平成17年9月定例会代表質問(平成17年9月26日)No.5
<公有財産について> |
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●知事答弁 |
市町村の財産を県が無償で借り入れているものはどういうものがあるのかということですが、これは総務部長の方から後で答弁しますけれども、これはいろいろな経緯がありまして、そのときそのときの個別の経緯と事情によって、結果として市町村から無償で借り入れることにしたものというものが幾つかあります。それらは後で総務部長から紹介したいと思います。 そういうふうに県が市町村から無償で借り入れているものも結構あるのだから、今般問題になっている、倉吉にある県有財産と市有財産とを交換する過程で、過不足の部分を県が無償で貸しても罰は当たらないのではないかと、こういう御趣旨だろうと思いますけれども、それはやはりちょっと筋が違うのだろうと思います。確かに県が市町村から無償で借りているものもあります。倉吉市から借りているものがあるかどうかはわかりませんけれども、例えば米子市から米子のコンベンションセンターの土地は無償で借りております。だからといって、米子市から無償で借りているから倉吉に無償で貸しなさいというのは、全く筋違い、見当違いだろうと思います。 逆に、県が市町村に対して無償で貸し付けているものもあります。これもかなりあります。これもいろいろな事情がありまして、県の方がおおような気持ちで快くというわけではないのです。例えば県庁の隣にあります鳥取市立武道館、これは敷地は無償で県有地を貸していますけれども、もともとは県立の武道館であったものを市に移管したわけです。そのときに交渉の過程で、では土地代は無償にします、それから建物も無償で譲渡しますということにしたわけで、そういう事情で県が無償で貸しているという。これは米子市の武道館も同じですけれども、米子市にある米子市立の武道館、総合事務所の一角にありますけれども、そういうものも同じ事情であります。ですから、それぞれ事情があって、そのときの交渉とか経緯とかで決まっているわけです。 今回の倉吉の学校の交換の話は倉吉市から出てきた話で、県の方が快く無償でというわけにはいかない、そういう案件だろうと思います。詳細は総務部長の方から答弁します。 |
●瀧山総務部長答弁 |
それでは、市町村有地の財産を無償で借り受けているものの主なものですけれども、金額面で大きいものとしては、例えば米子コンベンションセンターは評価額が10億円程度です。それから、鳥取砂丘こどもの国の遊歩道、食品開発研究所の用地、鳥取屋内プールの用地等がございます。また、面積的に大きなものは、例えば園芸試験場河原試験地が面積的には2万 3,000平米程度あります。また、鳥取港の海岸環境整備とか園芸試験場の日南試験地等があります。 この無償借り受けの主な理由としては、米子コンベンションセンターですとか食品開発研究所などの施設では、施設誘致に伴い、土地を無償で提供するというような申し出があった場合もあります。また、鳥取屋内プールですとか鳥取砂丘こどもの国の遊歩道などについては、市町村の観光振興ですとか地域の活性化の観点から市と協議を行って、無償で借り受けたというものもあります。また、古いものについては理由の不明なものもかなりありますけれども、それなりの理由があったと考えているところです。 次に、倉産と河北中学の用地交換の件の詳細ですけれども、これはそもそも、平成14年に河北中学の教育環境をよくする会が県に対して交換の陳情をなされました。その後、県から倉吉市に利用の意向を文書で紹介しまして、倉吉と協議を行っていたものです。等価で交換して、差額については有償でというお話をしていたのですが、7月に倉吉駅周辺の特別委員会がありまして、御質問のように、差額分は無償で貸し付けてはというような地元議員からの意見がありました。それを受けて、倉吉市から再度、事務的に無償にならないかというような打診がありました。例えば、建物については使わない施設があるので、差額は無償にしてもらえないか、土地についても、県立高校と市立中学という施設規模の違いがあるから、これが特殊理由にならないのかというようなお話がありましたけれども、そもそも、これは市の方から交換したいということを申し出られた施設です。また、教育施設ということですけれども、他の市町村では義務教育施設につきましては独自で整備されているというような状況から、そういうような公平性の観点からも、無償で貸し付けするというのはいかがなものかと考えているところです。 |
<公有財産について>No.2 |
