平成25年9月定例会一般質問(平成25年9月24日)No.2

<重症心身障害児のサポート体制について>
 
 
 

 県の障害福祉課に尋ねたところ、みずからの力で日常生活を営めない重症心身障害児・者の皆さんが県内で 314人おられると聞いています。その内訳は施設入所の方が 129人、在宅の人が 185人と、在宅で生活をされている方のほうが多くなっています。中でも18歳未満の重症心身障害児は87人で、そのうち78%に当たる68人は在宅介護です。このように、重症心身障害児・者の家族の皆さんの多くが可能な限り自宅での生活を望んでおられる一方、たんの吸引や人工呼吸器の管理、排せつ介助、寝返りなど、その生活は身体的、精神的にも負担が大きく、大変きつい日々を送られているのも現実です。

 県内の入所できる医療機関は、東部の医療センターと西部の総合療育センターで、中部は皆無です。医療措置ができる短期入所施設、さらにはデイサービスなど生活介護ができる施設が極めて少ないのが現状です。特に中部地区は受け入れ人員が数人と、極めて少ない現状です。
 行政としても在宅介護を推奨しておられるわけですが、家族の精神的負担や疲れを短期間でも癒すレスパイト施設が少なく、介護される家族の皆さんの心労がとても気になるところです。県としても、在宅介護を推奨する一方で、改めて医療措置ができるこうした短期入所施設やデイサービスをもっと増やすという環境を整備すべきと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。

●知事答弁

 
 
 

 もっともなことだと思います。

 改めて見てみると、やはり施設の不足が否めないと思います。特に短期入所やデイサービスといった観点での施設が十分でない。これについて、新年度の予算に向けて検討させていただきたいと思います。
 実際の状況はどうかというと、数はそんなに多くないです。ただ、確実に増えています。例えば西部のほうは鳥取療育園があるので調査がやりやすいわけですが、10年前は呼吸器をつけながら在宅にいるという子どもはいなかったです。それが今では10名を超えるレベルでいらっしゃる。どんどん医療が発達してきて、そういう子ども達が新生児から生まれてくるようになって、さらに医療技術も発達し、介護のサービスなどもでき上がる中で、在宅で呼吸器をつけながら生活をするというスタイルが出てきているわけです。ただ残念ながら、そのためにかっちりした建物を建ててやるというほど人間がいるかというと、そんなに数はいないのです。ですから、医療施設等を活用しながら、その中に十分なスタッフを置いて受け入れをするというのが現実的な方向性かと思いますし、手っ取り早いと思います。その意味で、報酬単価をサポートしてあげるとか、それから、トイレを初めとした施設整備の支援をするということで道を開くことができるのではないかと思います。関係者ともよく相談してみたいと思います。

<重症心身障害児のサポート体制について>bQ

 知事から非常に前向きな姿勢をいただきました。本当に家族の皆さんは大変です。なかなか民間の普通というか、老健などの施設のようなのではだめだと思いますし、医療が伴いますので、やはり医療関係の施設の中にそうした受け入れ、生活介護ができるようなものをぜひとも関係者の皆さんの声を聞きながら、特に中部は少ないですので、東・中・西、バランスを見ながら前向きな対応をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。

●知事答弁
  
 切実な課題ですので、整備に向けて推進していきたいと思います。これは今、関係者とも議論を始めています。そういう中で、例えば中部の医療機関の中には高齢者の施設と絡めながらやっていたりということもあるのですが、ただ、なかなか手が回らないというのが実情です。例えば短期入所施設と位置づけてあっても、実際に受け入れるのは難しいというようなことであったりします。これが実情ですので、やはりもっと人員の配置等は考えなければいけないです。そういう意味で報酬等のサポートを県独自で当初予算に考えてみたいと思っていて、今、関係者と具体的な詰めをしています。また、重症心身障害児・者を受け入れるとなるとバリアフリー化が一層進まないといけませんので、浴槽だとか、トイレ等の問題があるので、そういうハード面の整備も必要です。
 こういうことをやっていくと、要は県内におられるサポートを必要としている方には届くぐらいのニーズは充足できる担保はとれるのではないかと思っていて、現実的なそういうアプローチをしていければと思います。例えばケアホームも東・中・西それぞれ2カ所ぐらいはあってもいいと思いますし、それを目指しながら政策体系を考えていけば、ある程度の充足率のことになってこようかと思います。今は中部の皆さんは特にそういうサービスが受けられない状態にあり、早急に打開を図っていきたいと思います。