平成17年9月定例会代表質問(平成17年9月26日)No.20
<国民保護法について> |
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●知事答弁 |
国民保護の問題ですが、避難をするといった場合に、みんなが公的輸送機関を頼るということは非現実的ではないか、また攻撃目標になりやすいのではないかという御懸念ですが、この種の問題をあらゆる場合に完璧にするというのは、なかなか難しいわけです。これはやはりできるだけ被害を少なくするにはどうするのが一番合理的かという、こういう観点で考えなければいけない問題だと思っております。 今回の御指摘になった問題については、実は道路事情というものがありまして、避難をするという方向の移動と、それから前線に例えば自衛隊が入ってくるという逆の方向もあるわけで、1つの道路を2つの目的で使うということがこの場合には無理なものですから、道路を分けなければいけない。そうすると、やはり各自のマイカーで大混乱をするということは避けなければいけない。というようなことがありまして、公的な輸送機関を主に考えるということにしているわけです。 この問題についての詳細は、防災監の方から御答弁申し上げます。 第三国が日本を攻撃する場合には人口密集地域を攻撃するはずであって、人口が希薄な鳥取県は心配ないのではないかと、こういうことですけれども、一般論ではそういうこともあるかもしれませんが、しかし、地勢学上の観点から鳥取県の置かれた位置を見てみますと、やはりなかなか安閑とはしていられない面があるのではないかと私は思っております。準備をしておくことにこしたことはないということです。 もう1つは、むしろ他県から避難してくる方々の受け入れの方が重要なのではないかということですが、これも重要です。これも県の義務になっておりますので、当然視野に入れております。それらも含めて、防災監の方から御答弁申し上げます。 第三国から難民が来るとか、場合によっては武装難民が来る、このような場合をどう考えているのかということですが、これはいずれも第一義的には国の責任です。国の責任でどう対応するかということか決まり、それに各県とか自治体がどれだけ協力できるかという問題で、この点につきましても、防災監の方から御答弁申し上げます。 |
●衣笠防災監答弁 |
国民保護法に関連して、3点についてお答え申し上げます。 1点目が、公的輸送機関による避難についてです。 今回、鳥取県が策定した国民保護計画の中では、住民避難に当たっては自家用車を使用しないで公共交通機関を使用し、原則として県が運送手段の一元的運営を行うということにしております。 こうした大きな理由は、先ほど知事も申しましたけれども、有事の際、侵害排除のために自衛隊が使用する道路と住民避難に使用する道路を別々に確保しなければならないということです。そうしますと、使用できる道路が限られてくるということもあり、交通麻痺、大渋滞を避けるねらいからも、こういった扱いにしているということです。 なお、避難に当たっては、子どもさんを初め、高齢者、障害者、病人の方を優先することとしており、中でも重篤な患者さんについては特別な運送方法が必要だろうということで、県が別に一元的に行うとしております。 なお、今後とも訓練を通じて、避難の方法等につきましては検証していきたいと考えております。 次に2点目ですが、都市部からの避難者への対応についてです。 先ほど知事が地勢的な要件もあると申しましたけれども、日本海に臨みます鳥取県として、懸念されるといいますと、そう多くはございませんが、例えば鹿児島県沖での不審船事案のような問題が山陰沖で発生した場合、韓国の東海岸等でも座礁して問題がおきましたけれども、そういったことが山陰沖で発生するようなケースが考えられるのではないかという気がしております。 こういったものと反対に、議員も御指摘なさいましたけれども、都道府県の区域を越える避難ということも当然想定されますので、他県からの避難住民の受け入れが必要となります。これにつきましては国民保護法により、知事の義務とされておるところで、今回の国民保護計画の中にも、避難受け入れ段階での計画ということで別に設けているところです。 主な中身ですが、例えば避難元の都道府県知事との調整ですとか、受け入れ地域、受け入れ方法の決定といった受け入れの手順、あるいは平素から避難施設、避難経路といったものを隣接する都道府県と事前に調整しておく必要があるということ、3点目として、食糧ですとか生活必需品、医療、避難所、こういった情報を受け入れ住民の救援の実施に当たって準備しておくというようなことだろうと考えております。 3点目ですが、第三国からの難民、武装難民への対応についてということです。 このことにつきましては、国民保護法でも特に対象とはしておりませんし、県の計画の中にも触れてはおりません。もし国から本県に対して何らかの協力要請等がありましたら、その協力内容等について検討することになるだろうと思います。 また、武装難民への対応ですが、第三国からの難民に武装難民が紛れて上陸するという可能性はゼロではないとは思います。武装難民への対処は、現行法の枠内で警察、海上保安庁等が一義的に行われますけれども、状況によっては自衛隊等の対処も考えられるところです。仮に武力攻撃事態などの認定があれば、国民保護法や国民保護計画などにより、市町村や関係機関と連携して、住民の保護に努めていくことになると考えております。 |