活性化という経過があるにせよ、市町村からは無償で土地を提供させ、市町村が県有地を無償で借りたいというときは県民の財産ですからそれなりの賃貸料をいただきますとか、何か私にとってはちょっとその辺が不自然と思うわけです。 また逆に、無償で借りることにより、例えば先ほどありましたけれども、由良の運転免許試験場は37年間、大栄町から無料で借りているのです。だから、本当に免許試験場の判断をするときに、県の主体的な判断をもってそれをどこにするかということもできるかといいますと、やはりいろいろな問題が出てくる。何だ、県は大栄町に37年間無償で土地を借りて、砂をかけて逃げるのかと。そういう関係を続けてきたというのが、やはり大きな問題になると私は思っているのです。 ですから、県の主体性で自由にそういう判断ができなくなると思います。無償で長期にわたり継続的に借りるということで、地方財政法上の第4条の5、要するに割当的寄附金等の禁止に、直接的ではありませんけれども、自主的にその精神に反することにならないでしょうか。いずれにしても、法的に事務手続が明記されていない事項ですので、逆に言うと、市町村に一方的な過度の負担を強いらないためにも、何らかのガイドラインをつくる必要があるのではないかと私は思っております。これは知事の所見をお伺いしたいと思います。 |
●知事答弁 |
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<公有財産について>No.3 |
先ほど公有地の話をしたのですけれども、例えば由良の免許試験場でも、今、検討委員会から経済性の部分が出ています。鳥取県の持ち出しが少ない。大栄町が活性化のためにそれだけの土地を無償で提供しますと、土地を提供しますからやってくださいと。そうすると、大栄町、町自体の持ち出しが出ますけれども、県自体のいわゆる用地代負担は予定されているところより少なくなるわけですから、またそういう関係が非常にややこしくなってきます。だから、そういう部分で本当に今、市町村と県の用地の関係については、個々のいろいろな関係があるにしても、やはり何らかその方向を示さないと、例えば皆さん知っておられるように、今、大栄町なども、37年間も無償で使っておって本当に砂をかけて逃げるのかと。そういう部分をやはり交通整理しないと、今のままでいくとするなら、本当に次の世代にまた問題を先送りするという、そういうことになると私は思っております。その部分を知事にもう一度御意見をお伺いしたいと思います。 |
●知事答弁 |
具体的に当面ホットな話題になっております運転免許試験場の件で申しますと、伊藤議員がおっしゃいましたように、長年町が土地を提供してきて貢献してきたのに、建てかえに当たって、後足で砂をかけるがごとく逃げるのかという御批判は、逃げると決まったとしたら一部当たっていると私は思いますけれども、やはり本来、事情が許せば、例えば建てかえを大栄町の今の現地で行うということが、経緯からいいますと、これが筋だろうと思います。ただ、それが困難ということになりましたのは、規格の問題といいますか、整備する際にもっと拡張しなければ規格に合わないということになったものですから、現有の大栄町からこれまで提供を受けていた土地の範囲内ではそれが難しいということになって、そこで新しい問題が生じたわけです。それが1つです。その点をどう考えるかということなのです。既存の借りていた面積だけでは困難であるということ、これをやはり新しい条件として考慮しなければいけなかったということが1つあります。 湯梨浜町の方の候補地というのは、実はもう随分前から県が持っておりました遊休地で、旅館団地というのを構想して、それが構想倒れに終わった土地でして、そこを使うということになりましたら、新たな取得の経費は要らないということで、県の財政上はそちらを使っても新たな負担は生じないと、こういうことがあるものですから、さてどうするかということが1つの要因としてあるわけです。もちろん、それだけの話ではなくて、いろいろな他の要件もあると思いますけれども、それらを含めて検討委員会の方で検討していただいてきているということです。 それで、ガイドラインをということなのですが、さっきから申し上げておりますように、一件一件、非常に個性豊かな経緯と事情があるものですから、なかなか一律のガイドラインにはなじまないのだろうと思います。ただ、言えますことは、先ほど来、伊藤議員がおっしゃったような、強制的割り当てのような、そういうことは絶対にしてはいけないと。もしそういうものが経緯としてあるのならば、それは解消しなければいけない。これはガイドラインとは言えないと思いますけれども、一つのルールとして言えるのだろうと思います。 もう一つ、私はやはり気になりますのは、何か地元といいますか、幾つかの候補を競い合わせるような、さあ、あなたのところはどれだけの寄附がしてもらえますかというようなことをあおり、そそのかすような、そういうこともしてはいけない、県としてはすべきではないと思うのです。そういうようなことが一つ、ルールとして思い浮かびますけれども、あとは個別の問題で、それぞれ特殊な要因がありますので、なかなかルール化になじまないのではないかと思います。 |