<県立病院の諸課題について> |
県民の皆さんに信頼される病院経営を願い、県立病院全体の問題について何点かお伺いします。
我が県には、東部に県立中央病院、中部には厚生病院があるわけですが、それぞれの地域にあって、どのような位置づけをされているのか、医療分担の役割をどう連携されていくのか、そのすみ分けについて病院事業管理者にお伺いしたいと思います。特に、東部にある中央病院については、他の公立病院との連携のあり方についてもお伺いします。
また、先日、鳥取市立病院が、がんの早期発見を図るため、画像診断装置、つまりPET−CT装置の導入にあたり、住民参加型市民公募債を発行し、事業費に充当されると報道されておりました。そのための改築工事も、既に着手されているようです。
鳥取県でも、地域がん診療連携拠点病院の指定を受けるという前提の中で、今年度予算に3億5000万の予算が計上され、PET−CT装置の導入が計画されております。一般的に考えて、幾ら他の病院と連携を深めたところで、この東部地区に果たしてPET−CT装置が2台も必要なのだろうかと思うのは、私だけでしょうか。PET−CT装置の需要を、1日当たり何件程度の利用が見込まれ、投資額を回収するにはどの程度の利用が必要なのか、その採算性の計画についてお伺いします。
確かに、病院内にPET−CT装置があれば、利便性がいいわけですが、採算割れが想定されるとするならば、厳しい病院経営の観点からも大きなリスクを背負うわけで、高価な医療機器を東部地区に2台も導入することもなく、共同で利用する方向で調整や議論ができないものかと思うのですが、病院管理者の考えをお伺いしたいと思います。
また、この議場で私を含め、何度となく不足する医師、看護師を初め医療技術職員の確保の問題が議論されてきましたが、そもそも違法状態を今日まで続け、労働基準監督署からの是正勧告を受けた根本的な背景には、看護師等の慢性的な不足があると私は思います。病院事業は、労働集約型の事業であるため、ややもすると本県での交付税問題を中心とする財政問題とのかかわりもあり、職員の削減に伴って収支のバランスを適正化しようとする選択肢が働くことも想定されますが、結果的にはマンパワーの不足により、正常な病院経営に支障を来すことから、都市部のように高度医療を担う民間医療機関がある地域と、行政が高度医療の担い手でなければならない地域という現実的な区分けの中で、優秀な医療関係職員の確保に病院の存亡もかかっていると言っても過言ではないかと思います。このような見地の中で人材確保の見通し、並びに課題があればお伺いしたいと思います。
法律では、過重労働を防止するために、時間外、休日労働を月45時間以内とするよう求められております。このことは、毎日2時間程度の残業であり、それぞれの家庭が崩壊しないための目安でもあるわけですが、実際に月45時間を超えた職員が何人いて、どの程度の割合だったのかお伺いします。
この5年間で中央病院、厚生病院合わせて83名の看護師の早期退職者があり、その主な原因として、体力的に勤務がきついと答えた人が20人、健康上が8人、家庭の事情が7人となっております。
このように、経験を積んだ看護師が、現職の途中で辞職されることは、病院としての1つの財産を失うことであり、早急に対応策を講じなければならないと思いますが、管理者としてこの事態をどう認識されているのかお伺いします。確かに、看護師の皆さんなどは、3交代の夜勤交代であり、若いときならいざ知らず、年齢が高くなれば相当きつい仕事であると容易に推測できます。県庁の中で、管理職になったといって、仕事がきついとこれほどの離職者が出ていないことからも、看護師の仕事の大変さの認識をもう少し新たにすべきと思うのです。私自身が、認識が低いと感じる1つの例として、看護局長の処遇です。300人もの看護師を束ねるかなめの要職でありながら、県庁内で言うなら課長級の待遇とされております。県庁内で、300人もの部下がいる課長など聞いたことがありませんし、看護師長もそうですが、部下が20人もいる係長なんて、県庁にはいないでしょう。病院の事務だと、30人から40人で、5人くらいの管理職が配置されているのに、看護師では300人に3人しか配属されていないのです。
こうした現実を見るにつけ、長年にわたる女性差別が、大量の中途離職者を出している背景の1つではないかと思います。男女共同参画に見識の高い片山知事は、この現状をどう理解されたのか、所見をお伺いするとともに、病院事業管理者に改善策を含め、どのように認識しておられるのかお伺いします。
看護師や薬剤師、衛生技師、放射線技師などの皆さんの労働条件については、職員組合もあり、是正勧告対応については協議が持たれていると思いますが、医師の職員組合加入者はおられないと仄聞しております。そうした中にあって、医師の労働基準については、だれが中心となって是正に向けての取りまとめをされるのか、病院事業管理者にお伺いします。
