平成17年9月定例会代表質問(平成17年9月26日)No.30

<栄養教諭について>

 
 栄養教諭についてお伺いします。
 この4月に学校教育法が改正され、児童・生徒の栄養の指導及び管理をつかさどる教員として、小・中学校に栄養教諭が配置できることになりました。これに伴い、県では今年度から3年間、学校栄養職員及び市町村の栄養士を対象にして、栄養教諭免許法認定講習会が実施されております。これまで学校栄養職員は、学校給食の管理だけでなく、食に関する指導についても業務の1つとして行われていましたが、栄養教諭と学校栄養職員との違い、栄養教諭の任用の仕方、配置基準についてお尋ねします。
 

●中永教育長答弁
 
 近年、子ども達の食生活の乱れが問題となっております。子ども達に望ましい食生活、あるいは食習慣を身につけさせるということのために、食に関する指導を体系的、組織的、あるいは計画的に行うために、いわば食育の取りまとめ役として栄養教諭の制度が導入されたと考えておるところです。
 お尋ねの学校栄養職員と栄養教諭の相違点ですけれども、まず最初の学校栄養職員の方は、学校給食法で学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員というふうに規定してあり、したがいまして、その職務内容は、学校給食の栄養管理ですとか衛生管理ですとか、給食時間を中心に食の指導を実施するということになっております。一方の栄養教諭の方は、学校教育法の方で児童の栄養の指導及び管理をつかさどる職員というふうに規定されておりまして、その内容としては、学校栄養職員の業務に加えて給食指導計画を策定したり、校内の食育計画を策定したり、あるいは食に関する個別指導をしたりとかでございます。そういう意味で、先ほど申したように、校内での食育の取りまとめ役としての役割が期待されているところです。ただ、栄養教諭は養護教諭等と同じように1人では授業ができませんので、これはTTの形で授業をしていくとなっております。
 お尋ねの配置基準ですけれども、栄養教諭の定数というのは、学校栄養職員の定数の範囲内で配置することが法で定められております。したがいまして、新たな定数の配置はないということです。
 また、栄養教諭の任用方法についてですけれども、本県では現在、現職の学校栄養職員のうちに栄養教諭の免許を持っている方はありません。このために、今年度、平成17年度から、学校栄養職員を対象に、お話のありました栄養教諭免許法の認定講習会を実施しているところです。学校栄養職員の方が56名中50名受講されて、市町村の栄養士の方が5名で、55名ぐらいの方が受講されているというところです。
 県としては、栄養教諭は教員としての新しい仕事といいますか、役割が加わったり、給与体系も変わるということもございます。その配置については十分に検討する必要がありますので、栄養教諭免許を取得したら即任用ということは、すぐにはなりにくいのではないかなと思っております。教員としての資質を見きわめるための選考試験も必要ではないかなと考えておるところです。
 ちょっとダブりますけれども、栄養教諭の配置の考え方については、栄養教諭免許の取得状況を踏まえて、栄養教諭に求められている役割が学校で実際にいいぐあいに発揮されるかどうかを検証するという上でも、モデル的に配置することも含めて検討しているところでございます。
<栄養教諭について>No.2


 栄養教諭の問題ですけれども、私も否定するわけではありませんけれども、栄養教諭を学校現場に配置するということは、今行われております授業の中にカリキュラムとして入れていかれるわけです。基礎学力の低下が問われ、授業時間の確保もままならないという中で、どんな形で食育教育を取り組まれるのか、教育長にお尋ねしたいと思います。

 

●中永教育長答弁
  
 カリキュラムの中に入れていったら、取り組むのにちょっと大変ではないかという御質問だと思いますけれども、栄養教諭の配置の今のカリキュラムの問題については、現在、小・中学校における食に関する指導というのは、普通の授業の時間というよりも給食の時間を中心に置いております。それ以外に家庭科とか学級活動などでもそれぞれ行っております。
 今度、栄養教諭を配置した場合の食育の推進に当たっても、カリキュラムの中に特別な新しい時間を設定しなくても、先ほど言いましたような形での、給食の時間ですとか家庭科の中とか学級活動とか、そういう時間の中で栄養教諭の食の専門家としての知識を生かして十分対応できるのではないかと思っているところです。
 具体的な指導場面としては、例えば給食時間に給食の献立を利用して具体的な指導をするとか、家庭科とか保健体育科等の時間でのTTの中で、そういう問題について丁寧に説明するとか、総合的な学習の時間の中で、全部とはいきませんけれども、その時間を使って食生活や地産地消について指導をするとか、そういうことができるのではないかと思っております。