中部・西部・日野の3総合事務所の4カ所の県民室ですとかホールにペレットストーブを設置することとしております。また、智頭農林高校についても、図書室や実習室にペレットストーブを設置して、県民の方に見ていただきたい、普及を図っていきたいと考えております。
 県の施設の冷暖房設備のボイラーとしてはということです。
 ペレットストーブのボイラーは、重油のボイラーと比べますと、イニシアルコストですとかランニングコストがかなり、2倍以上かかると思います。ランニングコストについては、県内でのペレットの生産ですとか重油の価格が今かなり高騰しておりますけれども、将来的に安くなるような要素はあろうかと思います。これらのものについては、可能な限り木質のバイオマスを利用した機器の導入ができないか、検討していきたいと考えております。