人事委員会委員長にお伺いします。長時間労働の目立つ職種の1つとして、薬剤師があります。先日、薬の大型店に立ち寄った際、求人の張り紙というか、広告を見ました。正規職員で、給与が月30万円、パートで時給2,000円でした。また、先週、中部地区のある民間病院の看護師募集広告が新聞折り込みされておりました。新卒者初任給20万3,000円、賞与4.7カ月、さらに支度金用意とありました。こうした民間の待遇と比較して、県立病院での待遇が今のままで本当によいのか、優秀な人材が本当に確保できるのかお伺いします。
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●知事答弁 |
県立病院の看護師の中途退職、中途離職者が多い背景に、管理職の配置というか、管理職への任用が不足しているのではないか。1人の人が300人も管理しているけれども、課長級であると、ということで、確かにおっしゃるような面があると思います。やはり、人間が人間を、人間が組織を管理するときに、おのずから管理できる範囲というのがあるわけで、それにふさわしい管理職の体系というか、職場の体系は必要だろうと思います。
この問題を論ずる場合に、幾つかポイントがあると思いますけど、1つは人材確保という面でいうと、例えば他の同業者、民間なりの病院でどういう体系になっているのかというのは、これはひとつ大いに参考にすべきだろうと思います。
それから、もう1つは、これは特殊な事情なのですけれども、鳥取県の場合は、いわゆるわたり制度というのはやめました。従来は、わたり制度があったので、処遇というのは年功序列的になりますけれども、それなりに単価が低い職員から、ある程度高い職員までいるわけですが、それが必ずしも職責と関係なく、給与は年功的に決まっていたわけです。
今度、わたり制度をやめましたので、実はそこら辺の調整が必要になると思うのです。今度は、明確に職責と給与というものが連動するような仕組みが必要だろうと思うのです。そこのところが、まだ必ずしもうまく調整できていないという面があり、一種の過渡期だろうと思います。この辺の調整は必要だと思います。今、病院事業管理者の方で、こんなことも含めて管理職の見直しなども検討しておりますので、私もよく病院事業管理者から意見を聞いて相談にあずかりたいと思います。
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●坂出病院事業管理者答弁 |
県立病院の位置づけと連携ということですけれども、これは中央病院と厚生病院と若干違い、中央病院の場合は、感染症病床の運営のように、地域の中核病院としての役割も持っておりますけれども、例えばNICUだとか、今準備しているMFICUですとかといったふうに地域を若干越えて、少し広い範囲を対象にしたような機能というもの、二次医療圏を越えた機能というのも持っております。
さらに、救命救急センターだとか、あるいは基幹災害医療センターだとか、いわば全県を対象としたような機能も持っている。こういう重層的な機能も持っていると認識しております。
それから、厚生病院の方は、県中部で産科、小児科が総合的に診れるというのは厚生病院だけですので、そういうもの、あるいは地域がん診療連携拠点病院、あるいは地域の災害医療センター、あるいは感染症病床の運営といった県中部の中核的な医療機関としての役割を担っている、そう考えております。
それぞれの病院が、それぞれの機能に応じた地域での分担連携ということを考えていくということですが、一番端的な例を申しますと、小児救急が一番わかり易い思いますが、厚生病院の場合は、開業医さんの御協力をいただいて分担しながら、夜間あるいは休日の小児救急に対応しておりますし、中央病院の場合は、中央病院自体はNICUに特化して、24時間救急に対応している。ほかの病院、あるいは医師会の方には、休日夜間の診療を担当していただく、そんな分担をしているということがよくわかる例かと思います。
これらは、これからまた先、ほかの分野でも、恐らくそのようにしていかなければならないものも出てくると思いますから、それに対応していこうと考えております。
特に、中央病院の場合の東部の公立病院の連携ということが、質問でありましたけれども、今の状況でいきますと、郡部の病院で、医師の補充ができないというようなことでの協力要請が時々ありますので、できる限りの協力をしようということで診療援助、あるいは宿日直の援助というようなことをやっております。医師を派遣いたしております。
それから、市立、日赤、生協とは先ほど申しましたような協力以外に、これというのがちょっと思い浮かびませんけど、今のところ、日常的には患者さんを相互に紹介し合っているというようなことでございます。
いずれにしても、保健医療計画がまたつくられますので、その中で連携ということも定められてくると思いますから、それを見ながらできるだけの分担、連携をやっていきたいと考えております。
PETの問題です。利用見込み、ことし予算をお願いする際に、私どもで作成した数字で申しますと、健康診断を除き、医療に特化した場合に、ほかの医療機関からの紹介も含めて、中央病院で1日当たり3件ぐらいということで数字を整理しております。損益分岐点は、1日当たり6件です。相当厳しい赤字が出ると考えております。
