平成17年9月定例会代表質問(平成17年9月26日)No.31
<子どもの権利条約について> |
|
●中永教育長答弁 |
学校において、子どもの人権と権利を尊重した教育を行うということは非常に基本です。非常に大事なことだと考えております。以前から市町村教育委員会等を通して、小学校・中学校については指導してきたところです。 児童の権利に関する条約についてのあらましとか、教育における主な留意点については、以前に学校に通知をしたところですし、毎年、小学校、中学校、盲・聾・養護学校、高等学校の人権教育主任を集めて研修会を実施したりしておりますし、昨年11月には人権教育の基本方針を策定して、学校の方にも配布しながら行っているところです。 先日の藤井議員の答弁でもお答えしましたとおり、旧花見小学校において、子どもの人権を侵害するような給食指導があったことについては非常に遺憾で、非常に反省しておるところです。二度と起こしてはならないと認識しております。議員御指摘のように、当該教諭や校長には子どもの人権を尊重することに対する認識が欠けていたと私どもは考えております。 この事件につきましては、学校とか町の教育委員会ですとか県の教育委員会ですとか、幾つか問題点があったと認識しております。まず学校につきましては、不適切な給食指導等があったのにもかかわらず、気づくのが遅かったということ、保護者からの申し出があったときに速やかで詳細な事実確認をなかなかしていないということ、それからそれを町の教育委員会に報告するのが遅かったということですとか、あるいは町の教育委員会としては、保護者から申し出のあったことを学校から聞いた後、速やかでもっと詳しい事実確認を十分していないということ、それから我々、県教育委員会としても、町の教育委員会や学校が詳細な事実確認を行ったかどうかを指導した後にもっとよく確認すべきであったけれども、それが十分にできていなかったということです。 これらの問題点を教訓として、学校においては保護者とよく連携しながら、子ども達一人一人の実態に応じた指導を行うということ、あるいは保護者の申し出に対しては謙虚に耳を傾けて、速やかな事実確認とか報告に努めていただきたいと学校には思いますし、それから市町村の教育委員会でも、子ども達の人権と権利に関することはもとより、所管されている学校の現状や課題を、これも迅速に速やかに的確に把握して、こういうことがないように努めていただきたいと思っておりますし、私どもの方としても、市町村の教育委員会と一層連携しながら、必要な助言や援助に努めていきたいと考えておるところです。 少し長くなりますけれども、この事件を受けて、学校運営全般につきまして、子どもの人権を尊重した教育をするとか、保護者からの申し出に迅速に対応するとか、保護者と子どもと学校との信頼関係を築くとか、こういうことについてもう一回再点検をしてくださいということを市町村教育委員会に改めてお願いをしているところです。 ちょっと蛇足かもしれませんけれども、市町村教育委員会の役割としては、やはり子ども達が目の前におります。子ども達や学校が目の前にありますので、そういう点において、ぜひ目の前にいる子ども達や学校を細かく見て、十分な対応をしていただきたいと思います。それをしっかりと私どもも応援していかなければいけないと考えているところです。 |
<子どもの権利条約について>No.2 |
学校現場での人権侵害で、私自身理解できなかったのは県教委の存在でした。先ほどの教育長の答弁から、ある程度見えましたけれども、あの時点では存在があったのは、人権侵害をした教諭に対する懲戒処分だけであったように私は思いました。県教委としてもどんなかかわりを持たれたかということで質問したかったのですけれども、あのとき出ましたので、それは置いておきまして、私はこのたびの事件を通して、やはり基本的には市町村の教育委員会の力量をもっともっと高めることが喫緊の課題であると思っております。 特に町村教育委員会の実態として、きのうまで一般行政職として建設課や町民課にいた職員、こうした職員が教育委員会に異動でやってきますけれども、来た途端、基礎学力対策だとか不登校対策だとか生涯教育などと対応を迫ることは、やはり無理難題であると思っております。やはり専門的基礎知識を持った教員を学校教育担当に配置すべきであると思っております。 例えば、地域教育主事が今、市町村に派遣されておりますけれども、この地域教育主事を学校教育担当者に当て込んで、学校現場から少し離れた目線で助言、指導されれば随分変わってくると思いますけれども、教育長の御所見をお伺いします。 |
●中永教育長答弁 |
市町村教育委員会の力量を高めるための市町村教育委員会のあり方というお尋ねです。 伊藤議員の御指摘のとおり、所管の学校を管理・監督する市町村教育委員会に専門的な知識のある教員を指導主事などとして配置することは非常に意義のある大切なことだろうと考えております。そのために、市の方は前からありますから、町村の方の希望に応じて、平成13年度から地域教育担当指導主事を派遣しているところで、最初の3年間は県の方で派遣して、人件費を半分持つ。その後の4年目以降は町村の方単独で配置していただくという形です。指導主事は学校、家庭、地域という形での連携体制をつくる仕事はもちろんしますし、開かれた学校づくりですとか教科指導の指導などという教育の内容面についてもかかわっているところです。 現在の配置状況については、もともと指導主事を配置していた市町村を含めますと、今、配置しているのは17市町村で27人です。そのうちに江府町と日野町と日南町は3町の共同で1名を配置という形になっております。指導主事を配置していないのは2町村ということです。 実際、指導主事を配置した市町村からは非常に好評でして、財政難の折に市町村単独で指導主事の充実を図るのは苦しいという声もありますけれども、指導主事が全くいない町村に対して、その意義や効果等の情報提供を行いながら、今後も配置について支援して、働きかけをしていきたいと考えているところです。 |