平成25年9月定例会一般質問(平成25年9月24日)No.3

<過疎法について>

 過疎法、つまり過疎地域自立促進特別措置法ですが、昭和45年、過疎地域対策緊急措置法として議員立法で成立して以来、何度かの変遷をたどり、現在の過疎地域自立促進特別措置法です。この通称過疎法ですが、今まさに地方の課題である中山間地域振興対策等で大変大きな成果を上げてきました。さらなる期待がされるところです。
 ところが、この過疎法が平成21年度で終了するのに伴い、平成22年度から法の適用期間が6年間延長され、27年度までとされましたが、24年度に東日本大震災の実情を鑑み、32年度末まで延長されたところです。したがって、県内の市町村の新たなる指定は、平成22年度に岩美町ほか3町が指定を受けただけで、以後、新たな過疎地域指定は、これまでの慣例からすると32年度まで見直しされないのが原則ではないでしょうか。平成22年度からの基準によると、過疎の指定を受けるためには人口減少率に高齢化比率、若者比率等を勘案するなど、さまざまな人口要件と0.56以下という財政力要件があり、ともに該当する市町村がその対象となります。県内でも市町村によって人口減少の激しい市町村や財政状況も随分変化しています。
 平井知事には、過疎法に対する認識について改めてお伺いするとともに、この間、新たに過疎地域の指定を受ける可能性のある地域が県内でも生じていると思いますが、その現状並びに次の改正時期である32年度を待たなくてもその都度指定を受けられるように法を見直すべきものと思いますが、知事の所見をお伺いします。

●知事答弁

 
 

 
過疎法は、たび重ねて改正されながら、議員立法で発展してきた制度です。昭和45年の法律に始まり、10年ごとに改正されてきました。最近でば平成22年に改正がされたところです。当初は当初5年間の人口の減り具合を指標にしてやってきたわけですが、それでは十分ではないということもあり、だんだんと仕組みは変わってきています。特に平成に入り、平成2年の改正のときには、結局、一旦人口は減っても増えてくるところがあるのです。ただ逆に、集落によって、非常に中山間地化が進み高齢化が進行する、若者が減るということで集落機能が低下してくる、そういうところのサポートの必要性は相変わらずあるのではないかという国会での議論がありました。そんなことで、指標として高齢者の比率とか若年者の比率というのが加わってきました。さらに、人口をとるレンジも、最初の昭和35年からのことでずっとやるだけでなく、別の人口レンジも、人口変化もとるようなことも必要になってくる。そうして徐々に改正の中で要件も変わってきています。
 議員がいわれるように、県内の状況をいえば特に中山間地の過疎地の利用が多いわけですが、それに準ずるような地域がほかでも見られるようになってきているという実態もあり、国のほうも見直しを図る要件も変わってきているのですが、その辺の柔軟な今後の制度設計というのは必要ではないかと考えています。
 これは今、議員立法で、議員ベースで見直しの議論が進み、特に与党の中で、自民党で今、過疎議連での議論も進んでいますが、前回の平成22年の改正のときも、超党派での話し合いをされた上で制度設計がつくられました。過疎地域の自立を求める自治体の連合体があり、島根県とかも入っているわけです。当然鳥取県も入っているわけですが、島根県とが幹部になっており、今後ともそうしたところと連携しながら働きかけをしていきたいと思います。

<過疎法について>bQ

 
 
 
 

 やはり急激に社会構造が変化する中、市町村の実態に合った過疎法の適用というのを、例えば一定の基準に達したときには受けられる、そんな努力をしてほしいと思います。

 過日の台風18号の襲来、さらには近年多いゲリラ豪雨、まさに全国各地で勃発していますが、しかし、過疎地域と言われる中山間地域においては社会インフラが十分に整備されていないために、災害発生の危険度も非常に高くなっています。過疎地域を抱えている市町村というのは財政的にも非常に脆弱で、十分な整備が進んでいないわけです。人口が少なくなっても日本の風土を守り、多面的機能を支えておられる中山間地域の皆さんの生活環境と命を第一に守るという観点から、社会インフラの維持管理や補修、さらには合併による公共施設の解体等も財政支援の対象にするなど、過疎指定地域の見直しとあわせて地方の声を、まさに議員立法ですので、議連の皆さんにしっかりと知事として声を上げるべきだと思いますが、所見をお伺いしたいと思います。

●知事答弁
  
 これについては、我々としても過疎地域の自立促進連盟の中で議論していますし、そこからも同様の要望を出させてもらいました。これは結構政府・与党側にも響いていると思います。これから秋に恐らくこれは見直しに入ると思うのです。見直しというのは、法律を丸ごとやるというよりは運用の問題かと思いますが、その中でこうした維持補修とか解体とか、こういうことも取り上げていただけないかという働きかけをしています。
 また、別途ですが、若狭鉄道が日本で初めて上下分離方式を導入したわけですが、そういう意味で自治体の関与が出てきたわけです。そういう過疎市町村の事務について過疎債の対象としてもらうという要望もさせていただきました。最近そうした報道が出てきていて、どうも前向きにこういうことを考えようではないかという動きも出てきたようです。さらには、我々としてもずっと願っていたことですが、都道府県が過疎債を発行する、こうした新しい手法も検討の俎上に上っているような報道も始まっています。現場に即して中山間地域対策、過疎対策が進められる制度設計を我々としても求めていきたいと思います。