導入の是非、あるいは時期ということですけれども、今、東部の役割分担あるいは連携の検討が、地域医療計画の中で進められると思いますし、それから目の前にがん診療地域連携拠点病院、これの指定を知事が厚生労働省の方に推薦されて、厚生労働省の方で指定されるということですけども、そこでどういう判断をされるか、そんなことも見なければいけません。
それから、今、一部のものにしかPETは保険適用になっておりませんけれども、それは今後どうに動いていくのか、あるいは機器の値段、薬剤の値段。薬剤の保険診療点数の内、大体6割近くが薬剤費になっておりますから、それがどうこれから変わっていくか、それらを総合的に検討した上で判断したいと思っております。
いずれにしても、今すぐかかったとしても、とても今年度中にPETを供用するということはできませんから、ほかの病院の方が先行されますので、その様子も見ながら当面自分のところで持つまでは、ほかの医療機関にお願いをするということで対応していきたいと考えております。
医療機関の職員の確保の見通しの質問がございましたが、今回の問題、監督署の勧告の問題の根本原因が、看護師の慢性不足だとおっしゃいましたが、今回の指摘の中身は看護師以外の医療技術職員に関するものが大半ですので、それ以外の問題だろうと私は考えております。臨床検査技師とか、あるいは診療放射線技師とか薬剤師、看護師も含めて、それらの確保、今、募集をやって採用しておりますけれども、いずれも応募数は募集人員の3倍以上の応募がありますので、何とか確保はできていると思っております。
ただ、予想のできない退職、急遽退職される場合、あるいは育児休業、あるいは病気休業というようなことがあったときに、職のほとんどが資格職なので、臨時とか非常勤で、すぐ対応することが非常に難しいので正規職員としての試験をして採用する、そこにタイムラグができますから、その間どうしても欠員時期が長くなるということが多くなります。
そういうこともあり、ことしからできるだけ病院局の方でタイミングをはかって、空が出れば採用試験をやる、年に何回でもやるということでいきたいと思っております。
次に、時間外の45時間を超えている職員の状況ですけれども、昨年度の実績ですが、一月当たり平均で42人、率にすると6.1%です。職種別に見ますと、ばらつきがあり、一番多いのは医師20人、医師全体の31.3%です。それから、医療技術職員が15人、20%、昨年度の場合はほとんどが中央病院の医療技術職員です。
看護師の離職が多いということです。ここ数年、確かに早期退職の看護師が増えております。体力面とか健康を理由にした者が多いと、私も認識しております。
特に、近年、平均在院日数が短縮してきておりますし、高齢の患者様が増えておりますので、看護師の負担が増えているだろうと思っております。夜勤がきついという声も聞いております。何らかの執務環境の改善が必要であろうと思っております。
現在、看護師の配置は入院患者10人に対して1人、いわゆる10、1看護というのでやっておりますが、ことしの4月の診療報酬の改定で、7対1の看護が認められております。看護A体制といいますけれども、このA体制が実現できれば、より手厚い看護ができる。それから、看護師の勤務改善にも資すると考えています。いろいろ難しい問題がまだありますので、すぐにというのは難しいかもしれませんが、できるだけその方向を考えていきたいと思っております。
次に、看護師の管理職が少ないという問題ですけれども、確かに看護局長が300人束ねるということ、それで管理職が副看護局長も合わせて3人というのは、医療安全の問題、あるいは職員の健康管理、あるいは、公務の能率評定で本当に適正なことができるのかという問題もあり、非常に気がかりに思っておりました。最近は特にチーム医療ということもあり、それから技術の進展化といいましょうか、標準的な医療、看護を提供するということからも、看護体制の充実は必要だと思っております。
今、労務管理という観点から、職制の見直し、実は、わたりは看護師の場合は積み残しにしておりますので、それも含めて給与の問題と、あるいは職制の問題というものを組み立て直さなければいけないということで、看護局長を課長級でいいのかどうか、あるいは師長が係長級でいいのかどうか、それらも含めて案をつくって今、職員組合に先ごろ提示したところです。職制の見直しをきちんとやれば、処遇改善にもつながってくるだろうと考えております。
医師の労働基準についてだれが考えるのかという話ですが、県立病院だけではなく、今、病院勤務の医師は恐らくどこも労働環境が非常に厳しいだろうと思います。
