平成16年2月定例会反対討論(平成16年3月19日)

 議案第1号「平成16年度鳥取県一般会計予算」に賛成し、経済産業常任委員会の附帯意見をつけることに反対する討論

 私は、議案第1号「平成16年度鳥取県一般会計予算」に賛成し、経済産業常任委員会の委員長報告にありました、同議案の歳出 6款「農林水産業費」 2項「畜産業費」 2目「畜産振興費」 「優良雌牛整備支援事業」に対して、「県内の優良雌牛を保留し、改良することこそ、県産和牛改良への近道である。優良雌牛導入にあたっては、原則として県内牛を優先し、助成すること。」との附帯意見をつけることに反対して、討論を致します。
 
 過去の一時期、鳥取県の和牛は、全国的に名を馳せ、名声をほしいままにしておりました。
 しかし、近年、全国的に和牛改良が進む中、過去の名声にこだわる余り、鳥取県の和牛改良は、他県に比べ肉質等の改良が立ち遅れ、一昨年の岐阜全共では、惨憺たる結果に終わりました。
 このような現実と過去の反省に立って、県内繁殖和牛の能力向上に緊急に取り組むために、鳥取県では、3年前、平成13年度から、県外、県内に拘らず、優良雌牛を導入する農家、農業団体に対して助成を行う、優良雌牛導入支援事業を立ち上げたのであります。
 また、和牛農家においても、県外から導入することにより能力の高い子牛を生産できるようになり、生産意欲が向上してきたと、たいへん喜ばれているのであります。事実、昨日の3月期のセリでは、県外から導入した雌牛の子牛の価格は、雌で47万1千円、去勢で51万1千円と、県全体の子牛の平均価格に比べ、雌で8万9千円、去勢で5万6千円も高くなっており、県外から導入した雌牛の子牛は高い評価を受けているのであります。
 こうした現実の中で、引き続き、県外雌牛の導入を強く望む和牛農家は多く、そうした農家のやる気に応えるためには、やはり、これまでどおり県内牛にこだわらない「優良雌牛整備支援事業」が必要であると考えます。
 平成14年度の導入実績をみても、県外からの導入が182頭、県内が12頭と、農家の皆さんは、明らかに県外の優良雌牛を求めているのであります。
 県の基幹産業のひとつである畜産を支えているのは、一軒一軒の農家であります。補助金の額が上限10万円と、これまでの3分の1程度に縮減される中で、さらに、「原則として県内牛を優先し、助成すること」などと、あえて附帯意見をつけるのではなく、過去の畜産行政の失敗を繰り返さないためにも、あくまでも現場の農家の自主性を尊重すべきだと考えるのであります。
 さらに、あえて申し上げるなら、増体の良い鳥取県産の和牛を残すというのであれば、その施策については、別途、考えるべきであると申し添えておきます。
 この度の附帯意見を見る限り、良識ある大自民党らしからぬ附帯意見であり、実に情けないと思うのであります。思いがあるとするならば、正々堂々と予算案の修正を本会議に提案し、全議員に信を問うことが議員、議会のあるべき姿と私は思うのであります。
 以上、「優良雌牛整備支援事業」に対し、附帯意見をつけることに反対し、討論と致します。