平成17年9月定例会代表質問(平成17年9月26日)No.8
<活性化対策について> |
これまで、地域のいろいろな活性化対策は、縦割り行政の中でばらばらで行われてきましたが、今日では、地域自立戦略課が中心となり、これまで地域に埋もれていた人、物、食、文化、資源などを活用し、ツーリズム型、地域資源活用型、福祉活用型など、あらゆる分野で取り組みが進められ、少しずつですが、雇用、地域経済の活性化、地域の自立などに成果を上げてきていると、私自身認識と評価をしております。中でも、とかく閉鎖的に陥りやすいどん詰まり集落や中山間地域においては、地域のあり方さえ変えてきました。 私が特に評価したいのは、中山間地域活性化事業を取り組む地域にあっては、ワークショップを開催し、その地域に住むすべての子供からお年寄りまで参加、その地域のよいところ、悪いところをいろいろな年代、いろいろな視点で出し合うことによって、ふだん何げなく見過ごしてきた地域の文化や特産品などを見直し、逆に地域の特色として生かされていることです。これまでどちらかというと、私たちは活性化というと何か新しい箱物をつくったり、新しい機械を導入したりすることが活性化だと錯覚し、随分こだわってきた経過があります。ただ、いつも表に出てくるのは成功した例ばかりですが、これまで成功を上げることができなかった取り組みはどの程度あるのか、その原因や分析を正しく行われているのか、知事にお伺いします。 |
●知事答弁 |
地域活性化事業についてですが、うまくいったところもあるし、成果がうまく出なかったところもあるけれども、どうかということですが、そもそも、県が集落の活性化事業にかなり以前から乗り出しているのですけれども、私は基本的には、集落の問題というのは市町村の問題だと思っています。基礎的自治体である市町村が集落の様子が一番よくわかるわけで、行政主体としてのかかわりでいえば、市町村が最も本腰を入れるべき分野だと思っております。そこがなかなかそうならなくて、県がずっと集落単位までいろいろな取り組みの支援ですとか、実際に集落に入り込んで県がやってきて、今日に至っているわけです。 最近、市町村の姿勢もやや変わってきたという印象も持っております。県と一緒になって集落の問題に一生懸命取り組むという町村も多く出てきているような印象を持っております。これからぜひ、この点についても市町村がそれぞれの集落にもっともっと力を入れていただけるようになれば、成功例ももっとふえるのではないか。逆に言えば、県は一生懸命取り組むけれども、市町村レベルで県任せというようなことだと、なかなかうまくいかないのではないかという印象も持っております。 私などは、集落の問題に県が直接手を突っ込むということについて、市町村からもっと反発があってもいいのではないかと思うのです。自分のところにそんな、県が直接手を突っ込まないでくれというぐらいの抗議があってもいいと思うのですけれども、もっとやってくれというのが一般ですので、ちょっとその辺に違和感があるのです。ぜひ集落に対する市町村の認識と取り組みというものをこれまでとは違ったものにしていただければと願っております。 状況につきましては、企画部長の方から御答弁申し上げます。 |
●上場企画部長答弁 |
地域の活性化事業の成果ですが、平成14年の春に、それまでの8年間に実施しました、うるおいのある村づくり対策事業の実施地区が46地区ありまして、その成果についての調査があります。 調査結果によりますと、効果があって村が元気になったという答えが約半数、事業を実施したけれども従前と変わらないというものが半数でした。その原因は比較的はっきりしておりまして、集落のいろいろな意見を取り組んだものについては効果が上がっておりますが、仮にすぐれたアイデアであっても、特定の方のアイデア、意見が限られている場合には満足感が残っていない、こういう調査結果になっております。 このような反省に基づいて、その後の事業については、市町村の担当者の人がリードして、集落の中でワークショップを行っております。子ども達からお年寄りまで、村の方々全員の意見が企画立案に反映されるというプロセスを踏んでおります。したがって、直近3年間の事業についてのアンケートでは、ほとんど8割、9割の方からの満足度が高い結果が寄せられている、こういう状況です。 |
<活性化対策について> No.2 |
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●知事答弁 |
集落の活性化の事業ですけれども、再度取り組みが再開できるようなシステムをつくってはどうかということですが、県内のすべての集落をずっと系統的に将来的にも県がすべて面倒を見ていくというのは、これは無理だと私は思います。やはり、県でやりますのは、どちらかというとモデル的といいますか、そういうことにならざるを得ないだろうと思います。 そこで何が重要かといいますと、それらを系統立てて、これからもしっかりと目配りをしていくというのは、やはり市町村の仕事だろうと思うのです。ですから、市町村にぜひ頑張っていただきたいと思いますし、そうした市町村を県が応援するという体制が一番いいのではないかと思います。 |