県立病院でも、両病院の昨年度の医師全部の平均の時間外が月30時間です。ですから、非常に厳しい、いわば疲れ切っているという人も中にはおられるだろうと思っております。そういう勤務の状態、あるいは医師からのいろいろな考えというのは、通常は医局会というのがありまして、医師の集まりというか、組織というか、そこでいろいろな意見が出されますので、それを病院の医療局長などが引き取って、病院の中での管理部門での相談にかけていくというのが一応基本です。制度的な問題など、病院の中だけで解決できない問題については、私の方に相談があり、協議しながら進めていく、そんなことでやってきております。
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●佐蔵人事委員会委員長答弁 |
御承知のように、病院局職員の給与等の勤務条件については、地方公営企業法等の規定により、人事委員会の権限が及びませんが、人事委員会として思うところを述べさせていただきます。
薬剤師、看護師に対する民間の給与等については、一部に御指摘のような状況があると承知しております。しかし、人事委員会の行っております民間給与実態調査では、民間病院の薬剤師や看護師の給与、昨年の調査では、薬剤師は平均33.6歳、26万6,882円、看護師は平均35.4歳、27万5,961円という結果が出ております。これと比較しても、県職員の給与は遜色ないものと思っております。また、人事委員会や病院局が行っている薬剤師、看護師の採用試験については、現時点では一定数の応募があります。優秀な職員が確保できていると確信しております。
ところで、人材確保のためには、給料を高くするのも1つの方法でしょうが、決してそればかりではないと思います。いろいろな要素が考えられると思っております。
今後、県立病院の薬剤師、看護師の人材確保が困難ということになれば、まず病院局において、その原因を特定し、適切な対応をされる必要があると思います。人事委員会としては、病院局から相談があれば、検討、助言等を行っていきたいと考えております。
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<県立病院の諸課題について>bQ |
初めにPET−CT装置の導入の件ですが、鳥取市が既に導入計画をしており、その様子を見ながらということもありますし、また単価とか、薬剤単価とか、そういう環境も見ながら検討するということですけれども、やはり採算性がとれない今の状況の中で、鳥取市が先行されるわけですから、鳥取市の市民病院の皆さんとその辺を連携しながら有効な活用を考えていただきたいと思うのです。
例えば、今の状況の中で、鳥取市にPET−CT装置を2台導入するということは、鳥取市の市民の皆さんから見れば、そんなリスクの高いものを二重に負担するのです。要するに県民税として、直接ではないですけども負担するわけですし、鳥取市民病院に対しても負担するわけですから。やはり、なかなか今の状況の中で、説明責任を果たせる状況でないと思います。ですから、確かに必要な装置ではあるとは思いますけども、その辺の調整をしっかりとやっていただきたいということをお願いしたいと思います
先ほど申しましたが、まさに医療は生き物であり、その技術は年々成長していると思います。新規に来る医師は、最近の高い医療技術を持って着任するわけですけども、なかなかその流れについていけない看護師の声、逆に、その流れについてこれないと嘆く医師の声、そういうものをよく聞くことがあります。
看護師の仕事は、盗んで覚えるような仕事じゃなくて、医療の高度化への不安は、やはり研修とか教育で解消されるというのが本来だと思っております。人手不足とか、そういう問題で、十分な研修、教育の場が提供できていないのが現実だと思っております。日々の忙しい業務の中で、それぞれが自己研さんの中でスキルアップを図るということが、大半だろうと思っておりますけども、しかしそれではやはり組織としての、いろいろな課題の共有化も図れませんし、組織力の低下を招くと私は思っております。
したがって、そうした明確な研修、教育の場を点検、整備を進めると同時に、看護師を育成する専門的な部署が、私は必要ではないかと思いますけども、これについて病院事業管理者にお伺いしたいと思います。
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●坂出病院事業管理者答弁 |
ICの職員証の問題ですけれども、今は導入しておりませんが、確かに病院の場合は、変形労働ですとか、あるいは交代制勤務だとかということがありますので、1人の職員がどういう勤務をやっているかというのを管理職が非常につかみにくいということが多いのです。したがって、過重労働だと思われる職員に対しての、早期の指導、時間外を縮減していくということになかなかつながりにくいということもありますので、私としてはできるだけ早く導入したいと考えております。
ただ、できるだけそれは現場の職員の理解をした上で、腹入れした上で導入したいと考えておりますので、今、県のシステムそのままを適用して、うまく機能するのかどうか、あるいは導入経費がどうかということも含め、具体的な検討をしているところです。
