平成28年2月定例会一般質問(平成28年3月15日)No.2

<総合事務所への事務移管について>


 県民の利便性をより高めるため、県議会での議論を受け、県民に近い総合事務所に平成15年度から事務移管並びに権限移譲をする取り組みが進められてきました。

 ところが昨年、中部地区のある男性から相談を受けました。人間ドックで要精密検査の指摘を受け、精密検査を受けたところがんが見つかり、しかもステージ4。そこで大学病院で診察を受けたら、手術は極めて困難なことから県外の病院で最先端治療を受けることを選択されました。しかし、最先端治療ということになれば、高額な治療費が伴うことから、治療費を緊急に捻出するため、鳥取県がん先進医療費利子補給金制度を利用して銀行からの借り入れをされることになりました。
 ところが、本人は県外のホテルで治療に向け待機、その手続は残された家族が代行されたわけですが、窓口は中部総合事務所、最終決裁は県庁の福祉保健部長。幸い、中部総合事務所保健局の皆さんの迅速な指導とサポートで、何とか早く手続を終えていただきました。
 県の利子補給金制度ですが、あくまでも銀行サイドの融資でもあり、患者の置かれた立場を考えると、迅速な手続が望まれるところで、最終決定を総合事務所の保健局長に移管されてもいいのでないかと思いました。このことから、業務の一部を点検させていただきましたが、被爆者手帳の交付や支援業務、栄養士や准看護師の免許証の再交付、どうしても本庁の課長が決裁しなければならないものか考えてしまうものもあります。改めて、今年1年かけてでも県民に近い総合事務所に移管できる業務や権限を各部局で再点検し検討すべきと思いますが、知事の所見をお伺いします。
 

●知事答弁

 
 がん先進医療費交付金については、議場でも議論があって、いわば四次医療圏的な考え方も入れて、治らないがんではない、近隣に行けば治るとか、そういうものも含めて先進医療を受けた場合の資金的な障壁をなくすために利子補給制度を適用しようというものです。
 正直申し上げて、たくさんおられるわけではありませんが、年に本当に数えるほどのことだろうと思います。そういう意味かもしれませんが、本庁のほうの福祉保健部長の権限としてその決定権を与えているという仕組みになっていて、東部、中部、西部の総合事務所がありますが、いわば権限が分掌されているということになっています。
 我々としては、ちゃんと標準処理期間もつくってありますから、できるだけ早く処理をするということを心がけたいと思っているわけですが、決定権がないと相談に応じるのも中途半端になります。そういう意味で、これは差し支えないというものは総合事務所なり窓口のほうに権限をおろすのがあるべき姿ではないかと思います。そういう意味で、今御提案いただいたがんの先進医療の利子補給については、4月1日から総合事務所のほうに権限をおろすように規定の改正をさせていただきたいと思います。
 また、あわせて、例えば被爆者手帳の交付とか、それから栄養士の免許関係だとか、よく似たようなものもあります。こうしたものも結局何で本庁かというと、本庁に台帳があるとかいうわけです。台帳に記入するだけのために権限を持ってきても余り意味がないので、こういうように運用しなさいということで、各部局、担当窓口がきちんと了解していればいいことですので、そういう定型的な業務で現場のほうでやれることは4月1日から変更させていただきたいと思います。それとあわせて御提案もありましたので、そのほかの類例があるかどうか、また、今後フォローさせていただいて、移譲について検討させていただきたいと思います。 

<総合事務所への事務移管について>bQ
 本当に前向きな答弁をいただきましたし、総合事務所の事務移管、ぜひとも県民の皆さんの目線で業務を改めて点検していただいたらと思っています。