看護師の研修の問題ですけれども、今、病院ごとに教育委員会というのを設けて、看護師の、看護局が中心となって教育計画を作ったり、あるいは院内発表会というようなものを開いております。これは、一応階層を分けて、新人から師長まで、段階ごとに内容を変えて、研修体系をつくってやっております。
また、言われたようにレベルの高い看護を提供するために、今、日本看護協会が認定看護師という制度をやっておりますので、それに毎年2人〜3人のときもありますが、派遣して、認定看護師を養成することを、これはつい最近、平成16年度から始めて、今4名おりますが、これからもずっと続けていきたいと思っております。
もう1つ、さらに研修体制の充実を図るということで、先ほど申しました看護師の職制見直しの中で、私としては教育研修担当の副看護局長というものを新しくつくることを、今、その案の中に入れております。それもできれば実現させたいと考えております。
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<県立病院の諸課題について>bR |
国では55歳以上の高齢者に対しては、選択的な短時間勤務制度が整備されておりますけども、県ではまだ未整備のままと仄聞しております。病院事業管理者は、あなたの年代で、例えば月8回もの夜勤をこなしている実態というのは大変だと思います。よく考えてみていただければわかると思いますけど、確かに定数の問題とか、賃金、年金等クリアしなければならない問題、たくさんありますけども、やはりそういう問題の中で足踏みされているのかと思いますけども、現実的にはこの間、中途離職者が次々と生じているという実態もあります。本当にこのままでは、県立病院の医療サービスがきちんと提供できるものかと心配しております。
例えば、鳥取県独自の方式でも、早急に検討すべきでないかと思います。例えば、1つの例ですけども、介護や家庭的な問題などで、どうしても夜勤ができない、そんな看護師については、例えば給与、待遇が下がっても、日勤だけの勤務制度をつくるとか、ただし、また夜勤ができる人には、それなりの待遇をきちんとするとか、やはりその辺の処遇を選択肢といいますか、区分けしながらの体制というものも検討されたらいかがと思います。
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●坂出病院事業管理者答弁 |
55歳以上の高齢者に対する短時間勤務についてですけれども、今、県立病院の看護師の配置で、師長とか管理職を除き、夜間、夜勤を伴なう病棟勤務が405人、87%でございます。それから、外来の日勤専門が62人、13%というような状況で、健康面とか特段の事情がない限り、日勤を希望する看護師の要望に応えるというのは、病院を運営する上で非常に困難だと思っております。
実態としては、医療安全などを考えながら、ベテランと経験の浅い看護師とを組み合わせたりしておりますので、両病院とも外来の方にベテランの看護師が比較的多く配置されているという実態はありますけれども、個々の事情を酌んで、要望に応えるというのは現状では非常に困難だと思っております。
現時点では、したがって県独自の日勤だけの特別な制度というのをつくるという考えは、私は持っておりませんが、将来的な問題としては、短時間勤務制度あるいは日勤者と夜勤勤務者との給与格差をつけながら、日勤の方の希望に応えていく、そんなふうなことができるかどうか、それは幅広に勉強してみたいと考えております。
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<県立病院の諸課題について>bS |
本日、労働基準監督署の是正勧告を切り口として、県立病院全体の問題を取り上げたわけですけども、病院という医療の最前線で労働基準が守られていないということは、つまりコンプライアンスが遵守されていないことは、病院で働く職員の健康管理などの問題にとどまらず、県民の皆さんの命と健康も脅かす問題であると私は思っております。
つまり、医療現場の違法な労働環境によって、本県の高度医療サービスの維持が提供されているという実態は、いつしか医療過誤、そういうものを招くということに、やはりつながる心配から、その体質について質問したのです。
先ほど、管理者が報告されたように、今の10対1の体制を、将来7対1も検討したいということですけども、それはぜひともやっていただきたい。やはり、7対1にすることによって、看護師の皆さんの仕事も楽になり、本当に入院患者の皆さんにきちんとしたサービスの提供ができる。しかもそのシフトを、その制度を導入することによって、医療点数も高くなるわけですから、そういう部分を本当に考えながらやっていただきたいとお願いいたします。
いろいろ議論しましたけども、この議論をベースにしていただき、抜本的な改善ができるとこは改善を進めていただいて、本当に県民の皆さんに信頼される県立病院を目指していただきたいということをお願いしたいと思います。
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